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1歳
16話
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兄の力が抜けて枕に頭を打ち付ける。
「ハル様、お医者様をお連れいたしました」
扉のノックを無視して執事が後ろに初老の男性を連れている。手には救急箱のようなものを持っていることから初老の男性が医者なのだろう。
ノックを無視した無礼を咎める暇もなくまた苦しみ出す。俺は先ほどより強く手を握る。
「失礼いたします」
そう一言いうと俺が座っている方と逆のところに座り兄を見始める。紺色のパジャマを脱がし手でとんとんと優しく叩きながら探っていく。優しく叩いているにも関わらず兄の苦しそうな声が部屋中に響き渡る。
「これは毒の摂取じゃな。もうなされているんで?」
「はい。ハル様は次期当主として3歳の頃から毒の摂取をなされています」
マーサと俺は驚愕した。じゃあ俺も2年後毒の摂取を...。精神年齢が大きい俺ですら恐怖を覚える。4歳の兄にはより恐怖を感じただろう。
「今日から毒の段階を上げるとハル様の乳母から聞いております」
医者が少し考え込む。
「本来の摂取量より大分多く摂取されているんじゃ。専門の者がいるはずだがそれはどうしたのかの?」
「ハル様の乳母は子爵家の令嬢で子爵家に専門家がいるからと。その代わり給料を上乗せしております」
かっと目を見開いた。そして慌てて救急箱の中から資料を取り出す。
「その子爵家の名前を!早く!」
「ハル様、お医者様をお連れいたしました」
扉のノックを無視して執事が後ろに初老の男性を連れている。手には救急箱のようなものを持っていることから初老の男性が医者なのだろう。
ノックを無視した無礼を咎める暇もなくまた苦しみ出す。俺は先ほどより強く手を握る。
「失礼いたします」
そう一言いうと俺が座っている方と逆のところに座り兄を見始める。紺色のパジャマを脱がし手でとんとんと優しく叩きながら探っていく。優しく叩いているにも関わらず兄の苦しそうな声が部屋中に響き渡る。
「これは毒の摂取じゃな。もうなされているんで?」
「はい。ハル様は次期当主として3歳の頃から毒の摂取をなされています」
マーサと俺は驚愕した。じゃあ俺も2年後毒の摂取を...。精神年齢が大きい俺ですら恐怖を覚える。4歳の兄にはより恐怖を感じただろう。
「今日から毒の段階を上げるとハル様の乳母から聞いております」
医者が少し考え込む。
「本来の摂取量より大分多く摂取されているんじゃ。専門の者がいるはずだがそれはどうしたのかの?」
「ハル様の乳母は子爵家の令嬢で子爵家に専門家がいるからと。その代わり給料を上乗せしております」
かっと目を見開いた。そして慌てて救急箱の中から資料を取り出す。
「その子爵家の名前を!早く!」
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