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24話 試験

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 あっという間に一週間が経ち試験を受ける日となった。一応形式上のもので学園を卒業している私にとってはなんてことの無いもの。

「受験票を確認致します」
「はい。お願いします」

 受験票を職員に渡して学園の中に入る。五歳位の背になっている私にとって学園の全ての物が大きく感じる。本当は六歳からの入学だが特待生制度を利用しているということで幼い優秀な子が入ってくるは珍しくはない。この学園に通っていたものの前髪を伸ばしていたため私の顔を知るものはいない。小さくなっているとなると余計気付かれないと思う。

 試験会場に向かうと私と同じくらいの小さい子達が本にかじりついて勉強している。家紋が着いている服を着ている子をよく見かける。あれは貴族の支持を受けた子供。優しい貴族ならいいが大体の貴族は自分達のいいように子供を動かす。学費が免除になる特待生制度は最後の砦なのだ。ここで受かれば貴族に指図されない自由な生活をおくれる。幼いながらも必死なのだと思う。

 将来、平民にも自分が望む未来のための自由な学習がおくれるようにしたい。

「試験を始めます」

 開始の鐘がなる。一斉に紙とペンの音が聞こえる。特待生制度の試験だとしてもほとんど学年トップを維持していた私にとっては簡単な問題だった。

「試験やめ」

 ペンをおく。全問正解だと思う。周りを見てみると悔しがる子、泣いてしまう子がいた。幼いながらも色々なものを背負っているのですね。いつかこの現状を変えたいです。そのためにこの申し出をしたのですから。貴族の生活しか知らないで援助だけしてもダメ。平民の暮らし、そして差別を身をもって体験してそれからその経験をもって良いものをやりたい。

 まずは平民の友達を作ります。
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