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第11話

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家に着いてからレティシアは姉から離れずにベッタリとくっついていた。

居るはずの場所に荷物だけが置き去りになっていたのが結構なトラウマになってしまったようだ。



片時も離れたくないと駄々をこねたレティシアは、久しぶりにソフィアと共に一緒にお風呂へ入った。



「ねぇ、レティ」



「なぁに?お姉ちゃん?」



モコモコに泡立てた泡で身体を洗いながらソフィアはレティシアに話しかけた。

湯船に浸かりながらアヒルの玩具をプカプカ浮かべて遊んでいたレティシアは話しかけられそちらに目を向けると、水に濡れた2つの大きな膨らみが艶めかしい姉の姿が目に入る、どうしてあんなに大きいのに腰は細いのか、まるで謎である。

いつか自分も成長するのだろうか…姉とは5つ離れているが5年経っても、あんな風に育つとは思えないと自分の胸元をつい見てしまった…きっと食べる物も一緒だから育つ筈と心の中で祈った。



「今日団長さんに助けて頂いたお礼をしたいのだけど…何が良いかしら?」



そんな事を妹が考えているとは露知らないソフィアはずっと、今日あった事のお礼を考えていたみたいだ。



「んー…………………団長さんに直接聞いてみる?」



この前姉が荷物を持って貰った時はお菓子を作り渡したが、今回はどうしたものだろうか?と悩み最終的に本人に直接聞いたら良いという結論がレティシアの頭の中で出された答だった。





 











※※※※※※※※※※※※※













次の日、様子を見に来る様にお昼の営業が始まったと同時に来店したルイス。

レティシアは団長さんが来店したと厨房にいる姉を呼ぶと直ぐにソフィアは飛んできた。



「団長さん、昨日はありがとうございました。」



「気にする事はない、それより本当に怪我などはなかったな?」



深々とお辞儀をして礼を言うソフィアを気遣うようにルイスは声をかけた。昨日は緊張状態だった為に怪我をしていたとしても痛みに気が付かない場合があるので心配して会いに来たのだ。



「はい、それで何かお礼をしたいのですけど…」



「嫌、俺は職務を全うしただけなので礼など…」



「駄目…ですか?」


ルイスはあの日、警邏隊と共に平民街の治安維持の為の見回りを行いっていた。

その時にあの事件を目撃していた住人から通報を受けたのだ、つまり自分は仕事を全うしただけだからそんな気にしなくても良いと言いたいのだが

彼女の縋る様な潤んだ瞳に決心が少し揺らいだ



「うっ…………嫌しかし………………



………だったら…その、今度結婚する部下がいるのだが、何を送れば良いのか分からないので何か助言を…」



礼は要らないという決心は揺らいだが、荷物を持った時とは違い何か物を貰う訳にはいかない

この間結婚すると言っていた部下に送る物を決めかねていたので何か助言を貰えるだけで良いと言おうとしたらキラキラした目でソフィアが思いついた様に話す。



「でしたら、今度お休みが合う日にご一緒にプレゼントを選びにお出かけしませんか?」



「え……一緒に?お出かけ?」



思っていた方向と違うソフィアの言葉にルイスが面を食らった。



「はい、ご迷惑でなければですけど」



「嫌…迷惑ではないが」



最終的にソフィアの上目使いに負けたルイスは1週間後共に出掛ける約束をしたのであった。















そして【まんぷく亭】の営業時間も終わり、姉妹は2階の住居スペースでのんびりとした時間を過ごしていた。



ソフィアに用事があったレティシアは姉の部屋を訪ねドアをノックして開けると、そこには色々な洋服を並べて考え事をしている様子のソフィアがいた。



「お姉ちゃん…デートに行くの?」



「あら、レティ来てたのね!デートじゃないわよ?団長さんとちょっとお出かけするだけよ」



妹に話しかけられるまで部屋に人が入ってきたのが分からない程に熱中してソフィアは洋服を手にしてアレでもないコレでもないと自分の身体に当てて見るを繰り返している。



「…………男女が一緒に出掛ける、それをデートと言わずして何がデートなの?」



「どうしたの?」



「ううん、何でもないよ!それよりお洋服選んでるの?」



「そうなの…何を着ていこうか悩んでいるのだけど…レティも一緒に考えてくれない?」



「うん!良いよ」




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