もう一度君と…

海津渚

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1-2 遠崎佳奈

彼の親友

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「おはようございます!!」
「おはよう、ヒロ。」
 ヒロと登校することになった。
 最寄りの虹岡駅。いつもより輝いているように見える。
 電車が同じ人がいなく、しかも学校から遠いため、一緒に登下校する人がいない。友達と学校に行くなんて初めてだ。
「俺もこの電車だったらいいのになぁ。それなら悠太とも登校できるのに…」
 井原のことを言われて、少し立ち止まってしまう。
 
 井原悠太は…ヒロの親友だ。
 もともと井原とは仲良かった。
 中2の時の委員会で出会い、話が合い、一緒にいて楽しい存在だった。
 そう、すごく楽しい存在…
 いや、嫌いだから。大っ嫌いだから、今は…
 その頃、彼はよくヒロの話をしていた。他クラスだけど親友だって。どのように親友になったのかは知らないけれど。
 ヒロと出会って、彼も井原のことをよく話した。彼は私と井原の関係性は知らないらしい。珍しいとは思ったが、中1の頃不登校だったと聞いて、納得した。

「先輩って悠太のこと知らないんすか!?」
「だーかーらー何度も言ってるじゃない。知らないって。」
「今度紹介しましょうか?」
「遠慮しとく。」
「先輩ってほんとに男子に興味がないんすね。」
「…まあね。」
 直接そう言われると自分にはそういうキャラって見られているって気がして辛い。

 友達と登校すると時間があっという間に過ぎてしまう。
「クラスの佐原がすごいおもしろくてさ。授業中に紙飛行機を窓から飛ばしたりって感じでさ~」
「楽しそうー!」
 話していたら、気づけば校舎の玄関に着いていた。

 人影が見える。朝早いのに偉いな…と思って見ると、そこには井原ともう1人の生徒がいた。
「じゃあ、また。」
 私はそう言って自分のクラスに逃げた。
 なんでいるんだよ。せっかくの貴重な朝を井原に潰された気分だった。
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