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シーズン1
episode12「Logic」#final episode
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俺は彼の頭上のてっぺんを目掛けて鉄パイプを振り落とした。もう二度と立ち上がれないぐらいには痛めつけれる、俺の全霊の力を持って。
「うおおおぉぉおおッッ!!!ぶっ殺してやるッ!!」
「誰かっ!!助けてくれ!!」
その場には怒りと悲しみの感情が混ざって渦巻いているような気持ちの悪い感覚だったが。それすらも忘れて俺は和泉さんのため殺されたみんなのために目の前のこの男を殺す。
''ぐちゃり''
俺の持っていた棒から伝わってくる。確かに肉は骨を砕いた感触、形容し難いような音と感触に吐き気を覚える。
「やったよみんな……俺みんなのためにやったんだよ……」
そう言うが誰も反応するはずもなかったが、ただそう呟かないといけない……そう感じた。しかし、目の前に広がる光景は俺の想像と違いすぎて吐き気などは冷めきり、全身を冷や汗のようなものがはいめぐる。
「くそっっ!!痛ったいなああ………、少しは加減しろよな……探偵さん」
「なっなんで!?」
そうそこにいたのは片腕があらぬ方向へと折れて肉から白い骨が突き出ながらも微かに笑いながら俺に挨拶らしい手のポーズをとる男、そう……海斗さんだった。
「いやぁ、恩を仇で返したく無いって言うか?友達が殺人鬼の仲間入りするのを黙って見ていられなかったんだよ」
「あんたは何でこんな時に」
さっきまで追いつき用がなく落ちたライターを探すのだけでも戸惑っていた彼が何故ここに!?
「いや、あんたに言われて考えたわけよ。その答えがこれ……山口君を犯人にするのは考えなしすぎるんじゃ無いかな?さっきの俺みたいだぜ、長塚探偵」
俺はそれを聞き鉄パイプを地面に落として膝から崩れ落ちた。
「海斗さん腕が……!!」
「ああ、こりゃいっちまったかもな……痛みすら感じないや……」
「すぐ治療しなきゃ、僕何か持ってきましょうか?」
「ああ、すまねぇ無理に遠く行くなよ、危険だと感じたらすぐ戻ってこい……」
頭をガクンと落として地面を見つめながら海斗さんと山口君の会話を聞いていた。
「俺のせいだ……俺が考えなしに動くから……」
「……………………」
俺は海斗さんに伝えたつもりだったが、彼は何も答えない。
「あんたの腕を……俺はもう殺人鬼の仲間も同然だ……」
吐き捨てるようにそう言う。
「お前……!!」
地面を見ていた顔が急に海斗さんの顔前まで来た。どうやら胸ぐらを掴まれたらしい。もちろん片手で。
「お前そんなこと言って……どうにかなるって思ってんのか!?」
「だって俺……」
「だってもくそもねぇよ!!それだったら佐藤を失神させた俺だって殺人鬼の仲間ってんのか!?失神してしまったからあいつが死んだのか!?全部俺のせいなのか!?」
俺は言葉が出なかった。
「違うって言ってくれたのは………あんたじゃ無いか……あんたが俺を助けてくれたんだ……。だから俺だってお前を助けてあげたいよ……助けさせてくれよ!!!」
「海斗さん……」
「お前だって本気でそう思ってんのか!?自分は殺人鬼だって!?」
俺は首を横に振る。
「なら、そんな自分を責めるろうなこと言うなよ!!じゃなかったらあんたが俺を助け、俺があんたを助け。生き延びた命があることが無駄になっちまうだろ!!」
「……………………」
「俺はあんたのそんな姿を見たくて言ってるんじゃ無いんだ。あそこにだってここじゃなくったって、死んでいった奴らは……本物の殺人鬼に殺された!!でもそれは俺らでは無い。そうだろう?」
俺は首を縦に振る。
「だったらやめようぜ……。殺人鬼の仲間だとか、自分が悪いとか、じゃないと本当の悪が生き延びて死んでいったあいつらや生きてる俺らが悲しいじゃ無いか……報われなさすぎじゃないか!!」
胸ぐらを掴んだ手から俺の服が外れて再び俺は下を向いてしまった。
「すまない……ありがとう、自分で考えてみるよ……」
「ああ、考えるってのは大事だぜ。あんたが教えてくれたんだ……」
俺は頷きさっきと同じ体制になり考えた。
「海斗さん!!そこの道具室で医療箱がありました」
「でかしたぞ山口君!!」
「使えるのありますかねぇ?」
「ああ、包帯が入ってるぜ。あとはこれをこうしたりして……」
その声がした後、俺の横に山口君が座ってきた。
「大丈夫かい?」
「ああ、君こそ、さっきは変に暴れてすまなかった」
その言葉は本当に俺の心の底から思って出てきた言葉だった。上っ面だけの口から出まかせではない。
「僕こそ……和泉さんを助けてあげられなくてすみませんですた……」
「君が謝ることじゃないよ、俺の責任だし。しかも殺人鬼が悪いんだ」
「そうか……殺人鬼か。でも殺人鬼って誰なんでしょうか?もう僕たちを入れて後一人だけなんですけど」
「琴さんか?」
確かにことさんの姿をさっきから見ていない。すると……。
''ドンドン''
ドアを叩く音がした。海斗さんや俺たちは身構えた。
「まさか犯人が!?」
「シー、静かに……」
海斗さんが静かにするよう命令したのちに、ドアに近づく。
「何か武器をもて……」
俺はさっきと同様の鉄パイプ。海斗さんは片腕でドアノブに手をつけているため手ぶらだ。山口君は椅子を持っていた。
「開けるぞ……」
ガチャッ!!
ドアを勢いよく開けるが人はいなかった。しかし人は人でも殺人鬼からの置き土産だった。
「そんな……琴さんが……」
そう琴さんはノックしていた。だから海斗さんが開けたドアの裏側に磔にされるように釘打ちされ喉を切られて右足がなくなっていた。
そして気づいてしまった。そう、もう生き残っているのは俺たち三人だけなのだと。それに気づくのは個人差があったが皆徐々に理解し恐怖で震えた。
今の今まで一緒に話していたこの中に、この三人の中に殺人鬼がいる。お互いの顔を見合っている。
「おいおい、嘘だよな……」
「この中にいるのか?」
俺は恐怖のあまりか頭痛がした。
ザーザーと砂嵐の時の音みたいに聞こえる声全てにノイズがかかり、視界もぼやける。頭も痛い。地面に倒れ込んだ。
「おい大丈夫か!?」
海斗さんが駆けつけるが、俺の意識はおちて……いく……。
シーズン1 エピソード12「理論」最終話。
「うおおおぉぉおおッッ!!!ぶっ殺してやるッ!!」
「誰かっ!!助けてくれ!!」
その場には怒りと悲しみの感情が混ざって渦巻いているような気持ちの悪い感覚だったが。それすらも忘れて俺は和泉さんのため殺されたみんなのために目の前のこの男を殺す。
''ぐちゃり''
俺の持っていた棒から伝わってくる。確かに肉は骨を砕いた感触、形容し難いような音と感触に吐き気を覚える。
「やったよみんな……俺みんなのためにやったんだよ……」
そう言うが誰も反応するはずもなかったが、ただそう呟かないといけない……そう感じた。しかし、目の前に広がる光景は俺の想像と違いすぎて吐き気などは冷めきり、全身を冷や汗のようなものがはいめぐる。
「くそっっ!!痛ったいなああ………、少しは加減しろよな……探偵さん」
「なっなんで!?」
そうそこにいたのは片腕があらぬ方向へと折れて肉から白い骨が突き出ながらも微かに笑いながら俺に挨拶らしい手のポーズをとる男、そう……海斗さんだった。
「いやぁ、恩を仇で返したく無いって言うか?友達が殺人鬼の仲間入りするのを黙って見ていられなかったんだよ」
「あんたは何でこんな時に」
さっきまで追いつき用がなく落ちたライターを探すのだけでも戸惑っていた彼が何故ここに!?
「いや、あんたに言われて考えたわけよ。その答えがこれ……山口君を犯人にするのは考えなしすぎるんじゃ無いかな?さっきの俺みたいだぜ、長塚探偵」
俺はそれを聞き鉄パイプを地面に落として膝から崩れ落ちた。
「海斗さん腕が……!!」
「ああ、こりゃいっちまったかもな……痛みすら感じないや……」
「すぐ治療しなきゃ、僕何か持ってきましょうか?」
「ああ、すまねぇ無理に遠く行くなよ、危険だと感じたらすぐ戻ってこい……」
頭をガクンと落として地面を見つめながら海斗さんと山口君の会話を聞いていた。
「俺のせいだ……俺が考えなしに動くから……」
「……………………」
俺は海斗さんに伝えたつもりだったが、彼は何も答えない。
「あんたの腕を……俺はもう殺人鬼の仲間も同然だ……」
吐き捨てるようにそう言う。
「お前……!!」
地面を見ていた顔が急に海斗さんの顔前まで来た。どうやら胸ぐらを掴まれたらしい。もちろん片手で。
「お前そんなこと言って……どうにかなるって思ってんのか!?」
「だって俺……」
「だってもくそもねぇよ!!それだったら佐藤を失神させた俺だって殺人鬼の仲間ってんのか!?失神してしまったからあいつが死んだのか!?全部俺のせいなのか!?」
俺は言葉が出なかった。
「違うって言ってくれたのは………あんたじゃ無いか……あんたが俺を助けてくれたんだ……。だから俺だってお前を助けてあげたいよ……助けさせてくれよ!!!」
「海斗さん……」
「お前だって本気でそう思ってんのか!?自分は殺人鬼だって!?」
俺は首を横に振る。
「なら、そんな自分を責めるろうなこと言うなよ!!じゃなかったらあんたが俺を助け、俺があんたを助け。生き延びた命があることが無駄になっちまうだろ!!」
「……………………」
「俺はあんたのそんな姿を見たくて言ってるんじゃ無いんだ。あそこにだってここじゃなくったって、死んでいった奴らは……本物の殺人鬼に殺された!!でもそれは俺らでは無い。そうだろう?」
俺は首を縦に振る。
「だったらやめようぜ……。殺人鬼の仲間だとか、自分が悪いとか、じゃないと本当の悪が生き延びて死んでいったあいつらや生きてる俺らが悲しいじゃ無いか……報われなさすぎじゃないか!!」
胸ぐらを掴んだ手から俺の服が外れて再び俺は下を向いてしまった。
「すまない……ありがとう、自分で考えてみるよ……」
「ああ、考えるってのは大事だぜ。あんたが教えてくれたんだ……」
俺は頷きさっきと同じ体制になり考えた。
「海斗さん!!そこの道具室で医療箱がありました」
「でかしたぞ山口君!!」
「使えるのありますかねぇ?」
「ああ、包帯が入ってるぜ。あとはこれをこうしたりして……」
その声がした後、俺の横に山口君が座ってきた。
「大丈夫かい?」
「ああ、君こそ、さっきは変に暴れてすまなかった」
その言葉は本当に俺の心の底から思って出てきた言葉だった。上っ面だけの口から出まかせではない。
「僕こそ……和泉さんを助けてあげられなくてすみませんですた……」
「君が謝ることじゃないよ、俺の責任だし。しかも殺人鬼が悪いんだ」
「そうか……殺人鬼か。でも殺人鬼って誰なんでしょうか?もう僕たちを入れて後一人だけなんですけど」
「琴さんか?」
確かにことさんの姿をさっきから見ていない。すると……。
''ドンドン''
ドアを叩く音がした。海斗さんや俺たちは身構えた。
「まさか犯人が!?」
「シー、静かに……」
海斗さんが静かにするよう命令したのちに、ドアに近づく。
「何か武器をもて……」
俺はさっきと同様の鉄パイプ。海斗さんは片腕でドアノブに手をつけているため手ぶらだ。山口君は椅子を持っていた。
「開けるぞ……」
ガチャッ!!
ドアを勢いよく開けるが人はいなかった。しかし人は人でも殺人鬼からの置き土産だった。
「そんな……琴さんが……」
そう琴さんはノックしていた。だから海斗さんが開けたドアの裏側に磔にされるように釘打ちされ喉を切られて右足がなくなっていた。
そして気づいてしまった。そう、もう生き残っているのは俺たち三人だけなのだと。それに気づくのは個人差があったが皆徐々に理解し恐怖で震えた。
今の今まで一緒に話していたこの中に、この三人の中に殺人鬼がいる。お互いの顔を見合っている。
「おいおい、嘘だよな……」
「この中にいるのか?」
俺は恐怖のあまりか頭痛がした。
ザーザーと砂嵐の時の音みたいに聞こえる声全てにノイズがかかり、視界もぼやける。頭も痛い。地面に倒れ込んだ。
「おい大丈夫か!?」
海斗さんが駆けつけるが、俺の意識はおちて……いく……。
シーズン1 エピソード12「理論」最終話。
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