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2歳
101話
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あの言葉を告げられた後どうやって帰ったか覚えていない。いつの間にか次の日の朝になっていた。
試験がある。俺はこの世界ではまだ2歳なのもあり勉強を一切していない。推薦だけで通るのかと安易な気持ちで承諾したがやっぱりあるよな。何事もそんなうまい話はない。
「父上、お話があります」
俺は公爵の仕事部屋に来ていた。入ってすぐのところにある机には山積みの書類がおかれている。それを忙しそうに埋もれながら手を動かしている様子が目に入る。申し訳ないと思いながら急ぎの用事だからと声をかけるとこちらを向き少し口角をあげる。最近視察やらなんやらで忙しそうで疲れていたから俺の姿をみて少しでも癒されてくれ。
「今、仕事がひと段落ついたところだ。座りなさい」
山積みになった書類を見ながら嘘だろうなと思いながら机の前にあるソファーに腰を掛ける。少し遅れて公爵が正面が開いているにもかかわらず隣に座ってくる。いつもなら兄が阻止してくれるが今は市場視察でいない。だれも止めてくれる人がいないのだ。俺が公爵の妻に似ているからなのか二人きりになるとうざい位デレるのだ。迷惑なことこの上ない。まぁ今の時間帯だと書類を届けにいろいろな人が来るだろう。
「どうしたんだ?」
「僕の飛び級入学の話は知っていますか?」
「あぁ、だがリオは魔法が使えないからなしとした気がする」
昨日決めてきたのだから伝わっていないのも無理もない。それにまだ審査中だろうし。
「エリオット王子に僕の魔力弾を見てもらったらもしかしたら入学できるかもしれないとのことです。昨日話しました」
「そうか。エリオット王子がいっていたのだろ。これはもう確定に近い。試験はいつだ?間に合わせるように勉強の計画を組む」
「…一週間後です」
間に合うのか不安で下を向きながら言う。
「大丈夫だ。ハルに教えてくれるように言っておく」
そういって壁に垂れている紐を引っ張る。すぐにノックの音が部屋に響く。公爵家ともなると使用人のレベルも違うようだ。
「お呼びでしょうか。旦那様」
試験がある。俺はこの世界ではまだ2歳なのもあり勉強を一切していない。推薦だけで通るのかと安易な気持ちで承諾したがやっぱりあるよな。何事もそんなうまい話はない。
「父上、お話があります」
俺は公爵の仕事部屋に来ていた。入ってすぐのところにある机には山積みの書類がおかれている。それを忙しそうに埋もれながら手を動かしている様子が目に入る。申し訳ないと思いながら急ぎの用事だからと声をかけるとこちらを向き少し口角をあげる。最近視察やらなんやらで忙しそうで疲れていたから俺の姿をみて少しでも癒されてくれ。
「今、仕事がひと段落ついたところだ。座りなさい」
山積みになった書類を見ながら嘘だろうなと思いながら机の前にあるソファーに腰を掛ける。少し遅れて公爵が正面が開いているにもかかわらず隣に座ってくる。いつもなら兄が阻止してくれるが今は市場視察でいない。だれも止めてくれる人がいないのだ。俺が公爵の妻に似ているからなのか二人きりになるとうざい位デレるのだ。迷惑なことこの上ない。まぁ今の時間帯だと書類を届けにいろいろな人が来るだろう。
「どうしたんだ?」
「僕の飛び級入学の話は知っていますか?」
「あぁ、だがリオは魔法が使えないからなしとした気がする」
昨日決めてきたのだから伝わっていないのも無理もない。それにまだ審査中だろうし。
「エリオット王子に僕の魔力弾を見てもらったらもしかしたら入学できるかもしれないとのことです。昨日話しました」
「そうか。エリオット王子がいっていたのだろ。これはもう確定に近い。試験はいつだ?間に合わせるように勉強の計画を組む」
「…一週間後です」
間に合うのか不安で下を向きながら言う。
「大丈夫だ。ハルに教えてくれるように言っておく」
そういって壁に垂れている紐を引っ張る。すぐにノックの音が部屋に響く。公爵家ともなると使用人のレベルも違うようだ。
「お呼びでしょうか。旦那様」
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