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第10話(BL特有シーン・回避可)
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ひとときも待てないという風に霧島に上衣のボタンを外され袖を抜かれる。下衣も下着ごと剥ぎ取るように脱がされた。ついばむようなキスを仕掛けられて舌を差し出す。息が上がるほど求められ、存分に舌を絡め合ったのち霧島は唇を下降させた。
鎖骨から首筋のラインを吸い上げられ、幾つも赤く濃く所有印を穿たれる。
「あっ、ふ……忍さん、そんなに上は、見えちゃうから」
「見えていい。本部の誰もがお前は私のものだと承知している」
与えられる甘い痛みに京哉は陶然としながら、自分を組み敷いた霧島の逞しい躰に白い肌を擦りつけた。分厚い胸板の象牙色の肌に薄い自分の胸を密着させる。京哉よりも余程経験を積んできた筈の霧島だが、感じる体温は高く鼓動がやや速い。数えきれないくらい抱き合ってきたのに、今日もこの自分に欲情している霧島が京哉は酷く愛しい。
互いに躰の中心はもう勃ち上がっている。下から霧島の引き締まった腹に押しつけた。霧島のものも京哉の太腿に当たっている。あまりに太すぎる霧島は火傷しそうに熱い。これを初めから京哉は霧島に素のままで受け入れさせられた。
何にも遮られることなく触れ合いたかったのだという。その時は傷ついてしまった京哉だったが、それ以来ずっと京哉は霧島に素のまま何の隔てもなく受け入れるよう馴らされてきた。お蔭で今では京哉は人工物を使用すると逆に集中できない。
だが構わない。何もかも委ねられる霧島との行為なら自然と京哉は恥ずかしいくらい濡らされる。潤滑剤なしでは誰も受け入れられなかった太すぎる霧島を華奢な身で全て咥え込む。そして行為を重ねてもそのたびに霧島は初めてこじ開けるような思いをさせられるのだ。
「うっ、く……そんなに擦るな、保たなくなる」
「出してもいいから、我慢しないで」
「だめだ。いくならお前の中がいい……くうっ!」
左胸の小さな尖りを口に含み甘く噛むと霧島は低く呻いた。喉を仰け反らせた霧島は酷く色っぽい。堪らなくなったのか霧島は京哉を抱き締めると再び体勢を入れ替えて華奢な躰にのしかかった。仕返しのように熱く硬くなった京哉を腹で扱き上げる。
そうして成長しきったものから溢れる透明の蜜で互いの躰を汚し合った。
「あぅん、忍さん……そんなにしたら、僕、いっちゃう」
「では、こっちだ」
身を起こした霧島に京哉は膝を立てた脚を押し広げられる。細い腰の下に枕まで押し込まれた。後ろの色づきも露わな、思い切り羞恥を煽る格好をさせられ、霧島が互いの熱いものを扱いて右手指を蜜で濡らすのを見せつけられる。もう京哉も我慢できなかった。
何処をとっても理想的なバランスのとれた霧島の大柄な躰を目に映したまま、羞恥心を押し退けて欲しがる躰は勝手に動き更に細い腰を浮かせる。収縮する蕾に霧島の長い指を迎え入れた。狭いそこに一本目の指を難なく咥え込む。蜜で濡れた指は奥まで挿入された。内襞を押し分けて粘膜をすうっと掻かれ、堪らず甘く高く鳴く。
「あっ、ああっ……はぁん、忍さん……そこ、いい」
「声も、躰も最高に色っぽいな」
「んっ、もっと、もっと汚して――」
京哉を傷つけないよう深爪し整えられた長い指は、絶妙なテクニックで掻いては突いた。京哉は既に身も心も霧島の指づかいに支配されている。こうして指でされるのは、このあと太い霧島を受け入れるためなのだ。
そう思うとぞくりと疼きが身を走り抜け、いつしか細い腰が淫らに前後していた。
「京哉、そんなに動くな。傷つける」
「いい、傷つけられたい……はぅんっ!」
宥めるように霧島は内腿を撫でてくれるが、完全に炎を灯された躰は京哉自身、コントロールできない。そんな躰を霧島は性急に増やした指でほぐし馴らしてゆく。
もう窄まりに数指を挿入され、中をしっかりと濡らされて悶える白い躰は堪らなく煽情的だった。ここまで淫らに乱れながら、なるべく喘ぎを抑えようとする京哉が愛しく、そんな反応を霧島は半ば愉しんでいる。
存分に、そして慎重に拡張した。指で広げ、窄まりを緩やかに押しては、己の太すぎるものを受け入れる準備をさせる。だが年下の恋人の熱い吐息と時折洩らす喘ぎに霧島も平静ではいられない。今や切れ長の目は眇められ、煌々と灯されたままのLEDライトを反射して、灰色の目に湛えられた情欲が溢れだしそうだった。
「もう、忍さん、いいから……んっ、僕に入って」
「まだだ、もう少し待て。お前に怪我をさせたくない」
「大丈夫だから……もう待てない、っん――」
そう言って京哉は霧島の数指に何度も悪戯を仕掛ける。狭い窄まりを収縮させては指の根元を締めつけた。そして神をも堕としかねない微笑みを浮かべて霧島を誘う。
「ほら、僕のここ……こんなに貴方を欲しがってる」
途端に我慢の限界が来たか、霧島は表情を僅かに歪ませて京哉を掻き抱いていた。二人の蜜と京哉の零した雫がシーツに染みを作った。霧島を押し返した京哉はベッドに這う。腹の下に畳んだ毛布を置くと、上体をシーツに預けて腰を高く掲げた、全てが露わな淫ら極まりない姿態をとった。
「好きなだけここに入れて。それで、もっと濡らして」
「くっ……そんなに煽って、どうなっても知らんぞ!」
細い腰を片手で掴まれ引き寄せられる。ぬるついた熱いものが押し当てられた。浅く乱れた吐息を努めて整えた瞬間、躰を軋ませるようにして硬く太すぎる霧島に貫かれ突き上げられた。存分に準備させられていても、いつもこの時だけは苦しい。
「あっ、あっ……はうんっ!」
「くうっ、京哉、すまん……あっ、く――」
思わず悲鳴のような高い声を上げた京哉は返事をすることも叶わない。あんなに緩めて拡張されていたのが嘘のように霧島は太かった。体内が熱く硬い霧島でいっぱいに満たされたようだった。初めから容赦なく深い。
だが隙間なく埋める霧島がくれた苦しさまでが、京哉の悦びだった。
「いいか、動くぞ」
我慢も限界になったか、霧島が京哉の腰を掴んだまま力強く腰を律動させ始める。太い茎を離れてしまう寸前まで引き抜いては突き上げ貫いた。その合間に腰を捻ってスライドさせ切っ先で掻き出すように抉り、一気に昇り詰めてしまわないよう小刻みに突く。もう京哉の苦しさは融け消えていた。同時に羞恥など吹き飛ぶ。
天性のテクニックが生む快感に晒され、京哉はもう喘ぐというより叫んでいた。
「はぅん! 忍さん、貴方だけ……愛してます、あっふ!」
「ああ、私の京哉……お前だけを愛しているぞ!」
「嬉しい……いい、すごい、太いよ……気持ちいい――」
徐々に激しく突き上げられ全身を揺らされて、京哉は枕を掴み締めて襲い来る快感に堪えた。いつしか京哉の細い腰も霧島の律動に合わせて前後していた。二人で快感を生み続けていると、唐突に溢れた疼きが背筋を這い昇ってくる。
二人の吐息と喘ぎが寝室に満ちている。霧島が京哉の熱いものを握って扱いた。前後を同時に攻められ京哉はもう我慢できず叫ぶように訴える。
「ああんっ、お願い、早く……忍さん、はうっ!」
「京哉、あっ、く――」
霧島の手に中に京哉は放った。同時に体内を熱く濃く濡らされている。二人は幾度も身を震わせて迸らせた。何も考えられない刻を共有したのち、我に返った京哉は愛しい男のものを見て息を呑む。いつものことではあるが一度放ってなお霧島は太く滾らせていた。いや、放つ前よりも太くなり、下腹にくっつきそうに反り返っている。
常の事だと分かっていながらも、見慣れていなければ怖くなるほどの存在感だ。
「なあ、今度は色っぽいお前を見ながらしていいか?」
頷いた京哉はシーツに仰臥し霧島を受け入れる体勢を取る。淡く色づいた狭い窄まりからは閉じ込めきれない霧島の欲望が溢れ出していた。そこを一気に貫かれる。
「んんっ……あっ、ああんっ……はぅんっ!」
「くうっ、まだ、きつい――」
きついと言いながらも霧島は熱く太く硬いものを縦に横にと半ば強引に動かす。粘膜を突き破らんばかりに攻め立てた。京哉も腰を蠢かせて霧島を奥まで欲する。
「あっ、ふ……いや、あ……忍さん、あんっ!」
「好きなだけ入れてと言ったのはお前だろう?」
「それは……ああっ、そんな……や、あ、忍さん!」
抵抗の言葉とは裏腹に、京哉はインキュバスに憑かれたかのように淫ら極まりない姿態をとっていた。後ろの蕾は思い切り広げられ、太いものを咥え込んでいる。
そんな乱れ方でもシーツにパサリと広がった長めの髪と白い躰は危うい美しさで、霧島は京哉を征服し尽くしてしまいたい思いで際限なく突き上げ貫き続けた。
「や、ああっ……忍さん、よすぎておかしくなっちゃう――」
「おかしくなんかならん、いきたければいっていいんだぞ?」
「いや、だ、貴方と一緒がいい……はぁんっ!」
いつまでも、何処までも霧島を自分の中に閉じ込めておきたくて、躰は太いものを締めつけてしまう。既に粘膜は太いもので思い切り広げられているのだが、離すまいと必死で絡みついた。霧島の端正な顔が僅かに歪む。酷く色っぽい顔つきで攻めた。
張り裂けんばかりになった自分を意識した京哉は、充血した粘膜で霧島の形をくっきりと捉える。本当にこれ以上の太さになったら張り裂けそうだと思った。
「ああん、忍さん……いい、すごい、まだ太い、硬いよ……あぅんっ!」
「私も、京哉、堪らない……っく、京哉!」
喉からは勝手に高く甘い声が洩れだしている。霧島が熱くて粘膜が融かされそう、いや、もう蕩けて混じり合ってしまっているに違いない。霧島が激しく突き入れるたびに淫らな水音がして、太い茎を引き出すと二人分の混じった物がが零れる。
「忍さん、本当に僕、もう、だめ――」
「ああ、分かった、いかせてやる!」
頑丈なダブルベッドが軋むほど霧島は激しく攻めた。芯まで届いた霧島に容赦なくこね回され思い切り擦られて、京哉はもう激しすぎる霧島の行為を受け止めるのみである。だが何もかもを受け入れることで京哉は愛しい男を征服しようとしていた。
縋るように霧島の背に腕を回す。芯の奥まで突かれて思わずギリッと爪を立てた。
「ああん、忍さん、またいっちゃう……はぁんっ!」
「うっ、くっ……京哉……あっ、く!」
二度目とは思えないほどに霧島はたっぷりと京哉に注ぎ込む。京哉も同時に自らの喉元にまで飛び散らせていた。二人して幾度も身を震わせたが霧島はまだ京哉を許そうとはしない。時間も忘れて攻め続ける。軽い京哉の躰を文字通り好きにした。
受け入れさせる熱い楔も並みでない太さなら、一度火の点いてしまった情欲も並みでなく、その攻めは京哉が何も零せなくなっても続く。
「だめだ、京哉、京哉……私を止めてくれ、お前を壊す……壊したくない!」
「いい、か、ら……貴方の欲しい、だ、け……あげますから……あ、はうっ!」
強烈な快感を生む半端でない行為に及んでいるのだ。酔い痴れながらも京哉はどうしたらいいのか分からない。そのうち突き当たった処を抉られだす。
「あ、あああっ、んあっ! そこ、は……あ、ああっ、いくいく、出る、ああっ!」
「あうっ、くっ……京哉!」
思いも寄らず絞り出すかのように京哉は薄い雫を零していた。同時に思い切り締まった衝撃で霧島も京哉の一番奥をずぶ濡れにしている。さすがに霧島も肩で息をしながら京哉の華奢な躰の上に覆い被さり脱力した。だがすぐに息を整えて身を起こす。
そこでようやく気付いた。京哉が目を瞑って首を傾がせている。
「おい、京哉? 京哉、大丈夫か!」
慌てて霧島は京哉のバイタルサインを看た。何もかも少し速かったが正常範囲内、だがまたしても京哉が気を失うまで攻め抜いてしまった自分に呆れて溜息をついた。
乱れきった黒髪を指で梳いてやっていると黒い瞳が鈍く覗く。焦点が合うまで数秒、視線が僅かに彷徨ってから霧島の目をはっきり捉えて微笑んだ。小さく掠れた声を押し出す。
「ん……忍さん?」
「すまん、京哉。大丈夫か?」
「はい。でも謝らないで下さい、あんなに良かったんですから」
そうは言っても喘ぎ疲れて京哉は本気で酷い声をしていた。霧島はベッドから降りるとキッチンでグラスに水を汲んでくる。とてもではないが自力では動けない京哉に口移しで何度も飲ませた。僅かな残りを自分で飲んで喉を潤すとベッドサイドのナイトテーブルにグラスを置き、今度は洗面所に立ってバスタオルを湯で絞ってくる。
京哉の躰を拭くと下着とパジャマを着せ、寝かせたまま器用にシーツも交換した。
行為のあとで霧島が京哉の面倒を見たがるのは趣味のようなものなので、機嫌良く介護するのを京哉も止めはしない。思いつく限りのことを終わらせると、霧島は自分を雑に拭き、下着とパジャマを身に着けて京哉の隣に仰臥した。左腕の腕枕を差し出すと京哉は頭を落とし目を瞑る。霧島は毛布を引っ張り上げ、京哉の髪を指で梳きながら足を絡めた。
「おやすみなさい、忍さん」
「ああ、おやすみ、京哉」
鎖骨から首筋のラインを吸い上げられ、幾つも赤く濃く所有印を穿たれる。
「あっ、ふ……忍さん、そんなに上は、見えちゃうから」
「見えていい。本部の誰もがお前は私のものだと承知している」
与えられる甘い痛みに京哉は陶然としながら、自分を組み敷いた霧島の逞しい躰に白い肌を擦りつけた。分厚い胸板の象牙色の肌に薄い自分の胸を密着させる。京哉よりも余程経験を積んできた筈の霧島だが、感じる体温は高く鼓動がやや速い。数えきれないくらい抱き合ってきたのに、今日もこの自分に欲情している霧島が京哉は酷く愛しい。
互いに躰の中心はもう勃ち上がっている。下から霧島の引き締まった腹に押しつけた。霧島のものも京哉の太腿に当たっている。あまりに太すぎる霧島は火傷しそうに熱い。これを初めから京哉は霧島に素のままで受け入れさせられた。
何にも遮られることなく触れ合いたかったのだという。その時は傷ついてしまった京哉だったが、それ以来ずっと京哉は霧島に素のまま何の隔てもなく受け入れるよう馴らされてきた。お蔭で今では京哉は人工物を使用すると逆に集中できない。
だが構わない。何もかも委ねられる霧島との行為なら自然と京哉は恥ずかしいくらい濡らされる。潤滑剤なしでは誰も受け入れられなかった太すぎる霧島を華奢な身で全て咥え込む。そして行為を重ねてもそのたびに霧島は初めてこじ開けるような思いをさせられるのだ。
「うっ、く……そんなに擦るな、保たなくなる」
「出してもいいから、我慢しないで」
「だめだ。いくならお前の中がいい……くうっ!」
左胸の小さな尖りを口に含み甘く噛むと霧島は低く呻いた。喉を仰け反らせた霧島は酷く色っぽい。堪らなくなったのか霧島は京哉を抱き締めると再び体勢を入れ替えて華奢な躰にのしかかった。仕返しのように熱く硬くなった京哉を腹で扱き上げる。
そうして成長しきったものから溢れる透明の蜜で互いの躰を汚し合った。
「あぅん、忍さん……そんなにしたら、僕、いっちゃう」
「では、こっちだ」
身を起こした霧島に京哉は膝を立てた脚を押し広げられる。細い腰の下に枕まで押し込まれた。後ろの色づきも露わな、思い切り羞恥を煽る格好をさせられ、霧島が互いの熱いものを扱いて右手指を蜜で濡らすのを見せつけられる。もう京哉も我慢できなかった。
何処をとっても理想的なバランスのとれた霧島の大柄な躰を目に映したまま、羞恥心を押し退けて欲しがる躰は勝手に動き更に細い腰を浮かせる。収縮する蕾に霧島の長い指を迎え入れた。狭いそこに一本目の指を難なく咥え込む。蜜で濡れた指は奥まで挿入された。内襞を押し分けて粘膜をすうっと掻かれ、堪らず甘く高く鳴く。
「あっ、ああっ……はぁん、忍さん……そこ、いい」
「声も、躰も最高に色っぽいな」
「んっ、もっと、もっと汚して――」
京哉を傷つけないよう深爪し整えられた長い指は、絶妙なテクニックで掻いては突いた。京哉は既に身も心も霧島の指づかいに支配されている。こうして指でされるのは、このあと太い霧島を受け入れるためなのだ。
そう思うとぞくりと疼きが身を走り抜け、いつしか細い腰が淫らに前後していた。
「京哉、そんなに動くな。傷つける」
「いい、傷つけられたい……はぅんっ!」
宥めるように霧島は内腿を撫でてくれるが、完全に炎を灯された躰は京哉自身、コントロールできない。そんな躰を霧島は性急に増やした指でほぐし馴らしてゆく。
もう窄まりに数指を挿入され、中をしっかりと濡らされて悶える白い躰は堪らなく煽情的だった。ここまで淫らに乱れながら、なるべく喘ぎを抑えようとする京哉が愛しく、そんな反応を霧島は半ば愉しんでいる。
存分に、そして慎重に拡張した。指で広げ、窄まりを緩やかに押しては、己の太すぎるものを受け入れる準備をさせる。だが年下の恋人の熱い吐息と時折洩らす喘ぎに霧島も平静ではいられない。今や切れ長の目は眇められ、煌々と灯されたままのLEDライトを反射して、灰色の目に湛えられた情欲が溢れだしそうだった。
「もう、忍さん、いいから……んっ、僕に入って」
「まだだ、もう少し待て。お前に怪我をさせたくない」
「大丈夫だから……もう待てない、っん――」
そう言って京哉は霧島の数指に何度も悪戯を仕掛ける。狭い窄まりを収縮させては指の根元を締めつけた。そして神をも堕としかねない微笑みを浮かべて霧島を誘う。
「ほら、僕のここ……こんなに貴方を欲しがってる」
途端に我慢の限界が来たか、霧島は表情を僅かに歪ませて京哉を掻き抱いていた。二人の蜜と京哉の零した雫がシーツに染みを作った。霧島を押し返した京哉はベッドに這う。腹の下に畳んだ毛布を置くと、上体をシーツに預けて腰を高く掲げた、全てが露わな淫ら極まりない姿態をとった。
「好きなだけここに入れて。それで、もっと濡らして」
「くっ……そんなに煽って、どうなっても知らんぞ!」
細い腰を片手で掴まれ引き寄せられる。ぬるついた熱いものが押し当てられた。浅く乱れた吐息を努めて整えた瞬間、躰を軋ませるようにして硬く太すぎる霧島に貫かれ突き上げられた。存分に準備させられていても、いつもこの時だけは苦しい。
「あっ、あっ……はうんっ!」
「くうっ、京哉、すまん……あっ、く――」
思わず悲鳴のような高い声を上げた京哉は返事をすることも叶わない。あんなに緩めて拡張されていたのが嘘のように霧島は太かった。体内が熱く硬い霧島でいっぱいに満たされたようだった。初めから容赦なく深い。
だが隙間なく埋める霧島がくれた苦しさまでが、京哉の悦びだった。
「いいか、動くぞ」
我慢も限界になったか、霧島が京哉の腰を掴んだまま力強く腰を律動させ始める。太い茎を離れてしまう寸前まで引き抜いては突き上げ貫いた。その合間に腰を捻ってスライドさせ切っ先で掻き出すように抉り、一気に昇り詰めてしまわないよう小刻みに突く。もう京哉の苦しさは融け消えていた。同時に羞恥など吹き飛ぶ。
天性のテクニックが生む快感に晒され、京哉はもう喘ぐというより叫んでいた。
「はぅん! 忍さん、貴方だけ……愛してます、あっふ!」
「ああ、私の京哉……お前だけを愛しているぞ!」
「嬉しい……いい、すごい、太いよ……気持ちいい――」
徐々に激しく突き上げられ全身を揺らされて、京哉は枕を掴み締めて襲い来る快感に堪えた。いつしか京哉の細い腰も霧島の律動に合わせて前後していた。二人で快感を生み続けていると、唐突に溢れた疼きが背筋を這い昇ってくる。
二人の吐息と喘ぎが寝室に満ちている。霧島が京哉の熱いものを握って扱いた。前後を同時に攻められ京哉はもう我慢できず叫ぶように訴える。
「ああんっ、お願い、早く……忍さん、はうっ!」
「京哉、あっ、く――」
霧島の手に中に京哉は放った。同時に体内を熱く濃く濡らされている。二人は幾度も身を震わせて迸らせた。何も考えられない刻を共有したのち、我に返った京哉は愛しい男のものを見て息を呑む。いつものことではあるが一度放ってなお霧島は太く滾らせていた。いや、放つ前よりも太くなり、下腹にくっつきそうに反り返っている。
常の事だと分かっていながらも、見慣れていなければ怖くなるほどの存在感だ。
「なあ、今度は色っぽいお前を見ながらしていいか?」
頷いた京哉はシーツに仰臥し霧島を受け入れる体勢を取る。淡く色づいた狭い窄まりからは閉じ込めきれない霧島の欲望が溢れ出していた。そこを一気に貫かれる。
「んんっ……あっ、ああんっ……はぅんっ!」
「くうっ、まだ、きつい――」
きついと言いながらも霧島は熱く太く硬いものを縦に横にと半ば強引に動かす。粘膜を突き破らんばかりに攻め立てた。京哉も腰を蠢かせて霧島を奥まで欲する。
「あっ、ふ……いや、あ……忍さん、あんっ!」
「好きなだけ入れてと言ったのはお前だろう?」
「それは……ああっ、そんな……や、あ、忍さん!」
抵抗の言葉とは裏腹に、京哉はインキュバスに憑かれたかのように淫ら極まりない姿態をとっていた。後ろの蕾は思い切り広げられ、太いものを咥え込んでいる。
そんな乱れ方でもシーツにパサリと広がった長めの髪と白い躰は危うい美しさで、霧島は京哉を征服し尽くしてしまいたい思いで際限なく突き上げ貫き続けた。
「や、ああっ……忍さん、よすぎておかしくなっちゃう――」
「おかしくなんかならん、いきたければいっていいんだぞ?」
「いや、だ、貴方と一緒がいい……はぁんっ!」
いつまでも、何処までも霧島を自分の中に閉じ込めておきたくて、躰は太いものを締めつけてしまう。既に粘膜は太いもので思い切り広げられているのだが、離すまいと必死で絡みついた。霧島の端正な顔が僅かに歪む。酷く色っぽい顔つきで攻めた。
張り裂けんばかりになった自分を意識した京哉は、充血した粘膜で霧島の形をくっきりと捉える。本当にこれ以上の太さになったら張り裂けそうだと思った。
「ああん、忍さん……いい、すごい、まだ太い、硬いよ……あぅんっ!」
「私も、京哉、堪らない……っく、京哉!」
喉からは勝手に高く甘い声が洩れだしている。霧島が熱くて粘膜が融かされそう、いや、もう蕩けて混じり合ってしまっているに違いない。霧島が激しく突き入れるたびに淫らな水音がして、太い茎を引き出すと二人分の混じった物がが零れる。
「忍さん、本当に僕、もう、だめ――」
「ああ、分かった、いかせてやる!」
頑丈なダブルベッドが軋むほど霧島は激しく攻めた。芯まで届いた霧島に容赦なくこね回され思い切り擦られて、京哉はもう激しすぎる霧島の行為を受け止めるのみである。だが何もかもを受け入れることで京哉は愛しい男を征服しようとしていた。
縋るように霧島の背に腕を回す。芯の奥まで突かれて思わずギリッと爪を立てた。
「ああん、忍さん、またいっちゃう……はぁんっ!」
「うっ、くっ……京哉……あっ、く!」
二度目とは思えないほどに霧島はたっぷりと京哉に注ぎ込む。京哉も同時に自らの喉元にまで飛び散らせていた。二人して幾度も身を震わせたが霧島はまだ京哉を許そうとはしない。時間も忘れて攻め続ける。軽い京哉の躰を文字通り好きにした。
受け入れさせる熱い楔も並みでない太さなら、一度火の点いてしまった情欲も並みでなく、その攻めは京哉が何も零せなくなっても続く。
「だめだ、京哉、京哉……私を止めてくれ、お前を壊す……壊したくない!」
「いい、か、ら……貴方の欲しい、だ、け……あげますから……あ、はうっ!」
強烈な快感を生む半端でない行為に及んでいるのだ。酔い痴れながらも京哉はどうしたらいいのか分からない。そのうち突き当たった処を抉られだす。
「あ、あああっ、んあっ! そこ、は……あ、ああっ、いくいく、出る、ああっ!」
「あうっ、くっ……京哉!」
思いも寄らず絞り出すかのように京哉は薄い雫を零していた。同時に思い切り締まった衝撃で霧島も京哉の一番奥をずぶ濡れにしている。さすがに霧島も肩で息をしながら京哉の華奢な躰の上に覆い被さり脱力した。だがすぐに息を整えて身を起こす。
そこでようやく気付いた。京哉が目を瞑って首を傾がせている。
「おい、京哉? 京哉、大丈夫か!」
慌てて霧島は京哉のバイタルサインを看た。何もかも少し速かったが正常範囲内、だがまたしても京哉が気を失うまで攻め抜いてしまった自分に呆れて溜息をついた。
乱れきった黒髪を指で梳いてやっていると黒い瞳が鈍く覗く。焦点が合うまで数秒、視線が僅かに彷徨ってから霧島の目をはっきり捉えて微笑んだ。小さく掠れた声を押し出す。
「ん……忍さん?」
「すまん、京哉。大丈夫か?」
「はい。でも謝らないで下さい、あんなに良かったんですから」
そうは言っても喘ぎ疲れて京哉は本気で酷い声をしていた。霧島はベッドから降りるとキッチンでグラスに水を汲んでくる。とてもではないが自力では動けない京哉に口移しで何度も飲ませた。僅かな残りを自分で飲んで喉を潤すとベッドサイドのナイトテーブルにグラスを置き、今度は洗面所に立ってバスタオルを湯で絞ってくる。
京哉の躰を拭くと下着とパジャマを着せ、寝かせたまま器用にシーツも交換した。
行為のあとで霧島が京哉の面倒を見たがるのは趣味のようなものなので、機嫌良く介護するのを京哉も止めはしない。思いつく限りのことを終わらせると、霧島は自分を雑に拭き、下着とパジャマを身に着けて京哉の隣に仰臥した。左腕の腕枕を差し出すと京哉は頭を落とし目を瞑る。霧島は毛布を引っ張り上げ、京哉の髪を指で梳きながら足を絡めた。
「おやすみなさい、忍さん」
「ああ、おやすみ、京哉」
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