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シーズン1
episode6「Face」
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「皆さん!!もう犯人は見つかりました。これで安心して寝られるでしょう?」
清作さんは、俺を嘲笑うように笑いながら言った。
「信じてください!!」
そういうが誰も反応してくれない、しかし和泉さんだけ違った。
「先生!!」
彼女は俺の方に駆け寄ろうとした。
「ダメだ!!抑えろ」
そういうと他の男たちは和泉さんの腕や体を押さえて拘束した。
「いや!!離して!!」
「やめろ!!」
俺も叫ぶが、清作さんが俺の体を踏みつけて来て身動きが取れないし、苦しくなり嗚咽が出る。
「おい!!長塚探偵はなんとも言えないが、彼女まで拘束することはないだろう」
そう言ったのは海斗さんだった。
「証拠はないが、彼女まで加担したとは思えない」
「何を言い出すかと思えばそんなこと……人間をバラバラにするなんてことこの短時間でできるか?いいや、できないね。この女とも加担して二人がかりでやったんだ!!」
「そんなのわからないだろう!?」
なんだ?次は清作vs海斗が始まったのか。
「あの!!」
その時今まで黙っていた麗子さんが、言った。
「私、和泉ちゃんと一緒に温泉入ってたし、その後も一緒に話して部屋の前までついて行ったの……だから彼女は違うわ」
そう言い清作も反論できなくなったらしい黙り込んだ。
「拘束はしなくていい。疑いが晴れたわけじゃないそこだけは勘違いするなよ」
そしてみんなゾロゾロとロビーを出て行ってしまった。
「ごめんないさ先生」
「大丈夫だ。俺は殺してない……なんとかして証明してみせるよ。それまでここで頭を冷やしとくよ……」
和泉さんは頷き、ロビーを出て行った。
するとまた頭痛がして眩暈がした。………そして、俺は眠りについた。
・
・
・
・
・
・
「……せい…………!」
誰かが呼んでいる。
「せん………せい……………!」
彼女の声だ。俺は彼女を知っている。
「先生!!起きてください」
「どう……したんだ?」
「先生、起きたんですね……よかった。あまりにも返事がないからてっきり……」
相当心配していたのか涙を流していた。いや、これは俺の心配ではない。
「それで何かあったのか?」
そういうと和泉さんはハッとしたように伝えた。
「清作さんと麗子さんが殺されたんです……!!」
「なんだって!?」
そして俺たちは再び、ロビーに集合した。みんな眠れていないのか疲れ切った顔をしていた。
海斗さんに関しては麗子さんが殺されたことに対して怒りを露わにして壁などにさっきから当たっている。
「海斗さん落ち着いてください!!」
それを止めようとする山口君。
「状況を説明してくれますか?琴さん?」
今回の第一発見者は琴さんだった。ひどく怯えている。
「わ、私が清作さんにお茶を持って行こうとしてドアを開けたら……首がなくなっていたんだ頭がない首を下に両足を天井からロープで吊るされていたんだ。床には大量の血溜まりが……ゴホッ!!ゴホッ!!」
咳をし始めてしまった。
「もう大丈夫です、十分理解しまいた。水でも飲んで安静にしてください……」
するとポケットから血が滲んだ紙を出してきた。
「これは?」
「ゴホッ!死体の近くに落ちていたんです」
その紙を広げ、中を確認するとそこには信じられない言葉が書かれてあった。
''傲慢な奴の顔をもいでやれ二度と人を下に見れないように''
これは……あの時!?まさかこの事件……。
「そして私がしたいに腰を抜かしていたらノックが聞こえたんです……」
まさかそれは!!
「琴さん!!これで最後です。その時の状況を詳しく教えてください」
「確かその時、コンコンッとノックがして確か……」
なんだかモゴモゴ言っていて聞こえない。
「なんなんです!?」
「確かだぞ、場違いかもしれないが''プライド''と聞こえたんだ」
「それです!!僕の時も同じだったんですノックと英語が聞こえて来たんです!!」
ということはもう一人の方は……。
「麗子さんの方は海斗さんが……」
今にも死んでしまうのではと思うほど壁に頭を打ち付けている。
「海斗さん……お願いです……!!聞かせてください!!」
「うるせぇ!!なんでなんで彼女が!!」
話がわかっていないようだ。
「ここで証言するのは海斗さんや俺たちのためじゃない。死んでいった彼らが報われないから……俺たちが犯人を探すしかないのでしょう!?」
そういうと壁に打ち付けるのはやめたが、こちらに顔を向けずに壁を見たまま、涙交じりに言った。
「ああ、聞こえたぜノックも英語も、そしてこの紙もあった」
「じゃあ、詳しくお願いします」
そういうとすぐには答えようとはせずに、鼻水を啜ったり、涙を手で拭き取ったりした後に静かにだが怒りがこもった強い言葉。俺はそれを感じた。
「俺は彼女が好きだった。だから部屋に行こうとしたんだ。そしたら彼女の悲鳴が聞こえて急いで部屋に駆け込んだが……………遅かった彼女は死んでいて左足がなかった。そして紙が落ちていてノックが三回そしてジェラシー(jealousy)ってな」
紙を渡され見てみるとそこには''嫉妬をする奴の左足をもいでやれ二度と人を妬めないように''と書いてあった。
やはりそうだ。これは、ノックの回数が事件の順番。そして、英語はダンテ神曲の煉獄篇をなぞってあり。そして俺が記憶喪失前に聞いた。あの言葉。全ては繋がっているのかもしれないな。
シーズン1 エピソード6「顔無き傲慢」
清作さんは、俺を嘲笑うように笑いながら言った。
「信じてください!!」
そういうが誰も反応してくれない、しかし和泉さんだけ違った。
「先生!!」
彼女は俺の方に駆け寄ろうとした。
「ダメだ!!抑えろ」
そういうと他の男たちは和泉さんの腕や体を押さえて拘束した。
「いや!!離して!!」
「やめろ!!」
俺も叫ぶが、清作さんが俺の体を踏みつけて来て身動きが取れないし、苦しくなり嗚咽が出る。
「おい!!長塚探偵はなんとも言えないが、彼女まで拘束することはないだろう」
そう言ったのは海斗さんだった。
「証拠はないが、彼女まで加担したとは思えない」
「何を言い出すかと思えばそんなこと……人間をバラバラにするなんてことこの短時間でできるか?いいや、できないね。この女とも加担して二人がかりでやったんだ!!」
「そんなのわからないだろう!?」
なんだ?次は清作vs海斗が始まったのか。
「あの!!」
その時今まで黙っていた麗子さんが、言った。
「私、和泉ちゃんと一緒に温泉入ってたし、その後も一緒に話して部屋の前までついて行ったの……だから彼女は違うわ」
そう言い清作も反論できなくなったらしい黙り込んだ。
「拘束はしなくていい。疑いが晴れたわけじゃないそこだけは勘違いするなよ」
そしてみんなゾロゾロとロビーを出て行ってしまった。
「ごめんないさ先生」
「大丈夫だ。俺は殺してない……なんとかして証明してみせるよ。それまでここで頭を冷やしとくよ……」
和泉さんは頷き、ロビーを出て行った。
するとまた頭痛がして眩暈がした。………そして、俺は眠りについた。
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「……せい…………!」
誰かが呼んでいる。
「せん………せい……………!」
彼女の声だ。俺は彼女を知っている。
「先生!!起きてください」
「どう……したんだ?」
「先生、起きたんですね……よかった。あまりにも返事がないからてっきり……」
相当心配していたのか涙を流していた。いや、これは俺の心配ではない。
「それで何かあったのか?」
そういうと和泉さんはハッとしたように伝えた。
「清作さんと麗子さんが殺されたんです……!!」
「なんだって!?」
そして俺たちは再び、ロビーに集合した。みんな眠れていないのか疲れ切った顔をしていた。
海斗さんに関しては麗子さんが殺されたことに対して怒りを露わにして壁などにさっきから当たっている。
「海斗さん落ち着いてください!!」
それを止めようとする山口君。
「状況を説明してくれますか?琴さん?」
今回の第一発見者は琴さんだった。ひどく怯えている。
「わ、私が清作さんにお茶を持って行こうとしてドアを開けたら……首がなくなっていたんだ頭がない首を下に両足を天井からロープで吊るされていたんだ。床には大量の血溜まりが……ゴホッ!!ゴホッ!!」
咳をし始めてしまった。
「もう大丈夫です、十分理解しまいた。水でも飲んで安静にしてください……」
するとポケットから血が滲んだ紙を出してきた。
「これは?」
「ゴホッ!死体の近くに落ちていたんです」
その紙を広げ、中を確認するとそこには信じられない言葉が書かれてあった。
''傲慢な奴の顔をもいでやれ二度と人を下に見れないように''
これは……あの時!?まさかこの事件……。
「そして私がしたいに腰を抜かしていたらノックが聞こえたんです……」
まさかそれは!!
「琴さん!!これで最後です。その時の状況を詳しく教えてください」
「確かその時、コンコンッとノックがして確か……」
なんだかモゴモゴ言っていて聞こえない。
「なんなんです!?」
「確かだぞ、場違いかもしれないが''プライド''と聞こえたんだ」
「それです!!僕の時も同じだったんですノックと英語が聞こえて来たんです!!」
ということはもう一人の方は……。
「麗子さんの方は海斗さんが……」
今にも死んでしまうのではと思うほど壁に頭を打ち付けている。
「海斗さん……お願いです……!!聞かせてください!!」
「うるせぇ!!なんでなんで彼女が!!」
話がわかっていないようだ。
「ここで証言するのは海斗さんや俺たちのためじゃない。死んでいった彼らが報われないから……俺たちが犯人を探すしかないのでしょう!?」
そういうと壁に打ち付けるのはやめたが、こちらに顔を向けずに壁を見たまま、涙交じりに言った。
「ああ、聞こえたぜノックも英語も、そしてこの紙もあった」
「じゃあ、詳しくお願いします」
そういうとすぐには答えようとはせずに、鼻水を啜ったり、涙を手で拭き取ったりした後に静かにだが怒りがこもった強い言葉。俺はそれを感じた。
「俺は彼女が好きだった。だから部屋に行こうとしたんだ。そしたら彼女の悲鳴が聞こえて急いで部屋に駆け込んだが……………遅かった彼女は死んでいて左足がなかった。そして紙が落ちていてノックが三回そしてジェラシー(jealousy)ってな」
紙を渡され見てみるとそこには''嫉妬をする奴の左足をもいでやれ二度と人を妬めないように''と書いてあった。
やはりそうだ。これは、ノックの回数が事件の順番。そして、英語はダンテ神曲の煉獄篇をなぞってあり。そして俺が記憶喪失前に聞いた。あの言葉。全ては繋がっているのかもしれないな。
シーズン1 エピソード6「顔無き傲慢」
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