35 / 53
第35話
しおりを挟む
侵入してきた舌を思わず噛み切りそうになって思い留まった。その間にも膝を割られてガウンの裾から内腿を撫で上げられる。下着の上から躰の中心を揉みしだかれて声を上げそうになるも、口は塞がれて呻くことしかできない。
「ん、んんっ……んんぅ……っん、はあっ!」
執拗なまでのキスから解放されるとガウンの紐を解かれて肌を晒された。下着も引き下ろされ足を抜かせられる。夜目にも白く浮かび上がるような肌をすっかり露わにされた。
至る処をリチャードはさも愛しげに撫で、指を這わせては濃厚に舌で舐めねぶり始める。
「ハイファス、きみは何て美しいんだ……ひとめで忘れられなくなったよ」
「うっ……あっ、ふ――」
だが首筋に唇を押し当てられ、吸い上げられて痛みが走ると同時に、ハイファは自身の躰の変調を知った。覚悟をしていた筈なのに冷たい汗が滲みだして流れ、眩暈を感じ始めたのだ。身をこわばらせ、こみ上げるものを飲み込んで耐えようとするも、理性で躰を制御できたのはリチャードの指先が後ろの色づきに触れるまでだった。
シドしか受け付けない躰が勝手に暴れ出す。思い切り手足を振り回した。
「やっ、いやあ……やめ、ああんっ!」
「ここまできて抵抗するとは心外だね、大人しくしたまえ」
「やだっ……離れ、やめて……そこは……うっ!」
手慣れた風に暴れる身を押さえつけられガウンの紐で両手首を前で縛められる。それでも自由になる脚で何度かリチャードを蹴り飛ばした。
だが頭がぼうっとするほど暴れに暴れたハイファは、いつしか疲れ果てて動きも緩慢となった。それを待っていたかのように、後ろの窄まりに中指を第一関節まで挿入される。
「やだ、いや、あ……やめ、あうんっ!」
「もう少し、力を抜きたまえ。そんなに暴れると怪我をするよ」
優しげなリチャードの口調が酷く気持ち悪かった。それよりも気持ち悪いのが体内に僅かながら侵入した指先だ。更にリチャードは潜り込ませようとするが、それ以上は思い切り締まってハイファの躰が受け付けない。ハイファ自身、自分の躰をコントロールできなかった。
無意識に入ったままの力がどうしても抜けない。
「これでは傷つけてしまうよ。無体なことはしたくない」
「あっ、う……傷つけていい、から――」
覚悟を見せるようにハイファは縛められた両手を自分の頭上に上げた。
自分がどうなろうとシドを明日には取り戻す。その思いだけでハイファは侵入してくる指がもたらす痛みと不快感に耐える。また暴れ出しそうになる躰を必死で抑えつけ、冷たい汗を流しながら、指一本で体内を嬲られる自分を他人事のように感じていた。
しかしどうしても二本目の指が挿入できずにリチャードは困った顔をしてハイファの白い頬を撫でる。そしてアンバーの目が哀れむようにハイファを見た。
「仕方ない。このまま想いを遂げさせて貰うしかないね」
ハイファは黙ったまま小さく頷く。衣服を脱ぎ晒したリチャードのものは薄暗い中でもハッキリと分かるくらいに太く滾っていて、このままだと粘膜を引き裂かれるのは必至だと思われた。それでもハイファは怖じずに膝を立てた細い脚を自ら開く。
当然ながらハイファのものは萎えたままだ。脚の間に割って入ったリチャードは再びハイファを柔らかく揉みしだいたが、何の変化も起こらなかった。
気を削がれたように手を離してハイファの脚を更に押し広げる。
「傷つけたくなどないが……まるでまっさらな躰のようだね。このままでは明日は歩けないかも知れないよ、それでもいいのかい?」
「いい、から……必ず明日、『政治的解決』を約束して……シドを、解放して」
「ここで他の男の名など、無粋なことだ」
「シドを、解放して……お願い――」
「分かった、約束しよう。だから今はもうその名を呼ぶんじゃない」
酷い眩暈に酔って吐き気に耐えながらも安堵したハイファは、僅かに身のこわばりが融けるのを感じる。たった一本の指を挿入しただけで馴らすこともできなかった固い蕾を意志の力で何とか緩める。それを目にしてリチャードが片頬に笑みを浮かべた。
「入れるよ、いいね。これは合意の上だよ」
「分かってる、けど……あっ、あっ……はうっ!」
ぬるついたものがあてがわれ、ほぐされてもいない狭い窄まりに強引にねじ込まれる、その寸前になってハイファは突き上がる吐き気に襲われ、またも身を硬直させていた。硬く締まったハイファをリチャードは貫こうとするも、互いの身に走った痛みを堪えきれない。
シドを助けたいのに躰はコントロール不能、ハイファは焦りと苦しさで涙を滲ませる。
「ハイファス。私を拒否すれば、きみの愛し人は帰ってこないんだよ」
「あっ、ふ……ゲホッ、ゲホゴホッ!」
もう本当にハイファは限界、激しい嘔吐感にリチャードを突き飛ばしていた。ベッドから滑り降りてトイレに駆け込む。こみ上げる吐き気に耐えられず、身を折って何度も吐き戻した。吐くべきものもなく涙を流し、喉を振り絞って苦い胃液を吐き続ける。
さすがにこれには驚いたか、リチャードが慌てて追ってきて、両手を縛めたままのハイファの背をさすってくれた。その手の感触にすら吐き気を催し、意識が朦朧とするほどの苦しみに身を捩らせる。そこでとうとうリチャードが縛めを解いた。
やがて眩暈と吐き気がやや治まったハイファは這うようにしてベッドに戻り倒れ込む。だが手にする寸前にテミスコピーはリチャードに奪われた。
しかし枕の下からシドのレールガンを取り出してリチャードに向ける。互いに銃口を鼻先に突き付け合って数秒、ハイファは本気でトリガを引いてしまう前に口を開いた。
「出て行って貰えますか?」
「ん、んんっ……んんぅ……っん、はあっ!」
執拗なまでのキスから解放されるとガウンの紐を解かれて肌を晒された。下着も引き下ろされ足を抜かせられる。夜目にも白く浮かび上がるような肌をすっかり露わにされた。
至る処をリチャードはさも愛しげに撫で、指を這わせては濃厚に舌で舐めねぶり始める。
「ハイファス、きみは何て美しいんだ……ひとめで忘れられなくなったよ」
「うっ……あっ、ふ――」
だが首筋に唇を押し当てられ、吸い上げられて痛みが走ると同時に、ハイファは自身の躰の変調を知った。覚悟をしていた筈なのに冷たい汗が滲みだして流れ、眩暈を感じ始めたのだ。身をこわばらせ、こみ上げるものを飲み込んで耐えようとするも、理性で躰を制御できたのはリチャードの指先が後ろの色づきに触れるまでだった。
シドしか受け付けない躰が勝手に暴れ出す。思い切り手足を振り回した。
「やっ、いやあ……やめ、ああんっ!」
「ここまできて抵抗するとは心外だね、大人しくしたまえ」
「やだっ……離れ、やめて……そこは……うっ!」
手慣れた風に暴れる身を押さえつけられガウンの紐で両手首を前で縛められる。それでも自由になる脚で何度かリチャードを蹴り飛ばした。
だが頭がぼうっとするほど暴れに暴れたハイファは、いつしか疲れ果てて動きも緩慢となった。それを待っていたかのように、後ろの窄まりに中指を第一関節まで挿入される。
「やだ、いや、あ……やめ、あうんっ!」
「もう少し、力を抜きたまえ。そんなに暴れると怪我をするよ」
優しげなリチャードの口調が酷く気持ち悪かった。それよりも気持ち悪いのが体内に僅かながら侵入した指先だ。更にリチャードは潜り込ませようとするが、それ以上は思い切り締まってハイファの躰が受け付けない。ハイファ自身、自分の躰をコントロールできなかった。
無意識に入ったままの力がどうしても抜けない。
「これでは傷つけてしまうよ。無体なことはしたくない」
「あっ、う……傷つけていい、から――」
覚悟を見せるようにハイファは縛められた両手を自分の頭上に上げた。
自分がどうなろうとシドを明日には取り戻す。その思いだけでハイファは侵入してくる指がもたらす痛みと不快感に耐える。また暴れ出しそうになる躰を必死で抑えつけ、冷たい汗を流しながら、指一本で体内を嬲られる自分を他人事のように感じていた。
しかしどうしても二本目の指が挿入できずにリチャードは困った顔をしてハイファの白い頬を撫でる。そしてアンバーの目が哀れむようにハイファを見た。
「仕方ない。このまま想いを遂げさせて貰うしかないね」
ハイファは黙ったまま小さく頷く。衣服を脱ぎ晒したリチャードのものは薄暗い中でもハッキリと分かるくらいに太く滾っていて、このままだと粘膜を引き裂かれるのは必至だと思われた。それでもハイファは怖じずに膝を立てた細い脚を自ら開く。
当然ながらハイファのものは萎えたままだ。脚の間に割って入ったリチャードは再びハイファを柔らかく揉みしだいたが、何の変化も起こらなかった。
気を削がれたように手を離してハイファの脚を更に押し広げる。
「傷つけたくなどないが……まるでまっさらな躰のようだね。このままでは明日は歩けないかも知れないよ、それでもいいのかい?」
「いい、から……必ず明日、『政治的解決』を約束して……シドを、解放して」
「ここで他の男の名など、無粋なことだ」
「シドを、解放して……お願い――」
「分かった、約束しよう。だから今はもうその名を呼ぶんじゃない」
酷い眩暈に酔って吐き気に耐えながらも安堵したハイファは、僅かに身のこわばりが融けるのを感じる。たった一本の指を挿入しただけで馴らすこともできなかった固い蕾を意志の力で何とか緩める。それを目にしてリチャードが片頬に笑みを浮かべた。
「入れるよ、いいね。これは合意の上だよ」
「分かってる、けど……あっ、あっ……はうっ!」
ぬるついたものがあてがわれ、ほぐされてもいない狭い窄まりに強引にねじ込まれる、その寸前になってハイファは突き上がる吐き気に襲われ、またも身を硬直させていた。硬く締まったハイファをリチャードは貫こうとするも、互いの身に走った痛みを堪えきれない。
シドを助けたいのに躰はコントロール不能、ハイファは焦りと苦しさで涙を滲ませる。
「ハイファス。私を拒否すれば、きみの愛し人は帰ってこないんだよ」
「あっ、ふ……ゲホッ、ゲホゴホッ!」
もう本当にハイファは限界、激しい嘔吐感にリチャードを突き飛ばしていた。ベッドから滑り降りてトイレに駆け込む。こみ上げる吐き気に耐えられず、身を折って何度も吐き戻した。吐くべきものもなく涙を流し、喉を振り絞って苦い胃液を吐き続ける。
さすがにこれには驚いたか、リチャードが慌てて追ってきて、両手を縛めたままのハイファの背をさすってくれた。その手の感触にすら吐き気を催し、意識が朦朧とするほどの苦しみに身を捩らせる。そこでとうとうリチャードが縛めを解いた。
やがて眩暈と吐き気がやや治まったハイファは這うようにしてベッドに戻り倒れ込む。だが手にする寸前にテミスコピーはリチャードに奪われた。
しかし枕の下からシドのレールガンを取り出してリチャードに向ける。互いに銃口を鼻先に突き付け合って数秒、ハイファは本気でトリガを引いてしまう前に口を開いた。
「出て行って貰えますか?」
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
ワイルド・ソルジャー
アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。
世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。
主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。
旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。
ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。
世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。
他の小説サイトにも投稿しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる