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遠藤近頼の章2 日本一のハーレム男
第134話 総選挙
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とある日、代表を決める選挙の開票をすることとなった。
厳格に行うために各拠点の主要人物と、新しく合流した新人たちが集まり待機している。
「じゃあ鍵を開けます」
どこからか確保して来た、選挙用のジュラルミンボックスがみんなの真ん中に置いてある。鍵は俺が持たされており、これまで俺だけがジュラルミンボックスに近づく事が出来なかった。投票に関しては幹部は一切関与しないというルールになっていたが、ゆるーい環境なので話し合いなんかが持たれたかもしれない。
カチャっという音と共に、南京錠が空いた。
紙に一人の名前だけを書いて入れてあるはずだ。
「ゴクリ」
俺が唾をのむ。どんな結果がここに出るのか…俺の予想では菜子様の名前が一番多いと思う。偉い人が長になるのならば誰も文句は言わないような気がする。
「では」
ジュラルミンボックスの隣にいる畑部未華と、新しく合流して子供を産んだ美桜、そしてもっと新しいメンバーから選ばれた永田芽郁が開票する事になる。
俺が何か細工しないように、ジュラルミンボックスから離された。
「では読み上げます」
畑部未華が言う。美桜がジュラルミンの中から紙を取り出して、永田芽郁に渡した
「遠藤近頼さん」
う!一票目から俺の名前が出て来た!だが有名人がいるんだ、俺のはたまたま一発目に出て来ただけだ。
再び美桜が紙をとりだして永田芽郁に渡す。
「遠藤近頼さん」
えっ!さすがに2人連続だと周りもざわついた。たまたま俺の名前が呼ばれたのだと思いたい。
「では次に移ります」
畑部未華が言う。
再び美桜が永田芽郁に渡す。
「……」
「どうしました?」
「遠藤近頼さん」
シーンとする。三回連続はさすがに驚いたようだ。新しい参加組の少なくとも三人は俺の名前を書いたという事だ。
「本当ですか?」
俺がつい聞くと、永田芽郁は紙に書かれた名前を俺に見せる。
「確かに」
「とにかく次に移りますね」
未華が言った。
「は、はい」
俺が選挙を止めてはいけない。今まで不正が無いようにみんなが一生懸命やってくれた結果だ。
「では」
美桜が紙をとりだし永田芽郁に渡す。
「遠藤近頼さん」
するとみんなが納得したような雰囲気を出し始めた。幹部の皆が参加していないというのに、ここまで俺の名前が重なるという事はどういう事だろう。確かに皆と話をした事があるし…まてよ…皆と話をした事があるのって俺だけじゃね?
結果、百何人いる中で九十五人が俺の名前を書いた。菜子様が七人と里奈が六人他ちょろちょろと居るだけだった。
開票が終わり未華が言う。
「開票の結果、代表は遠藤さんに確定しました」
「は、はい…」
俺は正直自信がなかった。今まで年長者がこの組織を仕切って来たが、これからは俺が決定権を持ってやって行かなければならない。
だが…いいかもな。
俺はそう思った。ここの所ずーっと平和に暮らさせられ、適度な運動をして美味しい物を食べ、女をあてがわれて種付けを行う。だがこれからは俺が種付けをやめようと言えばやめれるし、皆と同じ食事にしようと言えばそうなる。
「遠藤さん。それではみなさんに挨拶をして下さい」
未華に言われ俺は皆の前に立った。
「えっと…みんないつも大変な思いをしていると思います。物資の回収に人命救助、厳しい状況を生き残ってこの組織に合流した人、不本意ながら俺の子を産まざるを得なかった人、そしてこれからの事も凄く不安だと思います。こんな俺が皆の代表としてやって行く事を、皆が希望していたという事を知り身が引き締まる思いです。俺の考えは基本平等という事です。皆が幸せになれる方法をこれまで通り推し進めていく形になると思いますが、ぜひ皆さんご協力のほどよろしくお願いします」
パチパチパチパチパチ。皆の拍手がおこる。
「やっぱりなるべくしてなったわね」
華江先生が言う。
「はあ…なんかこうなっちゃいましたね」
「実は、私がなんとなくリーダーみたいな位置づけになってて、プレッシャーだったのよね。どちらかというと研究に没頭したかったから」
「せ、先生…」
「先生の言うとおりだと思う。やっぱりこの組織は近頼を中心に回ってるのだから、こうあるべきだと思うわ」
優美も言う。
「優美…」
「私も正妻とか言われて、かなりの責任がかかっていたから、ちょっとホッとしたのよ。もちろんそばで支えるからね、近頼」
「わかったありがとう」
「遠藤さんが、どんどん決めて行っていいと思います」
栞が言う。
「頑張ってみるよ」
「じゃあ早速、副代表を決めなきゃね」
里奈が言った。
「俺が考えている副代表は二人さ。今回俺の次に投票数の多かった、菜子と里奈にお願いする」
「代表者は絶対ですからね、従います」
「私も微力ながら協力します」
菜子様と里奈が言う。
「基本ルールは遠藤さんの決定は絶対。それで良かったですか?」
美桜が言う。
「基本ルールはそうよね?遠藤君が決める事だけど」
「まあ俺が言うルールが絶対という事であれば、これからそれも含めて基本ルールを策定していこうと思う。法律というとちょっと堅苦しいけど、規律を作ってそれを破れば罰則もあるような形になると思います」
「「「「「異議なし」」」」」
場のみんなが答えた。
俺は生まれてからこのかた目立った事は無かった。もちろん長なんて学級委員長すらなった事がない。会社でもまだ平社員だったし、それがいきなり一族の長となってしまった。
だがこれは自然な事だったかもしれない。言ってみればライオンの群れのオスのようなものだろう。俺はこのことで、この群れを守るという自覚が生まれるのだった。
厳格に行うために各拠点の主要人物と、新しく合流した新人たちが集まり待機している。
「じゃあ鍵を開けます」
どこからか確保して来た、選挙用のジュラルミンボックスがみんなの真ん中に置いてある。鍵は俺が持たされており、これまで俺だけがジュラルミンボックスに近づく事が出来なかった。投票に関しては幹部は一切関与しないというルールになっていたが、ゆるーい環境なので話し合いなんかが持たれたかもしれない。
カチャっという音と共に、南京錠が空いた。
紙に一人の名前だけを書いて入れてあるはずだ。
「ゴクリ」
俺が唾をのむ。どんな結果がここに出るのか…俺の予想では菜子様の名前が一番多いと思う。偉い人が長になるのならば誰も文句は言わないような気がする。
「では」
ジュラルミンボックスの隣にいる畑部未華と、新しく合流して子供を産んだ美桜、そしてもっと新しいメンバーから選ばれた永田芽郁が開票する事になる。
俺が何か細工しないように、ジュラルミンボックスから離された。
「では読み上げます」
畑部未華が言う。美桜がジュラルミンの中から紙を取り出して、永田芽郁に渡した
「遠藤近頼さん」
う!一票目から俺の名前が出て来た!だが有名人がいるんだ、俺のはたまたま一発目に出て来ただけだ。
再び美桜が紙をとりだして永田芽郁に渡す。
「遠藤近頼さん」
えっ!さすがに2人連続だと周りもざわついた。たまたま俺の名前が呼ばれたのだと思いたい。
「では次に移ります」
畑部未華が言う。
再び美桜が永田芽郁に渡す。
「……」
「どうしました?」
「遠藤近頼さん」
シーンとする。三回連続はさすがに驚いたようだ。新しい参加組の少なくとも三人は俺の名前を書いたという事だ。
「本当ですか?」
俺がつい聞くと、永田芽郁は紙に書かれた名前を俺に見せる。
「確かに」
「とにかく次に移りますね」
未華が言った。
「は、はい」
俺が選挙を止めてはいけない。今まで不正が無いようにみんなが一生懸命やってくれた結果だ。
「では」
美桜が紙をとりだし永田芽郁に渡す。
「遠藤近頼さん」
するとみんなが納得したような雰囲気を出し始めた。幹部の皆が参加していないというのに、ここまで俺の名前が重なるという事はどういう事だろう。確かに皆と話をした事があるし…まてよ…皆と話をした事があるのって俺だけじゃね?
結果、百何人いる中で九十五人が俺の名前を書いた。菜子様が七人と里奈が六人他ちょろちょろと居るだけだった。
開票が終わり未華が言う。
「開票の結果、代表は遠藤さんに確定しました」
「は、はい…」
俺は正直自信がなかった。今まで年長者がこの組織を仕切って来たが、これからは俺が決定権を持ってやって行かなければならない。
だが…いいかもな。
俺はそう思った。ここの所ずーっと平和に暮らさせられ、適度な運動をして美味しい物を食べ、女をあてがわれて種付けを行う。だがこれからは俺が種付けをやめようと言えばやめれるし、皆と同じ食事にしようと言えばそうなる。
「遠藤さん。それではみなさんに挨拶をして下さい」
未華に言われ俺は皆の前に立った。
「えっと…みんないつも大変な思いをしていると思います。物資の回収に人命救助、厳しい状況を生き残ってこの組織に合流した人、不本意ながら俺の子を産まざるを得なかった人、そしてこれからの事も凄く不安だと思います。こんな俺が皆の代表としてやって行く事を、皆が希望していたという事を知り身が引き締まる思いです。俺の考えは基本平等という事です。皆が幸せになれる方法をこれまで通り推し進めていく形になると思いますが、ぜひ皆さんご協力のほどよろしくお願いします」
パチパチパチパチパチ。皆の拍手がおこる。
「やっぱりなるべくしてなったわね」
華江先生が言う。
「はあ…なんかこうなっちゃいましたね」
「実は、私がなんとなくリーダーみたいな位置づけになってて、プレッシャーだったのよね。どちらかというと研究に没頭したかったから」
「せ、先生…」
「先生の言うとおりだと思う。やっぱりこの組織は近頼を中心に回ってるのだから、こうあるべきだと思うわ」
優美も言う。
「優美…」
「私も正妻とか言われて、かなりの責任がかかっていたから、ちょっとホッとしたのよ。もちろんそばで支えるからね、近頼」
「わかったありがとう」
「遠藤さんが、どんどん決めて行っていいと思います」
栞が言う。
「頑張ってみるよ」
「じゃあ早速、副代表を決めなきゃね」
里奈が言った。
「俺が考えている副代表は二人さ。今回俺の次に投票数の多かった、菜子と里奈にお願いする」
「代表者は絶対ですからね、従います」
「私も微力ながら協力します」
菜子様と里奈が言う。
「基本ルールは遠藤さんの決定は絶対。それで良かったですか?」
美桜が言う。
「基本ルールはそうよね?遠藤君が決める事だけど」
「まあ俺が言うルールが絶対という事であれば、これからそれも含めて基本ルールを策定していこうと思う。法律というとちょっと堅苦しいけど、規律を作ってそれを破れば罰則もあるような形になると思います」
「「「「「異議なし」」」」」
場のみんなが答えた。
俺は生まれてからこのかた目立った事は無かった。もちろん長なんて学級委員長すらなった事がない。会社でもまだ平社員だったし、それがいきなり一族の長となってしまった。
だがこれは自然な事だったかもしれない。言ってみればライオンの群れのオスのようなものだろう。俺はこのことで、この群れを守るという自覚が生まれるのだった。
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