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3話 国王陛下の優しさ

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「━━━━っおい!聞いているのか!」
「...えっはい」
「お前にはネアをいじめた罪で追放を言い渡す!」

 呆然と立ち尽くした。ウィリアム王子が仰っているは多分建前だろう。本音は容姿が醜いから...容姿が整っているネア令嬢の方がいいからなのだろう。もう諦めて受け入れよう。その方がいい。

「分かりましたわ。そういうことでし「何事だ!」」
「父上!」
「お義父さま」

 一言残して出ていこうとした時ウィリアム王子の後ろの扉が開き凛々しい声が聞こえる。そこは今日の主役が出てくる扉。実は今日、王太子任命式なのだ。主役は私の目の前にいる第一王子なのだが先に出てしまっているが...。

「お義父さま?そんな者知らん。皆様、今宵は来て下さりありがとうございます。こちらに不手際があったようで申し訳ない。予定を変更し料理と音楽を先に用意させるので皆様楽しんでください」

 その声にハッとする。そう、ここには王太子任命式を祝うために参列したこの国の貴族だけではなく他国の要人等もいるのだ。こんなところで騒ぎになってはこの国の悪評が広まってしまう。私はなんてことをしてしまったの。体が思わず震えてしまう。

 国王陛下が指示を出すとすぐに音楽が演奏を始めそちらに注意がむくとゆっくりこちらを向いて話し始めた。

「ロアナ、どうして泣いているんだ?」

 予想とは違ったいつも通り優しい声色で安心した。それよりも私は涙を流しているらしい。次期王妃として相応しくない...次期王妃では無い。次期王妃はネア令嬢でした。本当に努力が無駄になってしまったようね。次々と目から涙が落ちてくる。父上と母上に愛想を尽かされてしまうでしょう。

「私の娘がどうした?」


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