上 下
134 / 187
3章 魔獣と神々

14. 守護天使のランク

しおりを挟む

「じゃあ、レイスリーネ、ちょっと手を貸して」

 神殿の庭先で、私はレイスリーネに手を差し出した。
 もちろん手をつなぐためだ。

「はっ、はいっ!!」

 何故か赤くなりながら手を差し出すレイスリーネ。
 
 女とわかっていても、見かけ男だからテレもあるのだろう。
 ……うん。彼氏いない歴●●年の私が言うのもなんだけど、この子ものすごく初心なのかもしれない。
 レイスリーネマジ天使。てか本当に天使だけど。


 私はレイスリーネの手を握ると、そのままレイスリーネと自分を含め、魔力を纏う。

「なんとなく感じは伝わるか?」

 私の問いにレイスリーネが、こくんと頷いた。

「ちょっとどれくらいまで範囲を広げられるか、このまま試していいか?」

「は、はい」

 私はレイスリーネに魔力を流した状態で、さらに魔力を纏う範囲を広げてみる。
 レベル143のコロネでは魔力を纏わせる範囲はそれほど大きくなかったがレベル1100超の私ならもっと広範囲に広げられるはずだ。

 魔力を広げてみれば、神殿で動いている者の動きやなんとなく動いてるものの感じはわかる――が。
 わからなくてもいいものまでわかってしまって、情報が物凄く乱雑というか、 神殿で誰かが動いている感じや、木ノ葉の揺れまで感じ取ってしまう。
 これを仕分けるのはかなり慣れが必要だろう。
 ってか、コロネが魔力を纏わせる範囲を狭くしたのはこれも理由なのかもしれない。
 コロネはこれでかすかに動く筋肉の動きや眼球の動きやらで動きを予測してたってことだよな。
 つーか、やはりあの技は筋肉の構造と目の動きでわかる心理をばっちり学んでるコロネからこそできる事なのだろう。
 短時間で動きを予測し、それを行動に移せるってマジコロネチートキャラじゃね?
 いくら魔力で動きがわかっても、既に動いてしまっているのを予測したのでは身体がついていけなくてまったく意味ないし。

 それにーーこれ、ものすごく疲れる。

 私は一旦、魔力を切った。

「うん。なんかものすごく疲れるな」

「ですが感じは解りました。確かにこれを極められれば、動きを予測して敵の攻撃を避ける事が出来るかもしれませんね!」

 私の手をぎゅっとにぎって目をキラッキラさせてレイスリーネが言う。

「でも【並行思念】覚えないときっついなこれ。
 魔力を放出と魔力の動きを読み取るのは別処理しないと。
 レイスリーネはスキルもってるのか?」

「い、いえ、さすがに……私はAランクですから。
 スキルの所持数はあまり多くありません。
 SSランクのアルファーならもっているかもしれませんね」

 と、シュンとなった。
 
 あ、ああ。
 そういえばそうだった。
 てかなにげに自分でランク自覚してるってつらいな。
 自分に点数つけられるとか辛いものがある。
 Aだって決して弱いほうじゃないんだけど……。

 にしても、アルファーってそういえばSSランクなんだよね。
 私だってガチャしまくって最高Sランクしかでなかったのに。
 そりゃ他の守護天使より強いはずだ。

 ギルドハウスに入れれば、守護天使達のステータスも見れるし、パワーアップアイテムもあるのになぁ。
 この世界、なぜかギルドハウス入れないし。
 ……にしても

「んー。じゃあスキル書堀にいってみようか?
 スキル書なら守護天使だって覚えられるだろうし。
 レイスリーネ達も加われば、周回だって早いから、並行思念のスキル書だってだせるかもしれない」

「スキル書ですか!?」

「うん。リリとコロネとザンダグロムの4人で余裕で倒せたんだから、レイスリーネ達もいる今なら楽勝だろうし。
 ついでにsionのレベルも上げたいから」

「は、はい!是非お願いします!」

 レイスリーネが顔を赤らめてにっこり微笑む。
 うん。気の強そうなおねーさんのデレ顔ほどそそるものはないよね。
 いや、やばい私男じゃなくてよかったよ。
 マジ可愛い。こういう女性が男性から好かれるんだろうな。
 私にはきっと無理だわ。
 ……うん。羨ましい。

 何故かここでコロネの顔が浮かんでしまい。
 私は思いっきり首を横にふるのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

気付いたら異世界の娼館に売られていたけど、なんだかんだ美男子に救われる話。

sorato
恋愛
20歳女、東京出身。親も彼氏もおらずブラック企業で働く日和は、ある日突然異世界へと転移していた。それも、気を失っている内に。 気付いたときには既に娼館に売られた後。娼館の店主にお薦め客候補の姿絵を見せられるが、どの客も生理的に受け付けない男ばかり。そんな中、日和が目をつけたのは絶世の美男子であるヨルクという男で――……。 ※男は太っていて脂ぎっている方がより素晴らしいとされ、女は細く印象の薄い方がより美しいとされる美醜逆転的な概念の異世界でのお話です。 !直接的な行為の描写はありませんが、そういうことを匂わす言葉はたくさん出てきますのでR15指定しています。苦手な方はバックしてください。 ※小説家になろうさんでも投稿しています。

転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~

ちゃんこ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生した⁉ 攻略対象である3人の王子は私の兄さまたちだ。 私は……名前も出てこないモブ王女だけど、兄さまたちを誑かすヒロインが嫌いなので色々回避したいと思います。 美味しいものをモグモグしながら(重要)兄さまたちも、お国の平和も、きっちりお守り致します。守ってみせます、守りたい、守れたらいいな。え~と……ひとりじゃ何もできない! 助けてMyファミリー、私の知識を形にして~! 【1章】飯テロ/スイーツテロ・局地戦争・飢饉回避 【2章】王国発展・vs.ヒロイン 【予定】全面戦争回避、婚約破棄、陰謀?、養い子の子育て、恋愛、ざまぁ、などなど。 ※〈私〉=〈わたし〉と読んで頂きたいと存じます。 ※恋愛相手とはまだ出会っていません(年の差) ブログ https://tenseioujo.blogspot.com/ Pinterest https://www.pinterest.jp/chankoroom/ ※作中のイラストは画像生成AIで作成したものです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第二章シャーカ王国編

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

異世界召喚で適正村人の俺はゴミとしてドラゴンの餌に~だが職業はゴミだが固有スキルは最強だった。スキル永久コンボでずっと俺のターンだ~

榊与一
ファンタジー
滝谷竜也(たきたにりゅうや)16歳。 ボッチ高校生である彼はいつも通り一人で昼休みを過ごしていた。 その時突然地震に襲われ意識をい失うってしまう。 そして気付けばそこは異世界で、しかも彼以外のクラスの人間も転移していた。 「あなた方にはこの世界を救うために来て頂きました。」 女王アイリーンは言う。 だが―― 「滝谷様は村人ですのでお帰り下さい」 それを聞いて失笑するクラスメート達。 滝谷竜也は渋々承諾して転移ゲートに向かう。 だがそれは元の世界へのゲートではなく、恐るべき竜の巣へと続くものだった。 「あんたは竜の餌にでもなりなさい!」 女王は竜也を役立たずと罵り、国が契約を交わすドラゴンの巣へと続くゲートへと放り込んだ。 だが女王は知らない。 職業が弱かった反動で、彼がとてつもなく強力なスキルを手に入れている事を。 そのスキル【永久コンボ】は、ドラゴンすらも容易く屠る最強のスキルであり、その力でドラゴンを倒した竜谷竜也は生き延び復讐を誓う。 序でに、精神支配されているであろうクラスメート達の救出も。 この物語はゴミの様な村人と言う職業の男が、最強スキル永久コンボを持って異世界で無双する物語となります。

偽勇者扱いされて冤罪をかぶせられた俺は、ただひたすらに復讐を続ける

大沢 雅紀
ファンタジー
勇者の血を引きながら、戦闘力がないせいで偽勇者扱いされ、照明師として新たに召喚された勇者光司にこきつかわれていたライト。やっとの思いで魔王を倒し、国に凱旋したとき、身に覚えのない冤罪をかけられて奴隷に落とされてしまう。偽勇者として国中を引き回された後、故郷の村にもどされるが、そこには新たなダンジョンができていた……。勇者が魔王に転生するとき、すさまじい復讐の嵐が王国を襲う。魔王になってしまった勇者による復讐記 目次 連載中 全53話 2022年11月15日 08:51 更新 冤罪編

処理中です...