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32話 【錬成】の力
しおりを挟む「おおおおおおおお!!!!
凄い本当に融合種ができたっ!!!!!」
案内された研究所の人がいっぱいいる部屋で【錬成】を使うとなぜかみんな凄い感動したような声で言う。
あのあとジャイルさんに案内された研究所は本当に広い大きな建物で難しい機械がいっぱいある場所だった。
ジャイルさんが言うには帝国にもこんな施設はないって教えてくれたんだ。
人間の世界では神殿の力が強すぎて、聖女が不要な植物を作るなんて罰あたりだって、こういった研究はさせてもらえないんだって。
そして竜神官がいる竜王国も本来は禁止のはずなのだけれど、神殿に内緒でルヴァイス様のお父様が作ったらしいの。
王になる前に密かに貯めた莫大な私財をすべてなげうって。
ジャイルさんのような「聖女のいらない作物」の研究をしたい人がここに集まっているのもルヴァイス様のお父様の人脈から。
世界各国から植物の研究者の人がこの国に集まってる。
私はいっぱいいる全員白衣姿の研究者の人たちを紹介されて、みんなの前で【錬成】を使った。
そうしたらみんな凄い感動してくれた。
「ソフィアちゃん凄いよ!!これは世界を変える偉業だよ!」
茶髪で若い男の人が目を輝かせて言う。
「まさか古代の子エルフの秘伝の技術を生きているうちに見れるとは!!」
今度は黒髪のネコ耳みたいなのが生えた男の人。
「ありがたや。ありがたや。ソフィア様!
このおいぼれこれでいつ死んでも心残りはありませんぞ!!」
おじいさんが私に手をあわせた。
「いや、生きろじーさん、大事なのはこれからだろ!??
さっそくこの植物の特性をしらべなきゃ!!」
そう言っておじいさんの背中をたたく茶髪の若い人。
「はっ!?そうじゃった自分で棺桶を用意するところじゃった!?」
おじいちゃんが驚いた表情をする。
「なんでだよっ!?」
若い茶髪の人がおじいちゃんの背中叩いておじいちゃんがよろけてるけど大丈夫かな?
「とにかくソフィアちゃんは凄いよ!!マジ天使!!」
今度は赤髪の男の人が私に向かって祈りだした。
「ソフィアちゃん、いくらエルフの血を引いているからって、普通はここまでできない。
こんな小さなうちからこんな高度な魔法が使えるって誇っていいよ!本当!!」
研究所の人たちが口々に言ってくれて、私はどうしていいかわからなくなる。
そんなに凄い事だったのかな?
今までレイゼルさんやルヴァイス様やテオさん以外の男の人には「駄目な子、無能、汚い子」とは言われてもこんなに褒められた事がないからどうしていいかわからない。
いきなりたくさんの人に一気に話しかけられてちょっと怖くなってキュイを抱きしめた。
キュイが、「キュイ?」って振り向くの。
「ほらっ!!みんなそんなにいっぺんに話しかけない!!
ソフィアちゃんが引いちゃってるじゃないの」
赤髪の猫耳をはやした白衣の女の人が私を抱き寄せてくれて
「みんな、ソフィアちゃんのおかげで研究が一気に進むってはりきっちゃって、興奮気味なの。
ごめんね」
って微笑んでくれた。
恥ずかしくてかぁぁぁぁってお顔が赤くなる。
凄い。こんな私が役にたてる日がくるなんて。
こんなにたくさんの人に必要としてもらったのなんてはじめて。
「キュイー♪」
キュイが嬉しそうに鳴いて、「よかったね」って言ってくれている気がして私も嬉しくて頷いた。
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