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1-3 上杉拓斗
嫌い?
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金曜日。文化祭実行委員で集まるのが2回目。
文化祭は7月下旬に行われる。今日の会議では役割分担をするそうだ。悠太がいない代理はこの前教室で俺のことを受け入れてくれた彼女…赤瀬さんにやってもらうことになった。そういえばお礼を言ってなかったな。言ういい機会かもしれない。
会議室まで歩いている途中、俺は思い切って彼女に話しかけた。
「あの、赤瀬さん。」
「ん?」
「悠太の代わりに引き受けてくれてありがとう。それと、前教室でさ、クラスの人に向かって色々言ってくれてありがとう。あれから教室が居心地良くなった。」
「あたしはなんもしてないわ。ただ思ったことを言っただけ。それに、上杉と話すの楽しいっていうか。」
「そっかぁーそう言ってくれてうれしい。ありがとう。」
赤瀬さんは顔を紅色に染めてうつむいた。
会議室に入ると一ノ瀬先輩と目が合った。彼はこっち来てと合図を送ってくる。
「こんにちは!」
「やあ、久しぶりだね。井原は休み?」
遠崎先輩に聞こえないようにこそっと聞いた。
「はい…。今月は学校来ないって…。」
「ええ!?」
びっくりするよな…悠太も中学のこと引きずりすぎなんじゃないか、ほんとに。
「遠崎先輩~ちょっと話していいですか~」
「私も~」
俺が一ノ瀬先輩と話していると複数の1年女子が遠崎先輩を囲んだ。
「どうしたの?」
「先輩って井原くんのこと振った理由ってなんですか?」
「2人ってどういう関係なんですか??」
ストレートに聞く!?やばいじゃん、やばいじゃん、なんて答えるの遠崎先輩??
「井原は中学で委員会が同じだった後輩、それだけ。それに振ってない。」
「球技大会の時、先輩と話した後泣いてたんですか?」
「なんで知る必要があるの?知ってどうするの?広めても彼が苦しむだけ。井原のこと大切に思っているんだったら彼のこと思いやってあげて。なにかあったら私手伝うし。」
「確かに先輩の言う通りですね。彼のプライバシーに踏みこんでいました、ごめんなさい。」
「うん…。先輩にもいろいろ聞いてすみません…。」
「私は大丈夫。ただ井原のことは頼むよ、あいつああ見えてメンタル弱いからさ。」
目の前の光景が信じられなかった。遠崎先輩が悠太のことかばってる。
一ノ瀬先輩によると遠崎先輩は悠太のこと『嫌い』って言ったそうだけど、本当に悠太のこと嫌い??
文化祭は7月下旬に行われる。今日の会議では役割分担をするそうだ。悠太がいない代理はこの前教室で俺のことを受け入れてくれた彼女…赤瀬さんにやってもらうことになった。そういえばお礼を言ってなかったな。言ういい機会かもしれない。
会議室まで歩いている途中、俺は思い切って彼女に話しかけた。
「あの、赤瀬さん。」
「ん?」
「悠太の代わりに引き受けてくれてありがとう。それと、前教室でさ、クラスの人に向かって色々言ってくれてありがとう。あれから教室が居心地良くなった。」
「あたしはなんもしてないわ。ただ思ったことを言っただけ。それに、上杉と話すの楽しいっていうか。」
「そっかぁーそう言ってくれてうれしい。ありがとう。」
赤瀬さんは顔を紅色に染めてうつむいた。
会議室に入ると一ノ瀬先輩と目が合った。彼はこっち来てと合図を送ってくる。
「こんにちは!」
「やあ、久しぶりだね。井原は休み?」
遠崎先輩に聞こえないようにこそっと聞いた。
「はい…。今月は学校来ないって…。」
「ええ!?」
びっくりするよな…悠太も中学のこと引きずりすぎなんじゃないか、ほんとに。
「遠崎先輩~ちょっと話していいですか~」
「私も~」
俺が一ノ瀬先輩と話していると複数の1年女子が遠崎先輩を囲んだ。
「どうしたの?」
「先輩って井原くんのこと振った理由ってなんですか?」
「2人ってどういう関係なんですか??」
ストレートに聞く!?やばいじゃん、やばいじゃん、なんて答えるの遠崎先輩??
「井原は中学で委員会が同じだった後輩、それだけ。それに振ってない。」
「球技大会の時、先輩と話した後泣いてたんですか?」
「なんで知る必要があるの?知ってどうするの?広めても彼が苦しむだけ。井原のこと大切に思っているんだったら彼のこと思いやってあげて。なにかあったら私手伝うし。」
「確かに先輩の言う通りですね。彼のプライバシーに踏みこんでいました、ごめんなさい。」
「うん…。先輩にもいろいろ聞いてすみません…。」
「私は大丈夫。ただ井原のことは頼むよ、あいつああ見えてメンタル弱いからさ。」
目の前の光景が信じられなかった。遠崎先輩が悠太のことかばってる。
一ノ瀬先輩によると遠崎先輩は悠太のこと『嫌い』って言ったそうだけど、本当に悠太のこと嫌い??
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