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第29話(BL特有シーン・回避可)

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 霧島の中心が熱く硬く成長して背後から京哉の腰に当たっていた。躰を揺らし霧島は京哉の腰に押しつける。左手は細い躰を抱き寄せ、右手は京哉の浴衣の合わせに差し込んでいた。
 胸の小さな尖りを探り当て指先で摘んで転がすと、京哉の吐息が不規則になる。

 うなじにキスを落としながら低く甘い声で再び囁いた。

「どうするんだ、欲しくなってしまったぞ」
「でも、ここって、音が……んっ」
「構わんだろう。こうして準備してくれた以上、期待に応えるのもまた良しだ」
「そんな、他人に……っん、聞かせる、なんて……あっふ!」

 素早く京哉の帯を緩めた霧島は前をはだけ、勃ち上がった京哉を掴んでいた。ゆっくりと扱きながらみるみる桜色に上気する白い肌を酷く冷静な灰色の目で観察する。

「ほら、赤くなったな」
「そんな目で、っん、僕ばっかり、ずるい……あぅん」

 細い腰を波打たせた京哉に擦られ、痛みと快感が同時に湧いた霧島は、喉の奥で呻きを押し殺した。目前の華奢なうなじに舌を這わせて唇で挟み、きつく吸い上げる。
 その間も京哉を扱き続ける右手は、零れた透明の蜜で濡れ始めていた。

「僕だけ、こんな……あっ、ふ……恥ずかしい、かも」
「恥ずかしくなんかあるものか。綺麗で……京哉、そうして私を追い詰めるのだな」
「忍さんこそ、僕をこんなに……ああんっ、お願い……貴方に触りたい!」

 手を緩めると京哉は身を返して霧島の帯を解く。露わになった霧島の中心も京哉を欲しがって濡れていた。普段と変わらぬ涼しい表情ながら、今は灰色の目が京哉にだけ分かる悪戯っぽい笑みを浮かべている。

 熱い霧島に触れた京哉は張り詰めた硬さに思わず息を吸い込んだ。次には握って脈打つ太さに喉を鳴らす。自分を欲してやまない年上の愛し人を優しく扱き、跪いて先端を口に含んだ。

「くっう、あ、そこは……京哉っ……くっ!」

 温かく柔らかな口腔粘膜に包まれ、舌先を先端に差し込まれて、霧島は思考が蒸発するような快感に襲われる。京哉の巧みな舌づかいに翻弄され、耳に綿を詰め込まれたように一瞬で世界の何もかもが遠ざかった。
 きつく唇で扱かれ太い茎に舌を巻きつけられて、快感の奔流に負けて腰を突き上げないよう耐えるだけで必死となる。

 だが我慢も限界となり霧島は半ば我を忘れて腰を上下させ始めた。しかし愛しい年下の恋人に苦しい思いをさせたくなくて腰も僅かに揺らめかせるだけだ。それだって苦しいだろうに京哉は合わせて唇で扱いてくれる。舌で擦られ唇で扱かれて霧島は堪らず呻いた。

「あっ、く……京哉、京哉、ああっ……だめだ、くうっ!」
「んんぅ……っん、んんっ!」

 溢れる蜜をピチャピチャと舐め啜られ、敏感な処をねぶり擦られ、霧島は浅く速い吐息を繰り返した。内腿に触れるさらりとした黒髪の感触や白く整った顔で太いものを咥え込む京哉の淫らな美しさにまで追い上げられる。
 ふいに背筋を絶頂感が駆け上がってきて霧島は京哉を引き離そうとするが京哉は咥えた霧島を許そうとしない。

「京哉……あっ、あ……もう、いく、出すぞ、っく!」

 堪えきれずに京哉の口の中に溢れさせてしまう。何度も身を震わせて放った大量のものを京哉は全て嚥下し、先端に滲んだものまで扱いて舐め取りやっと離れた。

「はあっ、はっ……すまない、京哉」
「いいんです。それより忍さん、すっごい」

 これもいつものことながら一度放つ前より霧島は滾らせ反り返らせている。京哉の唾液で濡れ光り揺れもしないほど張り詰めていた。
 婀娜っぽいような灰色の目で京哉を見ると充血した己を親指で指す。

「どうだ、欲しいだろう?」
「ええ。中に、下さい……今日も一番奥まで。壊して、いいから」
「するたびに怪我をさせられん。頼むから煽るな、満足させてやるから」

 苦笑しつつ霧島は細い躰から巻きついたままの帯と浴衣を剥ぎ取り、自分も全てを脱ぎ捨てた。京哉を押し倒し組み敷いて華奢な首筋から鎖骨に顔を埋める。
 上気した肌を舐め上げては吸い上げて赤く鬱血させた。互いの熱いものが擦れ合い、濡れ混じって糸を引く。欲しがる証しが互いに愛しい。

 霧島は右手で自分と京哉を交互に扱くと零れた蜜を絡めた指で京哉の背後を探る。敏感な色づきに指が届くとゆっくり指先で嬲った。
 中指の先を何度か抽挿入して翻弄したのちに、滑らかな動きで長い指を奥まで潜らせた。小刻みに指を震わせては抉るように内襞を掻き、指の腹で円を描いてはすうっと粘膜を擦る。

 途端に寒気のような快感に襲われて、京哉はビクビクと身を揺らし声を洩らした。

「やあん、ああんっ! そこは、あっ、あっ……はぅん!」

 長い指に犯されて京哉は抑えようもなく高い喘ぎを放ってしまう。防音性など期待できないに等しい室内で恥ずかしく思うも止められない。
 内襞に指先を立てられ優しく掻き回されて眩暈のような快感に酔い、逞しい長身にしがみついた。なお指で楽器のように鳴かされる。

「そこ、そこっ! あっ、ふ、忍さん、そこ……お願い、やぁん!」

 捩るように指を動かされて一際高く喘いだ京哉は霧島の背に爪を立てた。嫌と言いつつ淫らな躰は増やされた指をいとも容易く咥え込む。

 京哉だって自分が何をされているのかは分かった。でも太すぎる霧島を受け入れるには通常の準備では足らないというのも知っている。だからこんな思い切り羞恥を煽る淫らなこじ開け方をされているのだ。

 だが長い指で嬲られる快感も堪らなく好きだった。本当に眩暈を起こすほど気持ちいいのだ。それだけで達してしまうことすらある。年上の愛し人のテクニックは怖いくらいだった。

 更に長い指で存分に感じさせられたあとは霧島自身に貫かれるのである。その事実がより大きな快感を期待させて細い腰は勝手に悶え前後し始めていた。

 やがて霧島が白く華奢な躰に咥え込ませていた数指を抜く。
 右手をそのまま京哉の目前に翳して見せた。優しく微笑みながら霧島が指を広げ、ぬめって糸を引く様子を京哉は見せつけられる。
 頬に血が上ったが京哉にもどうしようもない。

 長い指の刺激で躰が勝手に反応し分泌してしまうのだ。だが前からも雫が垂れるほど蜜が溢れているのに、後ろもこんなに濡れてしまっているのかと思うと、やはり自分は相当な淫乱なのかと霧島の顔さえ見られなくなる。すると珍しく霧島が声を上げて笑った。

「どんなお前も私は好きだが、淫らなお前は魅入られそうに美しい。大好きだぞ?」

 言うなり霧島は京哉をすくい上げてきちんと寝かせ、その細い足の間に割って入る、そして押し入ってきた霧島はいつにも増して激しく、切ない目をしていた。

 傷つけないよう優しく、だが体内を暴風雨のように荒れ狂う攻めに耐えた京哉は珍しく大柄な身を重ねてきた霧島を抱き締めた。
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