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結界

魔道具

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「はぁー。今度はなんだ?」


「魔力をなにかの道具に溜めておくことってできないの?」


「〔魔道具〕を作るということか?」


「〔魔道具〕?」


「左様。その名の通り魔法の道具だ。我のいた世界では高価な売り物だった。そのため、帝国政府の許可なしで魔道具を作れば罪に問われていた。」


「でも、魔力を込めれば魔道具になるんじゃないの?」


「魔力に耐えられる物がとても少なかったのだ。例を挙げるとすればドラゴンの心臓や、ダンジョンの奥深くにある魔石などだな。それ故に重宝されていたのだ。」


「じゃあ要するに、耐久力を増やせばいいんだよね?」


「そんな魔法は存在しない。」


「この世界の魔法を創るのは誰だっけ?」


「まさか?!」


「そのまさか。」


「この指輪でいっか。よし!〔ドゥラビリティ〕。」

シーーーン……

「…変化なし?」


「いや、微かに魔力を感じる。さっきの魔力を入れてみろ。」


「え?あ、うん。」

シューーーーー……

「うわ、すんごい吸い込んでる。」


「全く。本当に愛梨は常識外れだな。だが、これで用意は整ったな。」


「そういえば、なんでウルはサフィアを作ってくれって言ったの?」


「それは卵を魔法で創れるのか試させてもらったのと、この先必ず争いが起こるだろうことを予想して戦力を増やすためだ。
   ドラゴンは成長するにつれて強くなっていくからな。
そのため早めに創り出した方がいいのだ。」


「でも、それなら私が創らなくても、ウルが創れば良かったんじゃないの?」

〈おかげで死にかけたし〉

「いや、我では卵を創るための魔力が圧倒的に足りぬ。そのために愛梨に創ってもらうことにしたのだ。」


「なら込めるべき魔力の量を言ってくれれば良かったのに。」


「魔力量は口頭では教えられぬだろう?それに、さっきも言ったが我の魔力では教えられるほどの量は無いのだ。」


「それならそうと言ってくれれば魔力分けてあげたのに…」


「すまなかった。だが、愛梨は明日のためにその指輪にしっかり魔力を溜めておけ。」


「はーいはい。分かってますよーだ!」


バタン


「全く。あやつといったら…母君が過保護になるのも分かるわ。
 あの時のことがあるからか、母君が自分のことをとても心配しているのが分からんのだろうな。鈍いな…」
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