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テル王子視点⑦

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「おまえ!王子も道ずれにしろ!」

 そんな外道な注文を公爵夫人にする。こいつの配偶者となったばかりにお気の毒なものだとため息をつく。

 だが公爵当主外道の影に隠れて公爵夫人の親戚と共に甘い汁をすすっていたのも本当のこと。

「そうはさせないよ」

 剣で一気に首を切る。これは慈悲だ。無知で哀れで全て操られることしか出来なかった公爵夫人への。あともう少しで公爵夫人の親戚も捕まるはず。覚悟して欲しい。今度は夫人みたいに容赦しない。

 そんな惨状が他の使用人達にバレずに五日間程公爵当主をいたぶりあの子の居場所をわざわざはかせた。これがあの子への復讐にもなるだろう。

 なぜ他の使用人達にバレないかって?それは根回しして偽造した文書で今日から全ての使用人に休暇を与えるというものを今日通知したからだ。デタラメだがこちらにはその手のことが得意な奴がいる。そんなこと造作もない。

 誰もいないこの屋敷で公爵当主の断末魔が響いたとか響いてないとか

「終わったよ!フリックス」
「そうですか。それはようございましたね。こちらは国王陛下に怒られましたけどね」

 僕の本性を知っているにも関わらず恐れもせず僕に嫌味を言ってくるこの男こそ文書を偽造した奴だ。実は結構有能で文書の最終的にたどり着く立場にいる。つまり文官の中では一番偉い。だからこそ僕をあまり恐れないわけだ。権力的にではなくこの男は最初から爵位はあったものの自分の力で宰相の地位にたどり着いた奴だ。僕でも侮れないと認める男。なんでそんな奴がこんな非人道的なことに協力しているかは後で話そう。

 今はあの子が先だ。

 軽やかな足でほっほっと身軽に隠し部屋への階段を降りていく。一面、石でできておりあの子の環境は最悪だろう。可愛くなっているかなっと声を出す。その様子をフリックスは趣味が悪いと毒を吐きながら少し離れて後ろから着いてくる。

「ここに隠し部屋があるよ!」


ーーーーー
間違えて公開してしまいました。
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