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第15話
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三分後には京哉は霧島と来客用ソファに並んで腰掛けていた。
勿論ソファは十六階建て本部庁舎の最上階にある県警本部長室に置かれている。そして部屋の主であり二人を呼びつけた張本人の一ノ瀬警視監は二人の向かいで三人掛けソファに一人で座っていた。
一ノ瀬本部長は二人に注視されながら紅茶のカップにスティックシュガーを三本も入れて掻き混ぜる。目前のロウテーブル上にはクッキーの大きな丸い缶がフタを外して置かれ、既に三分の一が消えていて本部長の胃袋で消化中らしい。
そのクッキーは激甘紅茶と共に加速度を付けて更に減りつつある。
警視監と云えば京哉の巡査部長から数えて、じつに六階級も上におわす雲上人だ。お蔭で以前は呼び出されるたびに京哉は緊張していたが、この面子で顔を合わせるのも度重なり、今では緊張することもなくなった。
要は緊張するのに飽きたのだ。
そんな京哉は自分と同じくらいの身長で、たっぷり霧島二人分の目方がありそうな本部長をじっと観察する。不自然なまでに黒々とした髪を整髪料でぺったりと撫でつけた様子は幕下力士のようだった。
だがこれでも暗殺反対派の急先鋒だった人物でメディアを利用した世論操作を大の得意とする、なかなかの切れ者なのだ。
その本部長はクッキーの粉がついた指を舐め、底に紅茶色のシュガーがドロリと堆積したカップをソーサーに戻して声を発する。
「どうかしたのかね、二人揃って不景気な顔をしているが」
「本部長、私のこれは地顔です」
霧島が切り返したのはいいが低い声の棒読み口調でそれこそ不景気極まりなく、原因たる京哉は出された紅茶の液体表面に無言で目を落とした。
いつもより間隔を空けて座ったきり一言も会話を交わさない二人を本部長は不思議そうに眺めてから前ボタンが弾け飛びそうな制服のポケットを探り、躰のあちこちを探り、ロウテーブルの下を覗き見てから手を叩きテノールで秘書官を呼ぶ。
「おーい、例のものを持ってきてくれたまえ!」
そうして二人が見せられたのは桜木が持っていたカラーコピーの写真群だった。
「わたし宛に本日午後届いた郵便物に混じっていたものだ。封筒に入っていたのはこれらのみ。おそらくこの内容についてきみたちは把握していると思うので説明は省くが、きみたちの方から何か報告はないのかね?」
私事に気を取られ必要な報告を怠っていた霧島は自戒し、桜木と話した内容を簡潔に告げて渡されたUSBメモリも提出する。
本部長はすぐさま陸上自衛隊に問い合わせるよう秘書官に命じた。まもなく結果が添付ファイル付きメールで送られてくる。
ノートパソコンや様々な資料にカラーコピーを三人で囲んだ。
「ふむ。富樫組長の件はともかくとして、これでうちの管内及び都内におけるスナイプのマル害全員の身元が割れたということか。これらの情報についてはわたしがタイミングを見て帳場に告げるので、きみたちは手を離していい」
「了解しました。ですが桜木の寄越したUSBメモリにあった、生存している産業スパイ四名についてはガードを差し向けるのが妥当だと思われます」
「分かっている。人命第一なのは言うまでもなく、殺されれば殺されるほど霧島会長を本ボシと見せかける包囲網は狭まる。このままでは旧暗殺肯定派の中でもいち早く禊を済ませた霧島カンパニーに対して全ての泥を被せ、未だ罪相応の償いを受けていないサッチョウや永田町の亡霊たちがメディアにタレ込むのも時間の問題だ」
旧暗殺肯定派だった者たちの中でも汚職で一旦検挙されたが上手く罰則は逃れた輩は多い。彼らは全ての罪を霧島カンパニーに擦り付けたつもりだった訳だが、霧島カンパニーも『暗殺』についてはメディアのゴシップネタになっただけである。新暗殺肯定派のように大々的に武器弾薬の摘発まで明らかにされはしなかった。
それでも霧島カンパニーは相応のツケを払わされたが、上手く逃れた輩の中には擦り付けた筈の罪が宙に浮いたままなのを恐れている者がいるのだろう。
そこで霧島カンパニーの瑕疵に再びスポットが当たれば、これ幸いと『宙に浮いたままの罪』を全て霧島カンパニーのものとして始末を付けたがる、そういうことだった。
なるほど、そんな危険もあるのかと思いながらシュガーを入れない紅茶に口をつけつつ京哉は霧島の表情を窺ったが、見事なまでに無視されてまた俯く。
「とにかくこのままでは埒が明かん。そこでだ、我々も網を張ろうと思う」
「生存している産業スパイの四人を囮にするのですか?」
「霧島くんにしては殺伐とした物言いをする。人命第一と言った筈、囮ではない。ただこうして身元は割れたが本人らは自分が狙われるとは露とも思っておらんだろう。霧島会長の接触の仕方から見て産業スパイたちに横の繋がりがあるとは思えん以上、彼らは同業者が殺されたことも知るまい」
「網を張るというのは、つまり狙われている事実を本人に告げず狙われるのを待つということでしょう。警戒心を抱かせないよう行動確認を就けたとしても、それは囮に他ならない。私は反対です。本人を保護した上での作戦を立案すべきだ」
断固とした霧島の主張に本部長は少々面白そうな色を目に浮かべた。
「産業スパイの生き残りが今後狙われるのか否かも不明な今、不確定な予想で一般市民の日常生活を非日常に塗り替えて壊す訳にはいかん。喩え彼らから協力を得られても、それで人目を惹き却って敵に嗅ぎつけられたらどうするんだね。メディアに囲まれての射殺は困るのだ」
俯いた京哉は霧島が頷く気配を感じる。霧島の性格からして説明されすっきりした訳ではなかろうが一応は納得したようだ。満足して本部長が話を先に進める。
「当然だが単に行確を就けるだけでは話にならん、最悪二キロ以上先から狙われては一巻の終わりだ。そこで鳴海くんの力を借りたい。いいかね?」
名を呼ばれて京哉は顔を上げた。作戦としては理解したが負け戦は気が進まない。喋るのも億劫な気分だったが本部長からじっと見られて仕方なく口を開く。
「こう言ったら何ですが余程の幸運と偶然が重ならない限り御坂の捕縛は無理だと思います。我が県警SATの武器庫にもM200に匹敵する得物はありませんし……」
ネガティヴな発言に上級者たちが耳を貸してくれているのを見て続けた。
「おまけに基本的に撃たれてから撃つカウンタースナイプになりますから、御坂の腕からすると最低でもこちらに被害が出るのを前提にしなければならないんです」
実際二キロオーバーを狙えるM200の敵を倒すなら重機関銃でもぶちかまさなければ無理である。それこそ陸上自衛隊にでも参戦頂くしかない。
だが浮かない顔をした京哉を普段は慎重派の本部長が説得にかかった。
勿論ソファは十六階建て本部庁舎の最上階にある県警本部長室に置かれている。そして部屋の主であり二人を呼びつけた張本人の一ノ瀬警視監は二人の向かいで三人掛けソファに一人で座っていた。
一ノ瀬本部長は二人に注視されながら紅茶のカップにスティックシュガーを三本も入れて掻き混ぜる。目前のロウテーブル上にはクッキーの大きな丸い缶がフタを外して置かれ、既に三分の一が消えていて本部長の胃袋で消化中らしい。
そのクッキーは激甘紅茶と共に加速度を付けて更に減りつつある。
警視監と云えば京哉の巡査部長から数えて、じつに六階級も上におわす雲上人だ。お蔭で以前は呼び出されるたびに京哉は緊張していたが、この面子で顔を合わせるのも度重なり、今では緊張することもなくなった。
要は緊張するのに飽きたのだ。
そんな京哉は自分と同じくらいの身長で、たっぷり霧島二人分の目方がありそうな本部長をじっと観察する。不自然なまでに黒々とした髪を整髪料でぺったりと撫でつけた様子は幕下力士のようだった。
だがこれでも暗殺反対派の急先鋒だった人物でメディアを利用した世論操作を大の得意とする、なかなかの切れ者なのだ。
その本部長はクッキーの粉がついた指を舐め、底に紅茶色のシュガーがドロリと堆積したカップをソーサーに戻して声を発する。
「どうかしたのかね、二人揃って不景気な顔をしているが」
「本部長、私のこれは地顔です」
霧島が切り返したのはいいが低い声の棒読み口調でそれこそ不景気極まりなく、原因たる京哉は出された紅茶の液体表面に無言で目を落とした。
いつもより間隔を空けて座ったきり一言も会話を交わさない二人を本部長は不思議そうに眺めてから前ボタンが弾け飛びそうな制服のポケットを探り、躰のあちこちを探り、ロウテーブルの下を覗き見てから手を叩きテノールで秘書官を呼ぶ。
「おーい、例のものを持ってきてくれたまえ!」
そうして二人が見せられたのは桜木が持っていたカラーコピーの写真群だった。
「わたし宛に本日午後届いた郵便物に混じっていたものだ。封筒に入っていたのはこれらのみ。おそらくこの内容についてきみたちは把握していると思うので説明は省くが、きみたちの方から何か報告はないのかね?」
私事に気を取られ必要な報告を怠っていた霧島は自戒し、桜木と話した内容を簡潔に告げて渡されたUSBメモリも提出する。
本部長はすぐさま陸上自衛隊に問い合わせるよう秘書官に命じた。まもなく結果が添付ファイル付きメールで送られてくる。
ノートパソコンや様々な資料にカラーコピーを三人で囲んだ。
「ふむ。富樫組長の件はともかくとして、これでうちの管内及び都内におけるスナイプのマル害全員の身元が割れたということか。これらの情報についてはわたしがタイミングを見て帳場に告げるので、きみたちは手を離していい」
「了解しました。ですが桜木の寄越したUSBメモリにあった、生存している産業スパイ四名についてはガードを差し向けるのが妥当だと思われます」
「分かっている。人命第一なのは言うまでもなく、殺されれば殺されるほど霧島会長を本ボシと見せかける包囲網は狭まる。このままでは旧暗殺肯定派の中でもいち早く禊を済ませた霧島カンパニーに対して全ての泥を被せ、未だ罪相応の償いを受けていないサッチョウや永田町の亡霊たちがメディアにタレ込むのも時間の問題だ」
旧暗殺肯定派だった者たちの中でも汚職で一旦検挙されたが上手く罰則は逃れた輩は多い。彼らは全ての罪を霧島カンパニーに擦り付けたつもりだった訳だが、霧島カンパニーも『暗殺』についてはメディアのゴシップネタになっただけである。新暗殺肯定派のように大々的に武器弾薬の摘発まで明らかにされはしなかった。
それでも霧島カンパニーは相応のツケを払わされたが、上手く逃れた輩の中には擦り付けた筈の罪が宙に浮いたままなのを恐れている者がいるのだろう。
そこで霧島カンパニーの瑕疵に再びスポットが当たれば、これ幸いと『宙に浮いたままの罪』を全て霧島カンパニーのものとして始末を付けたがる、そういうことだった。
なるほど、そんな危険もあるのかと思いながらシュガーを入れない紅茶に口をつけつつ京哉は霧島の表情を窺ったが、見事なまでに無視されてまた俯く。
「とにかくこのままでは埒が明かん。そこでだ、我々も網を張ろうと思う」
「生存している産業スパイの四人を囮にするのですか?」
「霧島くんにしては殺伐とした物言いをする。人命第一と言った筈、囮ではない。ただこうして身元は割れたが本人らは自分が狙われるとは露とも思っておらんだろう。霧島会長の接触の仕方から見て産業スパイたちに横の繋がりがあるとは思えん以上、彼らは同業者が殺されたことも知るまい」
「網を張るというのは、つまり狙われている事実を本人に告げず狙われるのを待つということでしょう。警戒心を抱かせないよう行動確認を就けたとしても、それは囮に他ならない。私は反対です。本人を保護した上での作戦を立案すべきだ」
断固とした霧島の主張に本部長は少々面白そうな色を目に浮かべた。
「産業スパイの生き残りが今後狙われるのか否かも不明な今、不確定な予想で一般市民の日常生活を非日常に塗り替えて壊す訳にはいかん。喩え彼らから協力を得られても、それで人目を惹き却って敵に嗅ぎつけられたらどうするんだね。メディアに囲まれての射殺は困るのだ」
俯いた京哉は霧島が頷く気配を感じる。霧島の性格からして説明されすっきりした訳ではなかろうが一応は納得したようだ。満足して本部長が話を先に進める。
「当然だが単に行確を就けるだけでは話にならん、最悪二キロ以上先から狙われては一巻の終わりだ。そこで鳴海くんの力を借りたい。いいかね?」
名を呼ばれて京哉は顔を上げた。作戦としては理解したが負け戦は気が進まない。喋るのも億劫な気分だったが本部長からじっと見られて仕方なく口を開く。
「こう言ったら何ですが余程の幸運と偶然が重ならない限り御坂の捕縛は無理だと思います。我が県警SATの武器庫にもM200に匹敵する得物はありませんし……」
ネガティヴな発言に上級者たちが耳を貸してくれているのを見て続けた。
「おまけに基本的に撃たれてから撃つカウンタースナイプになりますから、御坂の腕からすると最低でもこちらに被害が出るのを前提にしなければならないんです」
実際二キロオーバーを狙えるM200の敵を倒すなら重機関銃でもぶちかまさなければ無理である。それこそ陸上自衛隊にでも参戦頂くしかない。
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