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第57話
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乗員に僅かな振動を感じさせただけでマフタⅡはザイラの宙港に着陸した。
シドはリードを引き抜いてリモータに仕舞い立ち上がる。現地時間はテラ標準時と並べて既に表示してあった。アピス星系第三惑星ザイラの自転周期は約百四十三時間で、それを六分割し一日を約二十四時間としている。
「今は昼の日、現在時は十四時半か。降りたら速攻で他星系便探しだな」
「簡単に見つかればいいですけどね」
何故か気の重い様子でジョンも席を立つ。ハイファも黙って倣った。
ブリッジを出た三人は、また身を縮めて通路を歩く。環境探査システムは勿論オールグリーン、ためらいなくエアロックを抜けた。外で待ち受けていたのは灼けるような日差しだった。
それと小銃を構えた戦闘服の一個小隊である。
「止まれ! 両手を挙げて頭の上で組むんだっ!」
三十以上もの銃口に囲まれて抵抗するほどの元気はシドにもなかった。言われた通りにしながら叫んだ代表者をはっきりとしない視界に映す。
代表者らしき男は中年でエラそうにヒゲを生やし頭には赤い布を巻いていた。ギラギラと照りつける恒星アピスの下、飾緒のついた黒の軍服まで着用している。
酷く暑苦しい格好の男を眺めながら考えたが、どうしてここでこんな目に遭うのか、さっぱり分からない。まさかアルゴーの指名手配がここでも活きているのだろうかと、シドは目を眇めて取り囲む兵士たちを見回した。
ともあれここで突っ立っていると熱射病は確実である。上からだけでなく白いファイバブロックからの照り返しで暑いというより肌が痛い。
事態の変化を期待してシドが口を開こうとしたとき、いきなりヒゲの中年制服男はその場に片膝をついた。深々と頭を垂れ、次にはジョンを見上げて言った。
「ハイド=ラ=アルト様ですね。お父上のヘクター=シャタン様がお待ちです」
思わずシドはジョンを振り返った。ジョンは笑いもせず肩を竦めた。
差し回されたリムジンコイルに揺られつつ、見づらいながらもシドは窓外を観察した。ザイラ最大の都市シャターナの郊外に造られたというこの第一宙港はかなりの大規模施設だった。大会戦で負けたというが、そうとは思わせない活気がある。
テンダネスの御託宣に乗っかって投資した企業は退いたのかも知れないが、それでも数え切れないほどの貨物艦が停泊していた。今は亡きダニエル氏が言っていた石材や木材を輸出する便ばかりではあるまい。未だ戦時特需は続いているようだ。
リフトコイルが忙しく行き交う広大な宙港は、遠くが熱気で揺らめいている。
炎熱地獄から早々に移動となったのは有難かったが、武装解除された挙げ句に乗り合わせているのが小銃を手にしたままの一個小隊三十余名で、おまけに両手首を前で縛められているのは頂けない。隣に腰掛けたハイファも同様だ。
ジョンは黒塗りのコイルが迎えに来て、ヒゲ軍人に連れられ去っていた。
誰も何も説明してくれないままリムジンコイルは宙港敷地内のビルの前で減速しロータリーで停止し接地した。銃口でものを言われて降ろされ、ビルの中を歩かされてエレベーターに乗せられる。ここで人数が格段に減り、銃口は四つになっていた。
だからといって暴れても益はなさそうである。暫し様子を見るしかない。
十八階建ての十五階で降ろされ、廊下を歩いてハイファと引き離され連れ込まれたのは、馴染んだ雰囲気の小部屋だった。いかにもな取調室だ。
何を訊かれるのかと思って身構えたが、縛めを切られ、嵌めていた故アズレー氏のリモータを取り上げられただけだった。元よりショルダーバッグは没収されている。
それだけで取調室から出され、また移動だ。
銃口ふたつと共にエレベーターに乗せられて向かったのは屋上だった。ハイファの行方だけが心配だったが、屋上で軍用小型BELに押し込まれると既にハイファが乗っていて、一暴れせずともよい安堵に肩の力が抜ける。
風よけドームが開いてテイクオフしたBELは真っ直ぐシャターナの都市中心部へ向かって五分ほど飛翔し、かなりの高層建築の屋上に、これもまた風よけドームを開けさせてランディングした。
屋上駐機場には多数のBELが駐まっていたが殆どが軍用機だった。
降ろされてエレベーターに乗った。目的地は五十二階建ての五十階で、ここでは兵士たち四人も銃を構えることなくスリングで担いでいる。
すぐさま撃たれる恐れがなくなり、シドはなるべく穏やかに兵士の一人に訊いてみた。
「星系内指名手配で捕まったってことなのか?」
「指名手配? どういうことだ?」
「訊いてるのはこっちなんだがな。俺たちをどうするつもりだ?」
「どうするとは……我々は命令に従っているだけだ」
確かにこのクラスに訊いても得られることは少なそうではあった。エレベーターを降りて緋色の絨毯を踏みながら、だが情報収集の努力は続ける。
「ヘクター=シャタンがハイド=ラ=アルトの親父だってのは本当なのか?」
「そのように伺っている」
「へえ……」
「詳しく聞きたければ直接お訊ねするがいい」
そう言って兵士たちが立ち止まったのは観音開きの巨大なドアの前だった。そこには飾緒を着けた軍服の男女がずらりと二十名ほども並んでいた。赤い布を巻いて整列した彼らの一人がリモータで何やら通信したのち、ドアの片側を恭しく開ける。二名の軍服がシドとハイファの両側に付き、室内へと促した。
薄く紗の掛かった視界でシドは室内を見渡した。そこはデカ部屋くらいの広さの執務室といった雰囲気だった。思ったよりも人間がいて、それらはガードらしく配置されている。
想像していたほどの華美さがない部屋には真正面に多機能デスクがあり、主らしい男が就いていた。これも黒い軍服だ。軍服男はシドたちを認めると無造作に立ち上がる。
「そこに掛けてくれるかね」
軍服男が指した先には応接セットがあった。ハイファに腕を取られて誘導され、革張りの三人掛けソファに並んで腰掛けた。ガードを二人従えて向かいに軍服男が座る。
軍服男が鷹揚に頷いたので、まずは知りたい最たる事項をぶつけた。
「もしかして、ヘクター=シャタンか?」
「もしかせずとも、わたしが第七十二代シャタン教最高指導者のヘクター=シャタンだ」
目を細めてシドはなるべく焦点を合わせ、男を観察した。
初老の域に入ったばかりの男は銀糸で刺繍をした赤い布を頭に巻いていた。髪は短めながら薄い金髪で、アンバーの瞳といい、顔立ちは似ていないものの、問い詰めるまでもなくジョンとの血の繋がりを現していた。
だが宗教指導者といえばもっと勿体ぶって偉そうなジジイかと思っていたので、あっさりとシドたちの前に姿を現したことが何よりも意外で驚きだった。
「どうしてもきみたちの身柄が欲しかったのでね、少々手荒な真似をさせて貰った」
「ジョンは、いや、ハイド=ラ=アルトはともかく何で俺たちが要るんだよ?」
「ハイドラが何を考えているのか、きみたちなら知っているのではないのかね?」
「あいつの考えなんかさっぱりだ」
言い捨てて自分が『保険』だというのを何となく思い出した。
「つーか、何で次代の指導者サマが本星でサラリーマンなんかしてるんだ?」
ヘクター=シャタンはそこで溜息をつく。丁度、軍服の若い女性が茶器を運んできてロウテーブルに三人分を配置した。かなりいい茶葉らしく甘い紅茶の香りが漂った。
「あれは産まれてすぐに母親の手によってアルゴー教徒となった――」
湯気の立つカップを前にヘクター=シャタンは語った。
もはや宗教というより軍閥と化したシャタン・アルゴー共に、次代指導者といえども指揮官として自ら手勢を率い、第四惑星ベンヌの戦場に出るのが当然なのだという。
そしてベンヌで中立派の女性、クリステ=ラ=アルトとヘクター=シャタンは出会った。
「クリステラは初め、わたしに殉じ、シャタン教にも殉じてくれると約束してくれた」
「けど口約束は反故になったんだな」
「平たく言えばそういうことだ。ある日突然消えたクリステラは第五惑星ドルテに渡り、自分だけでなく産まれたばかりのハイドラにまでアルゴーの洗礼を受けさせたのだ」
だがそのあとクリステ=ラ=アルトは美貌を見初められ、テラ本星の人間と結婚することになる。しかし本星に渡った直後に精神を病み、ハイド=ラ=アルトを手放したらしい。
そのあと施設に入ったハイド=ラ=アルトは手術でアルゴーの白い輪っかを取り除いた――。
「ずっと秘密裏に人をやって追っていたのだ」
「何で取り戻そうとしなかったんだ?」
「幾度迎えに行こうと思ったか知れない。だが本人の意志でないにしろ一度は異教の洗礼を受けたのだ。先代の反対もあり、わたしの一存で迎え入れることは叶わなかった」
だが刻は流れて代替わりし、ヘクター=シャタンはハイド=ラ=アルトを呼び戻すための根回しを進め、本人にも打診していたのだという。
そんなさなかに十二兆が転がり込み、続けて大会戦で負けたのちに、SSCⅡテンダネス対夕月総研のくだりにハイド=ラ=アルトの名を見て驚いたらしい。
シドはリードを引き抜いてリモータに仕舞い立ち上がる。現地時間はテラ標準時と並べて既に表示してあった。アピス星系第三惑星ザイラの自転周期は約百四十三時間で、それを六分割し一日を約二十四時間としている。
「今は昼の日、現在時は十四時半か。降りたら速攻で他星系便探しだな」
「簡単に見つかればいいですけどね」
何故か気の重い様子でジョンも席を立つ。ハイファも黙って倣った。
ブリッジを出た三人は、また身を縮めて通路を歩く。環境探査システムは勿論オールグリーン、ためらいなくエアロックを抜けた。外で待ち受けていたのは灼けるような日差しだった。
それと小銃を構えた戦闘服の一個小隊である。
「止まれ! 両手を挙げて頭の上で組むんだっ!」
三十以上もの銃口に囲まれて抵抗するほどの元気はシドにもなかった。言われた通りにしながら叫んだ代表者をはっきりとしない視界に映す。
代表者らしき男は中年でエラそうにヒゲを生やし頭には赤い布を巻いていた。ギラギラと照りつける恒星アピスの下、飾緒のついた黒の軍服まで着用している。
酷く暑苦しい格好の男を眺めながら考えたが、どうしてここでこんな目に遭うのか、さっぱり分からない。まさかアルゴーの指名手配がここでも活きているのだろうかと、シドは目を眇めて取り囲む兵士たちを見回した。
ともあれここで突っ立っていると熱射病は確実である。上からだけでなく白いファイバブロックからの照り返しで暑いというより肌が痛い。
事態の変化を期待してシドが口を開こうとしたとき、いきなりヒゲの中年制服男はその場に片膝をついた。深々と頭を垂れ、次にはジョンを見上げて言った。
「ハイド=ラ=アルト様ですね。お父上のヘクター=シャタン様がお待ちです」
思わずシドはジョンを振り返った。ジョンは笑いもせず肩を竦めた。
差し回されたリムジンコイルに揺られつつ、見づらいながらもシドは窓外を観察した。ザイラ最大の都市シャターナの郊外に造られたというこの第一宙港はかなりの大規模施設だった。大会戦で負けたというが、そうとは思わせない活気がある。
テンダネスの御託宣に乗っかって投資した企業は退いたのかも知れないが、それでも数え切れないほどの貨物艦が停泊していた。今は亡きダニエル氏が言っていた石材や木材を輸出する便ばかりではあるまい。未だ戦時特需は続いているようだ。
リフトコイルが忙しく行き交う広大な宙港は、遠くが熱気で揺らめいている。
炎熱地獄から早々に移動となったのは有難かったが、武装解除された挙げ句に乗り合わせているのが小銃を手にしたままの一個小隊三十余名で、おまけに両手首を前で縛められているのは頂けない。隣に腰掛けたハイファも同様だ。
ジョンは黒塗りのコイルが迎えに来て、ヒゲ軍人に連れられ去っていた。
誰も何も説明してくれないままリムジンコイルは宙港敷地内のビルの前で減速しロータリーで停止し接地した。銃口でものを言われて降ろされ、ビルの中を歩かされてエレベーターに乗せられる。ここで人数が格段に減り、銃口は四つになっていた。
だからといって暴れても益はなさそうである。暫し様子を見るしかない。
十八階建ての十五階で降ろされ、廊下を歩いてハイファと引き離され連れ込まれたのは、馴染んだ雰囲気の小部屋だった。いかにもな取調室だ。
何を訊かれるのかと思って身構えたが、縛めを切られ、嵌めていた故アズレー氏のリモータを取り上げられただけだった。元よりショルダーバッグは没収されている。
それだけで取調室から出され、また移動だ。
銃口ふたつと共にエレベーターに乗せられて向かったのは屋上だった。ハイファの行方だけが心配だったが、屋上で軍用小型BELに押し込まれると既にハイファが乗っていて、一暴れせずともよい安堵に肩の力が抜ける。
風よけドームが開いてテイクオフしたBELは真っ直ぐシャターナの都市中心部へ向かって五分ほど飛翔し、かなりの高層建築の屋上に、これもまた風よけドームを開けさせてランディングした。
屋上駐機場には多数のBELが駐まっていたが殆どが軍用機だった。
降ろされてエレベーターに乗った。目的地は五十二階建ての五十階で、ここでは兵士たち四人も銃を構えることなくスリングで担いでいる。
すぐさま撃たれる恐れがなくなり、シドはなるべく穏やかに兵士の一人に訊いてみた。
「星系内指名手配で捕まったってことなのか?」
「指名手配? どういうことだ?」
「訊いてるのはこっちなんだがな。俺たちをどうするつもりだ?」
「どうするとは……我々は命令に従っているだけだ」
確かにこのクラスに訊いても得られることは少なそうではあった。エレベーターを降りて緋色の絨毯を踏みながら、だが情報収集の努力は続ける。
「ヘクター=シャタンがハイド=ラ=アルトの親父だってのは本当なのか?」
「そのように伺っている」
「へえ……」
「詳しく聞きたければ直接お訊ねするがいい」
そう言って兵士たちが立ち止まったのは観音開きの巨大なドアの前だった。そこには飾緒を着けた軍服の男女がずらりと二十名ほども並んでいた。赤い布を巻いて整列した彼らの一人がリモータで何やら通信したのち、ドアの片側を恭しく開ける。二名の軍服がシドとハイファの両側に付き、室内へと促した。
薄く紗の掛かった視界でシドは室内を見渡した。そこはデカ部屋くらいの広さの執務室といった雰囲気だった。思ったよりも人間がいて、それらはガードらしく配置されている。
想像していたほどの華美さがない部屋には真正面に多機能デスクがあり、主らしい男が就いていた。これも黒い軍服だ。軍服男はシドたちを認めると無造作に立ち上がる。
「そこに掛けてくれるかね」
軍服男が指した先には応接セットがあった。ハイファに腕を取られて誘導され、革張りの三人掛けソファに並んで腰掛けた。ガードを二人従えて向かいに軍服男が座る。
軍服男が鷹揚に頷いたので、まずは知りたい最たる事項をぶつけた。
「もしかして、ヘクター=シャタンか?」
「もしかせずとも、わたしが第七十二代シャタン教最高指導者のヘクター=シャタンだ」
目を細めてシドはなるべく焦点を合わせ、男を観察した。
初老の域に入ったばかりの男は銀糸で刺繍をした赤い布を頭に巻いていた。髪は短めながら薄い金髪で、アンバーの瞳といい、顔立ちは似ていないものの、問い詰めるまでもなくジョンとの血の繋がりを現していた。
だが宗教指導者といえばもっと勿体ぶって偉そうなジジイかと思っていたので、あっさりとシドたちの前に姿を現したことが何よりも意外で驚きだった。
「どうしてもきみたちの身柄が欲しかったのでね、少々手荒な真似をさせて貰った」
「ジョンは、いや、ハイド=ラ=アルトはともかく何で俺たちが要るんだよ?」
「ハイドラが何を考えているのか、きみたちなら知っているのではないのかね?」
「あいつの考えなんかさっぱりだ」
言い捨てて自分が『保険』だというのを何となく思い出した。
「つーか、何で次代の指導者サマが本星でサラリーマンなんかしてるんだ?」
ヘクター=シャタンはそこで溜息をつく。丁度、軍服の若い女性が茶器を運んできてロウテーブルに三人分を配置した。かなりいい茶葉らしく甘い紅茶の香りが漂った。
「あれは産まれてすぐに母親の手によってアルゴー教徒となった――」
湯気の立つカップを前にヘクター=シャタンは語った。
もはや宗教というより軍閥と化したシャタン・アルゴー共に、次代指導者といえども指揮官として自ら手勢を率い、第四惑星ベンヌの戦場に出るのが当然なのだという。
そしてベンヌで中立派の女性、クリステ=ラ=アルトとヘクター=シャタンは出会った。
「クリステラは初め、わたしに殉じ、シャタン教にも殉じてくれると約束してくれた」
「けど口約束は反故になったんだな」
「平たく言えばそういうことだ。ある日突然消えたクリステラは第五惑星ドルテに渡り、自分だけでなく産まれたばかりのハイドラにまでアルゴーの洗礼を受けさせたのだ」
だがそのあとクリステ=ラ=アルトは美貌を見初められ、テラ本星の人間と結婚することになる。しかし本星に渡った直後に精神を病み、ハイド=ラ=アルトを手放したらしい。
そのあと施設に入ったハイド=ラ=アルトは手術でアルゴーの白い輪っかを取り除いた――。
「ずっと秘密裏に人をやって追っていたのだ」
「何で取り戻そうとしなかったんだ?」
「幾度迎えに行こうと思ったか知れない。だが本人の意志でないにしろ一度は異教の洗礼を受けたのだ。先代の反対もあり、わたしの一存で迎え入れることは叶わなかった」
だが刻は流れて代替わりし、ヘクター=シャタンはハイド=ラ=アルトを呼び戻すための根回しを進め、本人にも打診していたのだという。
そんなさなかに十二兆が転がり込み、続けて大会戦で負けたのちに、SSCⅡテンダネス対夕月総研のくだりにハイド=ラ=アルトの名を見て驚いたらしい。
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