266 / 278
第七章:プリンセス、物語を紡ぐ(仮)
(21)普通の御休憩のつもりだったのですが?☆
しおりを挟む
「ちょっと!?」
「何じゃ今更気にする事もあるまい? 其方と妾の仲ではないか」
どんな仲なのよ!? 前世はともかく今世ではそんな関係じゃっーー!?
あーっっもうっっ!! 今の今までのんびりとした空気感のお茶会だったのにっーー!?
「ちょっ、ちょっと!? ホントにダメだっんぁっ!?」
上着の裾から入り込んだクアラの手が敏感な部分を擽り声が漏れた。腐っても天空王、私の素のステータスでは振り払うことが出来ない。まるで男と女、いいえそれ以上の力の差で抱き抱えられ弄られる。
「此処が良いのか? どれどれ……」
「あっ、やめーー」
エ□オヤジみたいな事を言いながらもクアラの攻撃の手は緩まない。
「ん……ぁん……ンクゥッ!?」
「敏感じゃのう……。くくく……」
あぁッッ!? 今世ではえっちなのから離れすぎてたから堪えられないっっ!? 体から力が抜けて甘い疼きが……。
「しかしエ□い体じゃのう。素肌の手触りなど格別じゃぞ。これならば彼奴らが色に狂うのも頷けようものじゃ……妾とて理性を奪われるかもしれぬのう……」
「だ、だっ……たら……やめ、な、さいよっ!」
「そうは言うが其方の体は求めておるのではないか? 本気で嫌ならば如何様にも逃れられるであろう? それをせぬのか出来ぬのかはわからぬが、つまりはそういう事であろう?」
「ち、ちがう! そんな事なぁぁん……ンクゥッ……ぁ、ぁ……ぃゃぁっ……」
痺れる様な甘い疼きが私の体から自由を奪い去る。カリカリと敏感な部分を擽るクアラの指先が濡れた音をたてるまでそう時間はかからなかった。
「此処も、彼処もいやらしく快楽を求めておるぞ。妾の指を喰い千切りそうではないか……」
「はぁん!? ま、待って、ダメぇ……わたし、初めて、だから……んぁっ!!」
「それは良いのう。ご主人様の初めては妾が貰ってやろう。なに気にする事はない。妾は男役も出来る故女の快楽を刻み込んでやろうぞ」
「ぃやぁッッ! 今度、こそは……キラリを幸せにして、あげたいの!! お願い、ゆる、して……」
何とか逃れようと必死にもがく。魔法を使ってでも。そう思うけれどクアラが許してくれない。いくら私でも無詠唱ーー発動キーなしで魔法は行使できない。彼女は的確に私の魔法発動を阻止してくる。
「ひやぁぁぁっっっ!!」
「逃げぬのか? ならば妾に体を許すと同意したという事じゃな。安心せい優しくしてやろうぞ……」
「んんッッ! や、めて……」
胸の先端とアソコを弄られて私の言葉は途切れ途切れ。拒絶の声ですらまるで誘っているかの様に甘く切ない響き。
ダメなのに……こんな事じゃダメなのに……それなのに体が動かない。桃色魔族である体が本能的に求めているのかもしれない。生きていくために呼吸をする事と同じようにえっちな事を求めているのかもしれない。
今世では随分と我慢をしてきた。キラリ姫にも幸せになって欲しいから……。そう思い体の求めを拒絶してきたのに、こんな所で……。
「ぃやぁぁぁっっ!!」
本心からの拒絶。誰か助けて。そんな想いがこもった悲鳴。私の口からそんな叫びが溢れた時、視界の端を黒い何かが過った。
「ーーふむ。クアラよそこまでにしておけ」
「妾の邪魔をする気か?」
「致し方あるまい。本気の拒絶だからな」
ガルム、さま?
漆黒の王子が美女の危機に駆けつける。それはまるで物語の一節の様で心がポッと暖かくなった。
「妾が拒否したら?」
「本気でやりあうか? この距離から?」
「……しょうがない奴じゃ。此処は妾が引いてやろう。お主とやり合う気はないからの。じゃがな、妾とて此奴に愛情を抱いておらぬ訳ではないぞ? いつも引いてやるとは限らぬからな?」
「それこそ我も同様だ。いざとなれば本気で動く」
「はぁっ……全くお主といい彼奴といいこの娘に執着し過ぎではないか? まだそうだと決まったわけではあるまい?」
「………………」
「まぁ良い。貸し一つじゃからな?」
するりとクアラの手が離れていく。力の抜けた体はそっとソファーに委ねられた。
「ぁ……」
すぐ側に立つ漆黒の執事が今は王子様に見えた。お礼を言いたいのに声が出ない。体が甘く痺れたままで力も入らない。
ガルム様が止めてくれなかったら私はきっとあのまま快楽の虜になっていただろう。この体はそういう風に出来ている。どれだけ心が拒絶しても種族としての本能の様な何かがその意思を握り潰してしまう。
そして一度快楽に身を委ねたらきっと二度と抗えない。それは過去が証明している。
……だって気持ちがいいんだもん。心の奥深くでは溺れたいという想いがあるくらいだ。だからこそ必死で触れない様にしてきたというのに……。クアラの所為で扉の鍵を開けてしまったかもしれない。
今後は一層の注意が必要だ。なにせもう扉に鍵はかかっていない……かもしれないのだから。
少しずつ、少しずつ、体の火照りと快楽に身を委ねたい衝動が薄れてきた。危なかった。本当に危なかった。あと少し遅かったら手遅れだっただろう事は明白で……ガルム様、本当にありがとうございます! 貴方様が居なかったら私はーー。
「………………んん?」
いや、待て待て。ちょっと待とうかキラリちゃん!? 今更のように気が付いた。ホント今更なんだけど、居たのよね、ずっと。彼ってばこの部屋に居たのよね……それこそいつでも止められるはずのポジションに……。
そうなのよ。居たのよ……。私がクアラに手籠にされている最中もずっとこの部屋に居たのよね……。
あぁっっ……。感謝の心が急速に萎んでいくわ。居たのよ。居たのよね!? だったらもっと早く止めなさいよ!? 何で彼処までヤられてるのに止めてくれないの!?
「何だその目は?」
「何だじゃないわよ! どうしてもっと早くに止めてくれなかったのよ!?」
「あの程度貴様ならば造作もないと思っていたのだが……何故か一向に払いのける様子がないから仕方なく介入したのだが?」
「くっ!!」
「それとも放っておいた方が良かったか? 我は貴様が肉欲の虜になろうと構わぬ。ただ見限れば良いだけだからな」
「ぅぬぬぬぬっっっ……」
きぃっっ!! 言い返したいのに言い返せないっ!! 確かに彼らは私の部下でも何でもない。気まぐれで側にいてくれるだけだから例え私が死ぬことになったとしても手を差し伸べる義務はない。ないのだけれど……。
「ガルム様の前でされたくなかったな……」
やっぱり男性の前でああいう痴態は勘弁してほしいと思うのは乙女心のなせる技なのだろうか? まぁそもそも人前でされたくないけれど……露出系はそれはそれで唆られてしまうダメな私がいたりもする。
あぁっ……。つくづく思うわ、桃色魔族って不憫……。
「……悪かった」
「え? 何がですか?」
何故急に? よくわからないけどガルム様がデレた!? ふっ。冗談よ。そんなチョロかったらどれだけ楽か。
さてと。気を取り直して勇者様達との話し合いの続きーー
「「「「………………」」」」
そうして私は扉の隙間から覗く四人分の目と見つめ合うことになったのだったーー。
「何じゃ今更気にする事もあるまい? 其方と妾の仲ではないか」
どんな仲なのよ!? 前世はともかく今世ではそんな関係じゃっーー!?
あーっっもうっっ!! 今の今までのんびりとした空気感のお茶会だったのにっーー!?
「ちょっ、ちょっと!? ホントにダメだっんぁっ!?」
上着の裾から入り込んだクアラの手が敏感な部分を擽り声が漏れた。腐っても天空王、私の素のステータスでは振り払うことが出来ない。まるで男と女、いいえそれ以上の力の差で抱き抱えられ弄られる。
「此処が良いのか? どれどれ……」
「あっ、やめーー」
エ□オヤジみたいな事を言いながらもクアラの攻撃の手は緩まない。
「ん……ぁん……ンクゥッ!?」
「敏感じゃのう……。くくく……」
あぁッッ!? 今世ではえっちなのから離れすぎてたから堪えられないっっ!? 体から力が抜けて甘い疼きが……。
「しかしエ□い体じゃのう。素肌の手触りなど格別じゃぞ。これならば彼奴らが色に狂うのも頷けようものじゃ……妾とて理性を奪われるかもしれぬのう……」
「だ、だっ……たら……やめ、な、さいよっ!」
「そうは言うが其方の体は求めておるのではないか? 本気で嫌ならば如何様にも逃れられるであろう? それをせぬのか出来ぬのかはわからぬが、つまりはそういう事であろう?」
「ち、ちがう! そんな事なぁぁん……ンクゥッ……ぁ、ぁ……ぃゃぁっ……」
痺れる様な甘い疼きが私の体から自由を奪い去る。カリカリと敏感な部分を擽るクアラの指先が濡れた音をたてるまでそう時間はかからなかった。
「此処も、彼処もいやらしく快楽を求めておるぞ。妾の指を喰い千切りそうではないか……」
「はぁん!? ま、待って、ダメぇ……わたし、初めて、だから……んぁっ!!」
「それは良いのう。ご主人様の初めては妾が貰ってやろう。なに気にする事はない。妾は男役も出来る故女の快楽を刻み込んでやろうぞ」
「ぃやぁッッ! 今度、こそは……キラリを幸せにして、あげたいの!! お願い、ゆる、して……」
何とか逃れようと必死にもがく。魔法を使ってでも。そう思うけれどクアラが許してくれない。いくら私でも無詠唱ーー発動キーなしで魔法は行使できない。彼女は的確に私の魔法発動を阻止してくる。
「ひやぁぁぁっっっ!!」
「逃げぬのか? ならば妾に体を許すと同意したという事じゃな。安心せい優しくしてやろうぞ……」
「んんッッ! や、めて……」
胸の先端とアソコを弄られて私の言葉は途切れ途切れ。拒絶の声ですらまるで誘っているかの様に甘く切ない響き。
ダメなのに……こんな事じゃダメなのに……それなのに体が動かない。桃色魔族である体が本能的に求めているのかもしれない。生きていくために呼吸をする事と同じようにえっちな事を求めているのかもしれない。
今世では随分と我慢をしてきた。キラリ姫にも幸せになって欲しいから……。そう思い体の求めを拒絶してきたのに、こんな所で……。
「ぃやぁぁぁっっ!!」
本心からの拒絶。誰か助けて。そんな想いがこもった悲鳴。私の口からそんな叫びが溢れた時、視界の端を黒い何かが過った。
「ーーふむ。クアラよそこまでにしておけ」
「妾の邪魔をする気か?」
「致し方あるまい。本気の拒絶だからな」
ガルム、さま?
漆黒の王子が美女の危機に駆けつける。それはまるで物語の一節の様で心がポッと暖かくなった。
「妾が拒否したら?」
「本気でやりあうか? この距離から?」
「……しょうがない奴じゃ。此処は妾が引いてやろう。お主とやり合う気はないからの。じゃがな、妾とて此奴に愛情を抱いておらぬ訳ではないぞ? いつも引いてやるとは限らぬからな?」
「それこそ我も同様だ。いざとなれば本気で動く」
「はぁっ……全くお主といい彼奴といいこの娘に執着し過ぎではないか? まだそうだと決まったわけではあるまい?」
「………………」
「まぁ良い。貸し一つじゃからな?」
するりとクアラの手が離れていく。力の抜けた体はそっとソファーに委ねられた。
「ぁ……」
すぐ側に立つ漆黒の執事が今は王子様に見えた。お礼を言いたいのに声が出ない。体が甘く痺れたままで力も入らない。
ガルム様が止めてくれなかったら私はきっとあのまま快楽の虜になっていただろう。この体はそういう風に出来ている。どれだけ心が拒絶しても種族としての本能の様な何かがその意思を握り潰してしまう。
そして一度快楽に身を委ねたらきっと二度と抗えない。それは過去が証明している。
……だって気持ちがいいんだもん。心の奥深くでは溺れたいという想いがあるくらいだ。だからこそ必死で触れない様にしてきたというのに……。クアラの所為で扉の鍵を開けてしまったかもしれない。
今後は一層の注意が必要だ。なにせもう扉に鍵はかかっていない……かもしれないのだから。
少しずつ、少しずつ、体の火照りと快楽に身を委ねたい衝動が薄れてきた。危なかった。本当に危なかった。あと少し遅かったら手遅れだっただろう事は明白で……ガルム様、本当にありがとうございます! 貴方様が居なかったら私はーー。
「………………んん?」
いや、待て待て。ちょっと待とうかキラリちゃん!? 今更のように気が付いた。ホント今更なんだけど、居たのよね、ずっと。彼ってばこの部屋に居たのよね……それこそいつでも止められるはずのポジションに……。
そうなのよ。居たのよ……。私がクアラに手籠にされている最中もずっとこの部屋に居たのよね……。
あぁっっ……。感謝の心が急速に萎んでいくわ。居たのよ。居たのよね!? だったらもっと早く止めなさいよ!? 何で彼処までヤられてるのに止めてくれないの!?
「何だその目は?」
「何だじゃないわよ! どうしてもっと早くに止めてくれなかったのよ!?」
「あの程度貴様ならば造作もないと思っていたのだが……何故か一向に払いのける様子がないから仕方なく介入したのだが?」
「くっ!!」
「それとも放っておいた方が良かったか? 我は貴様が肉欲の虜になろうと構わぬ。ただ見限れば良いだけだからな」
「ぅぬぬぬぬっっっ……」
きぃっっ!! 言い返したいのに言い返せないっ!! 確かに彼らは私の部下でも何でもない。気まぐれで側にいてくれるだけだから例え私が死ぬことになったとしても手を差し伸べる義務はない。ないのだけれど……。
「ガルム様の前でされたくなかったな……」
やっぱり男性の前でああいう痴態は勘弁してほしいと思うのは乙女心のなせる技なのだろうか? まぁそもそも人前でされたくないけれど……露出系はそれはそれで唆られてしまうダメな私がいたりもする。
あぁっ……。つくづく思うわ、桃色魔族って不憫……。
「……悪かった」
「え? 何がですか?」
何故急に? よくわからないけどガルム様がデレた!? ふっ。冗談よ。そんなチョロかったらどれだけ楽か。
さてと。気を取り直して勇者様達との話し合いの続きーー
「「「「………………」」」」
そうして私は扉の隙間から覗く四人分の目と見つめ合うことになったのだったーー。
0
お気に入りに追加
129
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
【R18】転生先のハレンチな世界で閨授業を受けて性感帯を増やしていかなければいけなくなった件
yori
恋愛
【番外編も随時公開していきます】
性感帯の開発箇所が多ければ多いほど、結婚に有利になるハレンチな世界へ転生してしまった侯爵家令嬢メリア。
メイドや執事、高級娼館の講師から閨授業を受けることになって……。
◇予告無しにえちえちしますのでご注意ください
◇恋愛に発展するまで時間がかかります
◇初めはGL表現がありますが、基本はNL、一応女性向け
◇不特定多数の人と関係を持つことになります
◇キーワードに苦手なものがあればご注意ください
ガールズラブ 残酷な描写あり 異世界転生 女主人公 西洋 逆ハーレム ギャグ スパンキング 拘束 調教 処女 無理やり 不特定多数 玩具 快楽堕ち 言葉責め ソフトSM ふたなり
◇ムーンライトノベルズへ先行公開しています
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる