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3章

ヒロインたちと温泉だと……? ジーク視点 幕間

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【ジーク視点】

「クソ……どうして爵位がもらえないんだよ」

 俺はガッカリしながら、寮の部屋に帰った。
 原作のシナリオなら、ジークは「騎士爵」をもらえるはずなのに……
 オリヴィアに言われた——「シークさんは何もしてないない」と。 

 (酷すぎるだろ……っ!)

 ヒロインのセリフじゃない。 
 優しいオリヴィアが、あんなこと言うはずない。
 
「アルフォンスに洗脳されたに違いない……!」

 アルフォンスか洗脳魔法でオリヴィアを操って、俺の爵位を奪ったのだ……

 (なんてヤツなんだ……アルフォンス)

 俺の想像を超える、悪党だ。
 紛うことなき悪……

「わかった……アイツの目的は——」

 俺から主人公の座を奪うことだ。
 自分が主人公に成り変わる……
 それがアルフォンスの真の目的。

「俺が主人公なのに……ふざけるなっ!」

 俺は絶対に主人公の座を奪わせない……っ!
 この世界の主人公はジークであり、この俺だ。

 ——ドンっ!

 俺は部屋の壁を拳で殴った。

「はあ、はあはあ~~っ! アルフォンス……絶対にお前を潰してやる!」

 拳に血が滲んだ……

 (イライラする……あっ!)

「今日のレギーネちゃんをチェックしよう!」

 俺は水晶を取り出す。
 今日のレギーネちゃんを見るのは、俺の楽しみだ。
 いろいろなレギーネちゃんを堪能したい……

「監視魔法、アクティベート……っ!」

 俺の監視魔法は、結界をすり抜ける。
 レギーネちゃんがどこにいても見守るために、強力な監視魔法を使っている。
 これもすべてレギーネちゃんのためだ。

「な、なんだ……この湯気は……お風呂か?」

 レギーネがお風呂にいる……

 ——ゴクリっ!

 俺は生唾を飲んだ。
 水晶の前に正座して、全力で待機する。

 (レギーネちゃんの御神体を拝める……っ!」

「あれ? 他にも女の子が……?」

 他のヒロインの声がするが……

 (これってまさか……?)

「温泉イベントか……っ!」

 温泉イベントは、全ルート共通で発生する。
 リーセリア、オリヴィア、レギーネと一緒に温泉に入るのだ。

 (俺が1番楽しみにしていたイベント……)

 この世界に転生した時からずっと、夢見ていた温泉イベント。
 3人のヒロインと温泉であんなことやこんなことを——

 だが、しかし。

 主人公ジークが楽しむはずの温泉イベントが、

 アルフォンスに奪われている……っ!

「嘘だろ……あり得ない!」

 アルフォンスが3人のヒロインに囲まれて、チヤホヤされて……
 ジークの代わりに、レギーネちゃんの裸を。

 ——ガンっ!

 俺は水晶を拳で叩く。
 床に水晶が転げ落ちた。

 (ふ、ふざけるな……っ!)

 俺は怒りで身体がブルブル震える。
 アルフォンスに奪われてしまった。
 主人公の大切なイベントを。

 だけど——

「オリヴィアの胸……デカいなあ。すげえいい……」

 オリヴィアとリーセリアの巨乳を見る俺。
 うん……いい乳してるな。
 しかし、俺が1番好きなのは——

「レギーネの貧乳、美しい……やっぱりこれぐらいの大きさが俺の好みだ!」

 未発達な若い果実。
 最高だ……

 (早くレギーネちゃんを食べたいな……っ!)

 ——ジュルリ。

 俺は思わず舌なめずりしてしまう。

「よし。今日もレギーネちゃんで楽しむか!」


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