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鍛冶武者修行に出ますが何か!(海竜街編)
第弐百弐拾五話 歓迎の言葉をいただきましたが何か!
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短いですが、切が良いので・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ようこそ人魚族の島へ、私は貴方のお世話を担当している者で『フォルテ』と言います。貴方のお名前をお聞きしてもいいかしら♪」
「そうか、此処は人魚族の島なのか・・・おっと、すまない。俺の名は津田驍廣。どうやら君達に助けて貰ったようだな。ありがとう。」
今にも俺にトライデントを振りかざして突っ込もうとする若い男を制し、この場を沈めてくれた『フォルテ』と名乗る女性の問い掛けに俺は軽く頭を下げながら返答すると、フォルテは顎に人差し指を付け考える素振りを見せながら、
「津田驍廣さんね。名前だけ聞くと獣王国出身の方なのかな?とも思うけれど、獣王国には亜人の人って少ないし・・・あっ、ごめんなさいね。あまり詮索されたくないかもしれないけれど、ここ人魚族の島は常に外敵に狙われているのよ。島の安全のためにも少し素性を確かめさせてもらっていいかしら?
勿論、言いたくない事は言わなくてもいいけれど、嘘はつかないでね。」
と再び尋ねられたのだが、その際に今まであまり感じた事の無い力の波動のような物を感じた。
が、それは特に俺を害しようとするような力には感じられず、一瞬ピクリと体が反応してしまったが微かな反応の留められたおかげで、彼女や背後に控えるピアと呼ばれた少女やトライデントを持つアッチェルと呼ばれた少年が俺の反応を見て何か感じているようには見えなかった。
「素性かぁ・・・籍はリンドブルム街に置いているが、野暮用でレヴィアタン街に来ていて、たまたま乗っていた船から落ちて、この島に流れ着いたってところだろうか。」
「ふ~ん、『偶々乗っていた船から落ちて』・・・ちょっと引っかかるけど嘘は言っていない様ね♪」
フォルテは俺の言葉に僅かな違和感を感じる様な事を言いつつも、笑顔で嘘はついていないと言ってくれた。その言葉に事の成り行きを見守っていたピアとアッチェルも俺が害意をもって島に来たのではなく、流れ着いた遭難者だったと確認できたのかホッとしたように表情を緩ませた。
そんな二人にフォルテは優しげな苦笑を浮かべ、その笑顔と共に先ほど感じた力の波動が消えた。
「・・・疑いは晴れたのか?何かしていた様だが。」
不用意な一言に、一瞬にしてフォルテ達三人に緊張が奔った。
「あ、貴方、私の術を感じ取っていたの?そんなまさか・・・」
驚きと共に緊張した表情を浮かべるフォルテ。ピアとアッチェルも体を強張らせ、アッチェルなどは手にしてたトライデントの穂先を再び俺の方に向け威嚇しようとしたが、その事に気が付いたフォルテは手でその動きを制した。そんな三人の反応に俺は苦笑しながら、
「確かに何かしらの力が働いていたのは感じたが、それがなんだったのかまでは分からなかった。不用意な発言を発してしまって申し訳ない。」
と告げて頭を下げると、フォルテは困ったような顔をして、
「その様に頭を下げられては私の方が困ってしまうわ・・・この際だから正直に言うわね。貴方がさっき感じた物は私の声を媒介とした精霊術なの・・」
「「フォルテ!」」
話し始めたフォルテの言葉を遮る様にピアとアッチェルが悲鳴にも似た声を上げた。しかし、フォルテは二人の方を見て肩を竦め、
「今更隠しても、この人に余計な不信感を与えるだけよ。言ったでしょこの人は守手長よりも気量があるって。この人が本気を出したら誰も止められないわ。そんな人に不信感を与えるより、きちんと話してしまった方が得策よ。
ごめんなさい、話の途中で。それで・・・」
俺は話を続けようとするフォルテの前に手をかざし、
「いや、無理に話す事は無い。それぞれ抱える事情というものがあるだろうからな。それに、俺への疑いは晴れたのだろ?だったらそれで十分だ。
大体、俺は島に流れ着いたところを助けられた方なんだから、君達に感謝こそすれ迷惑を掛けようと思っている訳じゃ無いからな。」
と苦笑を浮かべると、フォルテも後ろの二人も俺の言葉と表情にようやく力を抜き安堵の表情を浮かべた。
「・・『ありがとう』今はそれだけ言わせて。そして、ようこそ人魚族の島『ゼーメッシュ』へ。歓迎させてもらうわ津田驍廣さん。」
笑顔と共に歓迎の言葉を貰う事が出来た。
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「ようこそ人魚族の島へ、私は貴方のお世話を担当している者で『フォルテ』と言います。貴方のお名前をお聞きしてもいいかしら♪」
「そうか、此処は人魚族の島なのか・・・おっと、すまない。俺の名は津田驍廣。どうやら君達に助けて貰ったようだな。ありがとう。」
今にも俺にトライデントを振りかざして突っ込もうとする若い男を制し、この場を沈めてくれた『フォルテ』と名乗る女性の問い掛けに俺は軽く頭を下げながら返答すると、フォルテは顎に人差し指を付け考える素振りを見せながら、
「津田驍廣さんね。名前だけ聞くと獣王国出身の方なのかな?とも思うけれど、獣王国には亜人の人って少ないし・・・あっ、ごめんなさいね。あまり詮索されたくないかもしれないけれど、ここ人魚族の島は常に外敵に狙われているのよ。島の安全のためにも少し素性を確かめさせてもらっていいかしら?
勿論、言いたくない事は言わなくてもいいけれど、嘘はつかないでね。」
と再び尋ねられたのだが、その際に今まであまり感じた事の無い力の波動のような物を感じた。
が、それは特に俺を害しようとするような力には感じられず、一瞬ピクリと体が反応してしまったが微かな反応の留められたおかげで、彼女や背後に控えるピアと呼ばれた少女やトライデントを持つアッチェルと呼ばれた少年が俺の反応を見て何か感じているようには見えなかった。
「素性かぁ・・・籍はリンドブルム街に置いているが、野暮用でレヴィアタン街に来ていて、たまたま乗っていた船から落ちて、この島に流れ着いたってところだろうか。」
「ふ~ん、『偶々乗っていた船から落ちて』・・・ちょっと引っかかるけど嘘は言っていない様ね♪」
フォルテは俺の言葉に僅かな違和感を感じる様な事を言いつつも、笑顔で嘘はついていないと言ってくれた。その言葉に事の成り行きを見守っていたピアとアッチェルも俺が害意をもって島に来たのではなく、流れ着いた遭難者だったと確認できたのかホッとしたように表情を緩ませた。
そんな二人にフォルテは優しげな苦笑を浮かべ、その笑顔と共に先ほど感じた力の波動が消えた。
「・・・疑いは晴れたのか?何かしていた様だが。」
不用意な一言に、一瞬にしてフォルテ達三人に緊張が奔った。
「あ、貴方、私の術を感じ取っていたの?そんなまさか・・・」
驚きと共に緊張した表情を浮かべるフォルテ。ピアとアッチェルも体を強張らせ、アッチェルなどは手にしてたトライデントの穂先を再び俺の方に向け威嚇しようとしたが、その事に気が付いたフォルテは手でその動きを制した。そんな三人の反応に俺は苦笑しながら、
「確かに何かしらの力が働いていたのは感じたが、それがなんだったのかまでは分からなかった。不用意な発言を発してしまって申し訳ない。」
と告げて頭を下げると、フォルテは困ったような顔をして、
「その様に頭を下げられては私の方が困ってしまうわ・・・この際だから正直に言うわね。貴方がさっき感じた物は私の声を媒介とした精霊術なの・・」
「「フォルテ!」」
話し始めたフォルテの言葉を遮る様にピアとアッチェルが悲鳴にも似た声を上げた。しかし、フォルテは二人の方を見て肩を竦め、
「今更隠しても、この人に余計な不信感を与えるだけよ。言ったでしょこの人は守手長よりも気量があるって。この人が本気を出したら誰も止められないわ。そんな人に不信感を与えるより、きちんと話してしまった方が得策よ。
ごめんなさい、話の途中で。それで・・・」
俺は話を続けようとするフォルテの前に手をかざし、
「いや、無理に話す事は無い。それぞれ抱える事情というものがあるだろうからな。それに、俺への疑いは晴れたのだろ?だったらそれで十分だ。
大体、俺は島に流れ着いたところを助けられた方なんだから、君達に感謝こそすれ迷惑を掛けようと思っている訳じゃ無いからな。」
と苦笑を浮かべると、フォルテも後ろの二人も俺の言葉と表情にようやく力を抜き安堵の表情を浮かべた。
「・・『ありがとう』今はそれだけ言わせて。そして、ようこそ人魚族の島『ゼーメッシュ』へ。歓迎させてもらうわ津田驍廣さん。」
笑顔と共に歓迎の言葉を貰う事が出来た。
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