弟に逆らえない皇帝は軟禁されています

二話 お仕置きの恐怖

「うん」

　豪華な皇帝の衣装のまま床に足を畳んで座る。奴隷のような指示をされ奴隷のように素直にきく皇帝。笑えるよね。

　しばらくして痺れてきてどうしても足が崩れそうになった時手についてる魔道具が赤く光る。命令違反でお仕置きという合図だ。これは弟に昔贈られたもので実用的な防御魔法から僕を縛るためだけに拘束魔法、さっきのような僕が命令違反をした時に弟に信号がいく機能なんかもついている弟自作の魔道具だ。弟はあらゆる分野において天才なんだ。それに比べて俺はどれも平凡だった。だから年齢差も無視して僕は弟に絶対服従させられている訳だ。

　帰ってきてからのお仕置きが怖い。何回も幼い時からされているものの怖いことは変わりない。

「兄さんただいま。約束守れなかったんだって？」
「う、うん。ごめんなさい」
「いいよいいよ」

　軽く笑い飛ばす。もしかしたら今日はすごく機嫌の良い日なのかもしれない。上目で様子を伺う。

「やっぱり兄さん可愛いな。お仕置きしよっか」
「んっ」

　顎をすりすりと猫を撫でるようになでくすぐったくなる。そしてお仕置きにまた恐怖する。

「今日はお仕置きやめて欲しい」
「ダメだよ」

　勇気を振り絞ってした懇願もすぐに却下される。膝に置く手にぎゅっと力が入り汗が滲む。

「兄さん、口ごたえしたからそれもお仕置きしようね」
「やだ！やだ！やだ！助けて！誰か」