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第一章 始まり

2 スライムらしい 

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朝起きて、いつものように家畜の世話と畑の仕事を終わらせた。
昨日は母親に笑われ悔しかったので、洞穴を本格的に調べてみようと思う。

ちなみに、謎の生物をネットで調べたが、わからなかった。



頭にヘルメットをかぶり装着型ライトをつけ、防護めがねをかける。
背中にリュックを背負い、なかにはロープや食べ物と水、あと防災グッズ関係をいくつかいれた。
武器は、鉈に、ナイフと槍かわりの鍬、スタンガンなどを用意した。
農家の必需品とスタンガンはブラック企業時代使っていたものだ。

よし準備はできた。気分は、〇〇探検隊、いざ出動。




洞穴につき、まずは、折ると発光するペン型ライトを投げ入れてみた。
うっすらと光っているがよく見えない。しばらく、じっと待った。
何も飛び出してこないので、ゆっくりと洞穴に入っていった。


穴の中は岩壁とアスファルト道路のように平らで硬い地面だった。
今のところまっすぐ続いている。進んでいくと右左の別かれ道になった。
発光ペンを目印に置き、左に進んだ。
目が慣れたせいか暗闇でも周囲が見えるような気がする。


すると5mくらい先に、ぷるぷると震えるように青い謎の生物がいた。
もうスライムと呼ぼう。鉈を手に取り、恐る恐る近づいてみた。

いきなりスライムは大きくはねたと思ったら、俺のほうに突進してきた。
驚いたがよけることができる早さなので右によけた。

だが、スライムがまたジャンプしてむかってきた。
今度は、鉈で応戦しなんとか取り押さえることができた。

透明な体の中にある黒い石めがけて2度ほどきりつけてみたが、ゴムのようにへこむだけでもとに戻る。
黒い石は俺の攻撃をかわしながら素早く動き逃げ回っている。
なかなか当たらない。


くそっ。ふと、スタンガンをあててみた。すると黒い石の動きが止まった。

慎重に黒い石にむけて鉈をふりおろした。
昨日と同じように黒い石が壊れるとスライムは光の粒子となり消えた。

そして青い水晶ではなく液体のはいったビニール袋が残った。
何だろう?とりあえず拾いリュックに入れた。




先にすすんだ。曲がり角を曲がると、また左右の分かれ道になっている。
発光ペンをおとし、左に曲がった。
俺の背丈くらいある大きいスライムがいた。
でかい。右手に鉈をもち、左手にスタンガンをもった。
黒い石が薄いので、なんとなく後向きのような気がしたのでそっと近づく。


スライムに前後あるのか?


どうやら気付いていないようで、襲ってこない。
手の届く位置まで近づいて、スタンガンをあてる。
動きまわっていた黒い石が止まったので鉈を振りおろし壊した。
巨大スライムが大きな光の粒子となって飛び散ったので俺はあわてて逃げる。
大きいので迫力のある消え方だった。


地面には、薄紫色の液体の入った瓶と薄紫色の水晶のような石があった。
拾ってリュックに入れる。


先に進みスライムを倒してはアイテム?らしき水袋や水晶拾いを繰り返した。


どこからともなく「ブー」という音が聞こえた。


もしや、これはファンタジー小説にでてくるレベル音ではないのか?
少し小声で、「ステータスオープン」「レベルオープン」「スキルオープン」等々といってみたが何もおきなかった。



一人でよかった。

恥ずかしい・・・




とにかく先に進む。
スライムを倒していけばいくほど、スライムの攻撃を簡単によけられるようになったし、黒い石も一回で壊せるようになってきた。
なんとなく、体も軽くテンションも上がる。



アイテムらしき水袋や瓶、青い水晶などでリュックがいっぱいになり重くなってきたので、とりあえず今日はうちに帰ることにした。




家に戻ったら、仕事しろと母親にまた怒られた。

リュックの中身をみせると、手の込んだいたずらだと思われ、笑われた後叱られた。

理不尽だ。


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