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あの街へ
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次の日の朝……
携帯の着信音が何度も鳴っている。
誰かなぁ。こんな朝早くに。
「はい、もしもし?」
私は、まだ半分寝ぼけているような声で話し始めた。
「なつ!?大変だよ!」
「あ、コウちゃん、どうしたの?」
コウちゃんは、凄く慌てていて、いつもの冷静さがなくなっていた。
「あかりが、いなくなっちゃって……どうしよう」
え!!?
どういう事?
私の心臓が強い力で摘ままれたかのように痛くなって顔から血の気が引くのがわかった。
「今日うちに泊まりに来て、おかしいと思ったんだよ!泊まりに来るなんていつも言わないのに」
「コウちゃん、思い当たる所を探してきて!私も今から向かうから」
「うん、ごめん……こんな事になるなんて」
「悩んでる時間はないでしょ!早く探して!」
あかりちゃん……どこ?
どこに行っちゃったの?
バタバタと急いで用意を始めた。
その時、リエとよっちゃんが目を覚ました。
「なつ?どこ行くの?顔真っ青だよ?」
「あかりちゃんを探しに。いなくなったって」
「え?私達も後から行く!」
リエとよっちゃんも飛び起きて、驚いていた。
急いで洗面所へ行き、凄い勢いで顔を洗ったり歯ブラシをしたり。荷物を準備した。
「いってきます」
後ろも振り返らず、駅へ向かう。
もう少し早く、あかりちゃんに会えてたら……
約束していたのに。
ごめんなさい。あかりちゃん。
私は、駅へ向かう途中。
どの道できたのかさえも分からないくらい、ずっとあかりちゃんの事を考えていた。
今すぐ行くからね!すぐ見つけるから!
だから……どうか。
無事でいて下さい。
私は祈るように、呪文の様に。
心の中で叫んでいた。
駅へやっとの思いで着く。
運が良かったのか、いつも乗る電車が止まっていた。
良かった。すぐ乗れる。
私は、尋常じゃない汗をかきながら、駅員の人に訴えた!
「私、あの電車に乗りたいんです!」
「わかりました!こっちです!」
駅員は、私の凄い焦りを感じたのか、目を丸くしていた。
私は手伝ってもらい無事に電車に乗り込んだ。
「ありがとうございます。すみません」
良かった。乗れた。
ガタガタガタ
ゆっくりと電車が動き出す。
私が尋常じゃない汗をかいているせいか、乗客が心配そうな顔をしてこっちを見ていた。
1人のお婆さんが話しかけてきた。
「大丈夫?凄い汗よ」
「大丈夫です」
私は悪いなと思いながら、素っ気なくしてしまう。
察したかのように、お婆さんは椅子に座った。
あの街に向かう電車は、私の気持ちが焦っているからか、いつもよりもゆっくり走ってるように感じた。
携帯の着信音が何度も鳴っている。
誰かなぁ。こんな朝早くに。
「はい、もしもし?」
私は、まだ半分寝ぼけているような声で話し始めた。
「なつ!?大変だよ!」
「あ、コウちゃん、どうしたの?」
コウちゃんは、凄く慌てていて、いつもの冷静さがなくなっていた。
「あかりが、いなくなっちゃって……どうしよう」
え!!?
どういう事?
私の心臓が強い力で摘ままれたかのように痛くなって顔から血の気が引くのがわかった。
「今日うちに泊まりに来て、おかしいと思ったんだよ!泊まりに来るなんていつも言わないのに」
「コウちゃん、思い当たる所を探してきて!私も今から向かうから」
「うん、ごめん……こんな事になるなんて」
「悩んでる時間はないでしょ!早く探して!」
あかりちゃん……どこ?
どこに行っちゃったの?
バタバタと急いで用意を始めた。
その時、リエとよっちゃんが目を覚ました。
「なつ?どこ行くの?顔真っ青だよ?」
「あかりちゃんを探しに。いなくなったって」
「え?私達も後から行く!」
リエとよっちゃんも飛び起きて、驚いていた。
急いで洗面所へ行き、凄い勢いで顔を洗ったり歯ブラシをしたり。荷物を準備した。
「いってきます」
後ろも振り返らず、駅へ向かう。
もう少し早く、あかりちゃんに会えてたら……
約束していたのに。
ごめんなさい。あかりちゃん。
私は、駅へ向かう途中。
どの道できたのかさえも分からないくらい、ずっとあかりちゃんの事を考えていた。
今すぐ行くからね!すぐ見つけるから!
だから……どうか。
無事でいて下さい。
私は祈るように、呪文の様に。
心の中で叫んでいた。
駅へやっとの思いで着く。
運が良かったのか、いつも乗る電車が止まっていた。
良かった。すぐ乗れる。
私は、尋常じゃない汗をかきながら、駅員の人に訴えた!
「私、あの電車に乗りたいんです!」
「わかりました!こっちです!」
駅員は、私の凄い焦りを感じたのか、目を丸くしていた。
私は手伝ってもらい無事に電車に乗り込んだ。
「ありがとうございます。すみません」
良かった。乗れた。
ガタガタガタ
ゆっくりと電車が動き出す。
私が尋常じゃない汗をかいているせいか、乗客が心配そうな顔をしてこっちを見ていた。
1人のお婆さんが話しかけてきた。
「大丈夫?凄い汗よ」
「大丈夫です」
私は悪いなと思いながら、素っ気なくしてしまう。
察したかのように、お婆さんは椅子に座った。
あの街に向かう電車は、私の気持ちが焦っているからか、いつもよりもゆっくり走ってるように感じた。
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