3 / 61
彼女に告白されるまでの話。
彼女
しおりを挟むユニークとの会話による僕の感覚麻痺の間も、彼女と話す時間は増えていった。
丁度、彼女が授業で必要な絵を描く時期になった。
そして、彼女の描く絵は僕の好みドストライクだった。
感覚が麻痺した僕は、「好き」と言う言葉を素直に彼女に送った。
好きと言っても、僕に恋愛的感情を持たないだろうと安心しきっていたんだ。
そして、徐々に増えていく彼女の絵。それによって加速していく僕の素直すぎる褒め言葉。
さらに、僕が麻痺していった。
彼女が寝る間も惜しんで絵を描きすぎて意味がわからない等、自分を少し自虐する様に言えば、僕は「そんな君の絵がとても好きだよ。楽しいならもっとやれ。」等の、彼女を応援しつつ好きだと伝えるようになった。・・・ユニークと、話すようなノリで。
そして、これは携帯上でほぼ毎日のように行われた。
加えて、現実では相変わらず距離感幼稚園児並みなのだ。
僕の手が暖かかったせいか、彼女が僕の手をカイロ代わりに使うようになった。
まぁ、彼女だけではないのだが。
特に彼女とはユニークと違い現実で会う時間が多かった。というか、授業以外ほぼ一緒にいた。と言ってもゲーム仲間とも一緒にだ。だが、特に通学路はほぼ2人の時間が多かった。
そのせいか、その2人の時間によく握手(というか、カイロ代わりというか)をするというか、される様になった。
そして、休日遊びに行く約束をしてしまった。
偶然にも、彼女とよく遊びに行っていた駅が被っており、彼女がその駅でやる祭りの話をしたのだ。
僕は、軽いノリで行きたいと言った。
この頃になると、僕が行きたいと言う場所に、彼女は「ゲーム仲間達と?」と答えていた。
だから、今回もその流れになると踏んでいたのだ。
だが、考えが甘かった。
その祭りがあるのは翌日。
この話をしたのは帰り道。
共通の友達は県外から来る人や地元が遠い人が多かった。
つまり、気軽に翌日の予定に誘える人がいなかった。
こうして、少しの不安を抱えた彼女とのお出掛けは予想以上に楽しく終わった。
そして、僕の中で
“彼女と出掛ける=楽しい”
と言う式ができてしまった。
更に、それがあったせいか、彼女がよくいじられているせいか、少し可哀想なくらい頼られまくっているせいか…なんというか、可哀想だから僕は心を開いておこうくらいの気持ちで、彼女からの差し入れだけは断らずに貰うようになった。というか、「食べて」と押されたら、頷く様になった。
ここで、おなじみになってきた僕のそれまでを説明する。
ゲーム仲間内では、よくお菓子が横行していた。
しかし、僕は人前で食べるのも、人に貰うのも好きではなかったので、[そもそもお菓子を持ってこない。][貰いそうになる→断る]を繰り返して、すっかり僕は人にものを貰わないで定着していた。
それが、餌付け成功と言わんばかりに彼女に貰うものは食べる様になった。
そこから少しづつ
持ってくる。断らない。
をする生活になっていくんだが、割愛する。
さて、こうやって冷静に客観視する事で最初に僕の頭を埋め尽くした問題について話を戻そう。
僕は何を間違えたのか。
どこで間違えたのか。
答えは、書いたこと全てだ。
僕の感覚が麻痺してしまった事。
一緒に出かけてしまった事。
異性という概念を忘れて心を開いてしまった事。
他にもきっと、僕の考えが及ばないところでミスが重なったんだろう。
だから、彼女に異性として認識されてしまった。
だから、告白されてしまった。
逃げ道を塞がれてしまった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる