上 下
24 / 28
シーズン3

episode2「Xmas」

しおりを挟む
そう、これは今と同じクリスマスの日の話。

僕の名前は長塚和希、弟に山口悠太がいる双子だ。なんで名前が違うか?それは孤児院で育った頃に変えたんだ。理由は……忘れちゃったな。

高校三年生の頃、僕たちは再開し人を殺した。それは悠太の友達だったらしい。一緒に遊ぼうと誘われた時はびっくりしたよ。急すぎるからね、でも僕は嬉しかったよ。

一年近く前に付き合った彼女とのデートも断って来たんだ。相当楽しみだったんだろう。

というよりも彼女は好きだ。でも少し仲良くする時は大変だった。初めて喋ったのも自殺しようとしている時だったからな。そこから発展していったんだが。彼女はだいぶ参っていてリストカットをしてた。やめろと言っても聞かずに続けたためビンタをしてまで止めたんだ。そこからようやくやめてくれてよかったよ。ちょっと重いけど本当に可愛くていい子なんだ。

けれども俺は久しぶりに会う弟を優先した。

久しぶりに会ってもすぐにわかった。こいつはやっぱり俺の弟だってな、テンションが高くてみんなからの評判もいいひと懐っこい感じが全然変わっていなかった。でも僕たちは小さい時から一緒だったがいっときした後に僕だけ違う孤児院に移ることになってもう十年は会っていなかった。

友達も連れてきていてとても仲がいい。微笑ましい雰囲気に癒されていた。

だがそんなことも長くは続かずいきなりその友達を殺すと宣言してきた。あまりにもの出来事に僕は立ち尽くし、本当に殺してしまった。それを眺めていた僕はなぜかそれを止めたいとは思わなかった。

だって母さんにまた会えると言われたからだ。僕はそんな胡散臭いこと信じないと思っていたのに心のどこかで期待していたのかもしれない。

しかしその殺害では何も起きずに、諦めようとした時、悠太は新たな作戦を練っていた。その内容を聞かされたのはこれから十年後になる。

そうその内容は前回の失敗は生贄不足、だからもっと盛大な儀式殺人をするのだと説明されて僕は興奮した。昔からそういうスプラッターな映画は好きだ。その殺人鬼役を僕たちがするんだと、そして結果には母さんにもまた会える。

だから俺は今まで続けてきた探偵の座を悠太に渡して一時的には山口悠太は記憶喪失の探偵、長塚和希を演じることとなる。そして僕の助手であり彼女でもある人間もその罠にかけて計画は順調に進んでいくのであった。



シーズン3   エピソード2「聖夜」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

密室島の輪舞曲

葉羽
ミステリー
夏休み、天才高校生の神藤葉羽は幼なじみの望月彩由美とともに、離島にある古い洋館「月影館」を訪れる。その洋館で連続して起きる不可解な密室殺人事件。被害者たちは、内側から完全に施錠された部屋で首吊り死体として発見される。しかし、葉羽は死体の状況に違和感を覚えていた。 洋館には、著名な実業家や学者たち12名が宿泊しており、彼らは謎めいた「月影会」というグループに所属していた。彼らの間で次々と起こる密室殺人。不可解な現象と怪奇的な出来事が重なり、洋館は恐怖の渦に包まれていく。

虚像のゆりかご

新菜いに
ミステリー
フリーターの青年・八尾《やお》が気が付いた時、足元には死体が転がっていた。 見知らぬ場所、誰かも分からない死体――混乱しながらもどういう経緯でこうなったのか記憶を呼び起こそうとするが、気絶させられていたのか全く何も思い出せない。 しかも自分の手には大量の血を拭き取ったような跡があり、はたから見たら八尾自身が人を殺したのかと思われる状況。 誰かが自分を殺人犯に仕立て上げようとしている――そう気付いた時、怪しげな女が姿を現した。 意味の分からないことばかり自分に言ってくる女。 徐々に明らかになる死体の素性。 案の定八尾の元にやってきた警察。 無実の罪を着せられないためには、自分で真犯人を見つけるしかない。 八尾は行動を起こすことを決意するが、また新たな死体が見つかり…… ※動物が殺される描写があります。苦手な方はご注意ください。 ※登場する施設の中には架空のものもあります。 ※この作品はカクヨムでも掲載しています。 ©2022 新菜いに

月明かりの儀式

葉羽
ミステリー
神藤葉羽と望月彩由美は、幼馴染でありながら、ある日、神秘的な洋館の探検に挑むことに決めた。洋館には、過去の住人たちの悲劇が秘められており、特に「月明かりの間」と呼ばれる部屋には不気味な伝説があった。二人はその場所で、古い肖像画や日記を通じて、禁断の儀式とそれに伴う呪いの存在を知る。 儀式を再現することで過去の住人たちを解放できるかもしれないと考えた葉羽は、仲間の彩由美と共に儀式を行うことを決意する。しかし、儀式の最中に影たちが現れ、彼らは過去の記憶を映し出しながら、真実を求めて叫ぶ。過去の住人たちの苦しみと後悔が明らかになる中、二人はその思いを受け止め、解放を目指す。 果たして、葉羽と彩由美は過去の悲劇を乗り越え、住人たちを解放することができるのか。そして、彼ら自身の運命はどうなるのか。月明かりの下で繰り広げられる、謎と感動の物語が展開されていく。

声の響く洋館

葉羽
ミステリー
神藤葉羽と望月彩由美は、友人の失踪をきっかけに不気味な洋館を訪れる。そこで彼らは、過去の住人たちの声を聞き、その悲劇に導かれる。失踪した友人たちの影を追い、葉羽と彩由美は声の正体を探りながら、過去の未練に囚われた人々の思いを解放するための儀式を行うことを決意する。 彼らは古びた日記を手掛かりに、恐れや不安を乗り越えながら、解放の儀式を成功させる。過去の住人たちが解放される中で、葉羽と彩由美は自らの成長を実感し、新たな未来へと歩み出す。物語は、過去の悲劇を乗り越え、希望に満ちた未来を切り開く二人の姿を描く。

駒込の七不思議

中村音音(なかむらねおん)
ミステリー
地元のSNSで気になったこと・モノをエッセイふうに書いている。そんな流れの中で、駒込の七不思議を書いてみない? というご提案をいただいた。 7話で完結する駒込のミステリー。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

双極の鏡

葉羽
ミステリー
神藤葉羽は、高校2年生にして天才的な頭脳を持つ少年。彼は推理小説を読み漁る日々を送っていたが、ある日、幼馴染の望月彩由美からの突然の依頼を受ける。彼女の友人が密室で発見された死体となり、周囲は不可解な状況に包まれていた。葉羽は、彼女の優しさに惹かれつつも、事件の真相を解明することに心血を注ぐ。 事件の背後には、視覚的な錯覚を利用した巧妙なトリックが隠されており、密室の真実を解き明かすために葉羽は思考を巡らせる。彼と彩由美の絆が深まる中、恐怖と謎が交錯する不気味な空間で、彼は人間の心の闇にも触れることになる。果たして、葉羽は真実を見抜くことができるのか。

処理中です...