128 / 139
橋本里奈の章
第128話 未成年
しおりを挟む
あれから2年の月日が流れた。今までのペースで時おり生存者も見つける事が出来た。最年少は14歳の女の子、小学校の時にこんな世界になり何とか生きて来たらしい。両親はすでに死に、生存者たちと身を寄せ合って生きて来たという経緯を持っている。
「ずいぶん増えたよね。」
「うん。」
私はあゆみと一緒に子供たちの面倒をみながら言う。私たちが子供の面倒を見る当番で、麻衣先生(ここが保育園化しているためそう呼ばれている。)の下で子供の面倒を見ている。
助けた最年少の14歳の女の子は美桜ちゃんという名前だった。今はその子も一緒に子供たちの面倒を見ていた。
「美桜ちゃん、若いよねー。」
「うん、若い若い。」
私とあゆみが言っていると、麻衣先生がジロッとこっちを見た。
「あら?あなた達だって十分若いわよ。」
「でも彼女は14歳ですよ。」
「里奈ちゃんだってまだ23でしょ?」
「まあそうですけど…なんかそう言っちゃいますよ。」
「年齢の話題はここでは良いけど、みんながいるところでは禁句だわ。」
麻衣さんがそう言う…それもそうだ。助けた人の中には華江先生より年上の人もいたし、あまり大声で話す事じゃない。
「すみません。」
「ごめんなさい。」
私とあゆみが謝る。
「まあ言っちゃったら言っちゃった、でいいと思うけどね。」
麻衣さんがいたずらっぽく笑う。
「あの、里奈さん。」
「なあに美桜ちゃん。」
美桜ちゃんが恥ずかしそうに話してくる。
「里奈さんは女優なのに、一般の見知らぬ男性と…その…。」
美桜ちゃんが口ごもった。もちろん言いたいことがなにか分かる。遠藤さんとの事を話したいのだろう。
「うん、もちろん葛藤はあったよ。でも私は生きたかった、ただそれだけかな。」
「そうなんですね。」
美桜ちゃんは複雑な表情で黙り込んだ。
「いいんだよ。嫌なら嫌で、遠藤さんだってもう28歳になるし美桜ちゃんとは年が離れすぎてる。」
「あの人は優しいし嫌いじゃないんですけど…。」
「美桜ちゃん、里奈の言う通りだよ。美桜ちゃんがいいと思えばいいし、嫌ならしなくてもいいんだよ。」
「は、はい。」
14歳になったばかりの彼女にはとても受け入れがたい話なのだろう。
きゃきゃっ
わーい!
それ!
私たちの周りで子供たちが元気に遊んでいる。上の子達はもう5歳になっていた。麻衣先生の教えのおかげできちんと下の子の面倒を見たりしている。私の息子も元気に遊びまわっていた。
「本当に人が増えたからね。最初は遠藤さんと栞さん二人で、私たちが合流して華江先生達に会って。」
「あれよあれよという間に、子供も合わせて50人くらいになっちゃったわね。」
麻衣さんが言う。
「ですよね。」
「日本を探せば、まだまだ生存者っているんでしょうね。」
「いると思うわ。」
麻衣さんはてきぱきと赤ちゃんのオシメを変えながら話す。そう言う私ももう一人の子のオシメを変えながら話していた。
「皆さん不安ではないですか?」
美桜ちゃんが言う。
皆が少し黙る。
「もちろん不安はあるわ。」
「そうね。私は不安しかなかった。」
「大人の私でも不安はあるわよ。」
私とあゆみ、麻衣さんが言う。
「子供たちの将来を考えると怖くて。」
「なるほどね。それ、私も思ったわ。だって子供を産んだ時はまだ10代だったし。」
「私も。」
「でもね美桜ちゃん。このまま滅ぶより、不安を抱えて生き続けられる事の方がずっと幸せ。私はそう思って子供を産んだわ。死滅していく地球で生きる不安なんてもちろんある、でも不安な気持ちを抱えられるって生きてるって事じゃない?」
「…よくわかりません。」
「だよね。それはそれでいいと思う。」
「だね、私も里奈と同じ。悩めるって事は生きてるって事だから、生きれるって本当にうれしいと思うし。しかも遠藤さんの能力を受け継いだ子供達がこんなにいる。」
「能力ですか…。」
美桜ちゃんはそう言って黙ってしまった。
「未来は誰にも分からない。でも私たちは恐らくこの世界でとても恵まれている環境にいると思う。もちろんこうなる前の世界の方が良かったかもしれない、でも生き続ける意味を考える事なんて無かった。今はずっと考え続けている。女優なんてやってた頃は生きる意味なんてぼんやりしていたわ。でも今はハッキリわかる、私たちは何かの使命をもって生きているんだって。」
「あ!里奈ちゃん!」
麻衣さんが言うので私が手元を見ると…
ちょろーっ
小さいモンスターちゃんから、おしっこが飛び出して来た。私は話に夢中になりすぎておむつを替える手がおろそかになっていたらしい。
「わわっ!」
私は急いでおむつをかぶせて、おしっこが飛ぶのをおさえた。赤ちゃんがおしっこを、し終えたようなのでナップで拭いてあげて、新しい紙おむつをはかせてあげた。
「はいもういいよー。」
すると私がおむつを取り換えていた男の子がハイハイをしていく。先には栞さんが待っていて抱っこして連れて行くのだった。
「じゃあ次は君ね。」
私は隣の子のおむつを替え始める。
「美桜ちゃん、おむつってね…あ、違った…命ってね‥ぷっ」
私が続きを話はじめて、そうだいに噛んでしまった。
「ぷっ」
「あはははははは。」
「うふふふふふふ。」
「ははは。」
つい命とおむつを言い間違ってしまった。私が吹き出すとつられてみんなが笑う。美桜ちゃんも笑ってくれているので安心した。
「美桜ちゃん、命ってみんな意味があると思うのよ。そしてこんな凄い力を持っている命って、絶対大きな意味を持つと思う。この地球の人間が生き残るための意味とか、そんな使命があるんじゃないかって…まあ勝手に思ってるわ。」
私は次の子のうんちを拭きながらそんなことを言っている。
「はい。」
「あらあら、いっぱいしたねー!いっぱい食べたんだねー!」
私はうんちを拭きとって新しいおむつを履かせる。
「えっとどこまで言ったっけ?」
「地球の人間が生き残る使命。」
「そうそう、この子達はそれを背負って生きているんだと思う。その能力を持たない私たちは、彼らが成人するまで大切に育てるだけ。それは私が女優で大成功する事なんかより、もっと大きなことだって思ったんだ。女優で大成功するなんて、この子達を育てる事よりちっぽけなことよ。」
今の言葉で美桜ちゃんの目に少し火が灯ったように思えた。
「おおー、注目されていた女優さんが言うと重みがちがうわー。」
あゆみが茶化す。
「本当だわ。冗談じゃなく里奈ちゃんが言うと重いわね。」
「そんなことないですよ。皆がやってる事だから。」
「あの…里奈さん。またお話を聞かせてください。」
「もちろん!いつでもいいわ。」
美桜ちゃんはそう言うと、栞さん達がいる方へと歩いて行く。美桜ちゃんはまだ14歳なので物資回収には連れて行ってもらえない。いつも子供達と遊ぶ仕事を任されていた。もしかしたらつまらないと思っているのかもしれなかった。
だけどその歩いて行く背中はさっきとは違っているように見えた。
「ずいぶん増えたよね。」
「うん。」
私はあゆみと一緒に子供たちの面倒をみながら言う。私たちが子供の面倒を見る当番で、麻衣先生(ここが保育園化しているためそう呼ばれている。)の下で子供の面倒を見ている。
助けた最年少の14歳の女の子は美桜ちゃんという名前だった。今はその子も一緒に子供たちの面倒を見ていた。
「美桜ちゃん、若いよねー。」
「うん、若い若い。」
私とあゆみが言っていると、麻衣先生がジロッとこっちを見た。
「あら?あなた達だって十分若いわよ。」
「でも彼女は14歳ですよ。」
「里奈ちゃんだってまだ23でしょ?」
「まあそうですけど…なんかそう言っちゃいますよ。」
「年齢の話題はここでは良いけど、みんながいるところでは禁句だわ。」
麻衣さんがそう言う…それもそうだ。助けた人の中には華江先生より年上の人もいたし、あまり大声で話す事じゃない。
「すみません。」
「ごめんなさい。」
私とあゆみが謝る。
「まあ言っちゃったら言っちゃった、でいいと思うけどね。」
麻衣さんがいたずらっぽく笑う。
「あの、里奈さん。」
「なあに美桜ちゃん。」
美桜ちゃんが恥ずかしそうに話してくる。
「里奈さんは女優なのに、一般の見知らぬ男性と…その…。」
美桜ちゃんが口ごもった。もちろん言いたいことがなにか分かる。遠藤さんとの事を話したいのだろう。
「うん、もちろん葛藤はあったよ。でも私は生きたかった、ただそれだけかな。」
「そうなんですね。」
美桜ちゃんは複雑な表情で黙り込んだ。
「いいんだよ。嫌なら嫌で、遠藤さんだってもう28歳になるし美桜ちゃんとは年が離れすぎてる。」
「あの人は優しいし嫌いじゃないんですけど…。」
「美桜ちゃん、里奈の言う通りだよ。美桜ちゃんがいいと思えばいいし、嫌ならしなくてもいいんだよ。」
「は、はい。」
14歳になったばかりの彼女にはとても受け入れがたい話なのだろう。
きゃきゃっ
わーい!
それ!
私たちの周りで子供たちが元気に遊んでいる。上の子達はもう5歳になっていた。麻衣先生の教えのおかげできちんと下の子の面倒を見たりしている。私の息子も元気に遊びまわっていた。
「本当に人が増えたからね。最初は遠藤さんと栞さん二人で、私たちが合流して華江先生達に会って。」
「あれよあれよという間に、子供も合わせて50人くらいになっちゃったわね。」
麻衣さんが言う。
「ですよね。」
「日本を探せば、まだまだ生存者っているんでしょうね。」
「いると思うわ。」
麻衣さんはてきぱきと赤ちゃんのオシメを変えながら話す。そう言う私ももう一人の子のオシメを変えながら話していた。
「皆さん不安ではないですか?」
美桜ちゃんが言う。
皆が少し黙る。
「もちろん不安はあるわ。」
「そうね。私は不安しかなかった。」
「大人の私でも不安はあるわよ。」
私とあゆみ、麻衣さんが言う。
「子供たちの将来を考えると怖くて。」
「なるほどね。それ、私も思ったわ。だって子供を産んだ時はまだ10代だったし。」
「私も。」
「でもね美桜ちゃん。このまま滅ぶより、不安を抱えて生き続けられる事の方がずっと幸せ。私はそう思って子供を産んだわ。死滅していく地球で生きる不安なんてもちろんある、でも不安な気持ちを抱えられるって生きてるって事じゃない?」
「…よくわかりません。」
「だよね。それはそれでいいと思う。」
「だね、私も里奈と同じ。悩めるって事は生きてるって事だから、生きれるって本当にうれしいと思うし。しかも遠藤さんの能力を受け継いだ子供達がこんなにいる。」
「能力ですか…。」
美桜ちゃんはそう言って黙ってしまった。
「未来は誰にも分からない。でも私たちは恐らくこの世界でとても恵まれている環境にいると思う。もちろんこうなる前の世界の方が良かったかもしれない、でも生き続ける意味を考える事なんて無かった。今はずっと考え続けている。女優なんてやってた頃は生きる意味なんてぼんやりしていたわ。でも今はハッキリわかる、私たちは何かの使命をもって生きているんだって。」
「あ!里奈ちゃん!」
麻衣さんが言うので私が手元を見ると…
ちょろーっ
小さいモンスターちゃんから、おしっこが飛び出して来た。私は話に夢中になりすぎておむつを替える手がおろそかになっていたらしい。
「わわっ!」
私は急いでおむつをかぶせて、おしっこが飛ぶのをおさえた。赤ちゃんがおしっこを、し終えたようなのでナップで拭いてあげて、新しい紙おむつをはかせてあげた。
「はいもういいよー。」
すると私がおむつを取り換えていた男の子がハイハイをしていく。先には栞さんが待っていて抱っこして連れて行くのだった。
「じゃあ次は君ね。」
私は隣の子のおむつを替え始める。
「美桜ちゃん、おむつってね…あ、違った…命ってね‥ぷっ」
私が続きを話はじめて、そうだいに噛んでしまった。
「ぷっ」
「あはははははは。」
「うふふふふふふ。」
「ははは。」
つい命とおむつを言い間違ってしまった。私が吹き出すとつられてみんなが笑う。美桜ちゃんも笑ってくれているので安心した。
「美桜ちゃん、命ってみんな意味があると思うのよ。そしてこんな凄い力を持っている命って、絶対大きな意味を持つと思う。この地球の人間が生き残るための意味とか、そんな使命があるんじゃないかって…まあ勝手に思ってるわ。」
私は次の子のうんちを拭きながらそんなことを言っている。
「はい。」
「あらあら、いっぱいしたねー!いっぱい食べたんだねー!」
私はうんちを拭きとって新しいおむつを履かせる。
「えっとどこまで言ったっけ?」
「地球の人間が生き残る使命。」
「そうそう、この子達はそれを背負って生きているんだと思う。その能力を持たない私たちは、彼らが成人するまで大切に育てるだけ。それは私が女優で大成功する事なんかより、もっと大きなことだって思ったんだ。女優で大成功するなんて、この子達を育てる事よりちっぽけなことよ。」
今の言葉で美桜ちゃんの目に少し火が灯ったように思えた。
「おおー、注目されていた女優さんが言うと重みがちがうわー。」
あゆみが茶化す。
「本当だわ。冗談じゃなく里奈ちゃんが言うと重いわね。」
「そんなことないですよ。皆がやってる事だから。」
「あの…里奈さん。またお話を聞かせてください。」
「もちろん!いつでもいいわ。」
美桜ちゃんはそう言うと、栞さん達がいる方へと歩いて行く。美桜ちゃんはまだ14歳なので物資回収には連れて行ってもらえない。いつも子供達と遊ぶ仕事を任されていた。もしかしたらつまらないと思っているのかもしれなかった。
だけどその歩いて行く背中はさっきとは違っているように見えた。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
【完結】身売りした妖精姫は氷血公爵に溺愛される
鈴木かなえ
恋愛
第17回恋愛小説大賞にエントリーしています。
レティシア・マークスは、『妖精姫』と呼ばれる社交界随一の美少女だが、実際は亡くなった前妻の子として家族からは虐げられていて、過去に起きたある出来事により男嫌いになってしまっていた。
社交界デビューしたレティシアは、家族から逃げるために条件にあう男を必死で探していた。
そんな時に目についたのが、女嫌いで有名な『氷血公爵』ことテオドール・エデルマン公爵だった。
レティシアは、自分自身と生まれた時から一緒にいるメイドと護衛を救うため、テオドールに決死の覚悟で取引をもちかける。
R18シーンがある場合、サブタイトルに※がつけてあります。
ムーンライトで公開してあるものを、少しずつ改稿しながら投稿していきます。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
【R18】【BL】執着白ヒョウに好きな女の子を奪われ、捕食されたハリネズミの話
ペーパーナイフ
BL
ハリネズミのケモミミであり、男子高校生のロンはいじめっ子で白ヒョウのハクが嫌いだった。
中学生になり、彼が転校したことで縁は切れたはずだった。なのにまた日本に戻ってくるなんて…。イケメンな彼はクラスの人気者だけどなぜか俺ばかりに執着する。
そんなとき俺が密かに思いを寄せる女の子、ウサミちゃんの存在が彼にバレてしまい…。
「ロン、全部忘れるぐらい気持ちよくしてやる」
注意⚠
男女のカップルが登場します。
攻めが女の子と付き合います(接触なし)
エロ濃いめR18(リバ、妊娠なし)
自慰、挿入、本番あり
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
ポンコツ女子は異世界で甘やかされる(R18ルート)
三ツ矢美咲
ファンタジー
投稿済み同タイトル小説の、ifルート・アナザーエンド・R18エピソード集。
各話タイトルの章を本編で読むと、より楽しめるかも。
第?章は前知識不要。
基本的にエロエロ。
本編がちょいちょい小難しい分、こっちはアホな話も書く予定。
一旦中断!詳細は近況を!
【R-18】踊り狂えその身朽ちるまで
あっきコタロウ
恋愛
投稿小説&漫画「そしてふたりでワルツを(http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/630048599/)」のR-18外伝集。
連作のつもりだけどエロだから好きな所だけおつまみしてってください。
ニッチなものが含まれるのでまえがきにてシチュ明記。苦手な回は避けてどうぞ。
IF(7話)は本編からの派生。
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる