2 / 20
第一章 始まり
2 スライムらしい
しおりを挟む朝起きて、いつものように家畜の世話と畑の仕事を終わらせた。
昨日は母親に笑われ悔しかったので、洞穴を本格的に調べてみようと思う。
ちなみに、謎の生物をネットで調べたが、わからなかった。
頭にヘルメットをかぶり装着型ライトをつけ、防護めがねをかける。
背中にリュックを背負い、なかにはロープや食べ物と水、あと防災グッズ関係をいくつかいれた。
武器は、鉈に、ナイフと槍かわりの鍬、スタンガンなどを用意した。
農家の必需品とスタンガンはブラック企業時代使っていたものだ。
よし準備はできた。気分は、〇〇探検隊、いざ出動。
洞穴につき、まずは、折ると発光するペン型ライトを投げ入れてみた。
うっすらと光っているがよく見えない。しばらく、じっと待った。
何も飛び出してこないので、ゆっくりと洞穴に入っていった。
穴の中は岩壁とアスファルト道路のように平らで硬い地面だった。
今のところまっすぐ続いている。進んでいくと右左の別かれ道になった。
発光ペンを目印に置き、左に進んだ。
目が慣れたせいか暗闇でも周囲が見えるような気がする。
すると5mくらい先に、ぷるぷると震えるように青い謎の生物がいた。
もうスライムと呼ぼう。鉈を手に取り、恐る恐る近づいてみた。
いきなりスライムは大きくはねたと思ったら、俺のほうに突進してきた。
驚いたがよけることができる早さなので右によけた。
だが、スライムがまたジャンプしてむかってきた。
今度は、鉈で応戦しなんとか取り押さえることができた。
透明な体の中にある黒い石めがけて2度ほどきりつけてみたが、ゴムのようにへこむだけでもとに戻る。
黒い石は俺の攻撃をかわしながら素早く動き逃げ回っている。
なかなか当たらない。
くそっ。ふと、スタンガンをあててみた。すると黒い石の動きが止まった。
慎重に黒い石にむけて鉈をふりおろした。
昨日と同じように黒い石が壊れるとスライムは光の粒子となり消えた。
そして青い水晶ではなく液体のはいったビニール袋が残った。
何だろう?とりあえず拾いリュックに入れた。
先にすすんだ。曲がり角を曲がると、また左右の分かれ道になっている。
発光ペンをおとし、左に曲がった。
俺の背丈くらいある大きいスライムがいた。
でかい。右手に鉈をもち、左手にスタンガンをもった。
黒い石が薄いので、なんとなく後向きのような気がしたのでそっと近づく。
スライムに前後あるのか?
どうやら気付いていないようで、襲ってこない。
手の届く位置まで近づいて、スタンガンをあてる。
動きまわっていた黒い石が止まったので鉈を振りおろし壊した。
巨大スライムが大きな光の粒子となって飛び散ったので俺はあわてて逃げる。
大きいので迫力のある消え方だった。
地面には、薄紫色の液体の入った瓶と薄紫色の水晶のような石があった。
拾ってリュックに入れる。
先に進みスライムを倒してはアイテム?らしき水袋や水晶拾いを繰り返した。
どこからともなく「ブー」という音が聞こえた。
もしや、これはファンタジー小説にでてくるレベル音ではないのか?
少し小声で、「ステータスオープン」「レベルオープン」「スキルオープン」等々といってみたが何もおきなかった。
一人でよかった。
恥ずかしい・・・
とにかく先に進む。
スライムを倒していけばいくほど、スライムの攻撃を簡単によけられるようになったし、黒い石も一回で壊せるようになってきた。
なんとなく、体も軽くテンションも上がる。
アイテムらしき水袋や瓶、青い水晶などでリュックがいっぱいになり重くなってきたので、とりあえず今日はうちに帰ることにした。
家に戻ったら、仕事しろと母親にまた怒られた。
リュックの中身をみせると、手の込んだいたずらだと思われ、笑われた後叱られた。
理不尽だ。
10
お気に入りに追加
473
あなたにおすすめの小説
はぁ?とりあえず寝てていい?
夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>
召喚アラサー女~ 自由に生きています!
マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。
牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子
信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。
初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった
***
異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います
かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた
甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。
降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。
森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。
その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。
協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。
なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?
名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」
「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」
「それは貴様が無能だからだ!」
「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」
「黙れ、とっととここから消えるがいい!」
それは突然の出来事だった。
SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。
そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。
「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」
「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」
「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」
ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。
その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。
「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる