34 / 58
2章
俺のヒロインたちが全部アイツのものに ジーク視点
しおりを挟む
【ジーク視点】
「すげえ……黒狼カルテルを一人で捕まえるなんて」
「アル様カッコいい……」
「学園で1番強いんじゃねえか?」
Aクラスの教室では、学園生たちが騒いでいた。
昨日、アルフォンスがアンジェリカ魔宝石店を襲った強盗を捕まえたらしい。
それが学園新聞の一面に、デカデカと載っている。
「クソ……っ! なんでモブが、主人公のイベントを奪ってるんだよ!」
黒狼カルテルの襲撃は、リーセリア√専用のイベントだ。
当然、主人公ジーク、レギーネ、リーセリアの3人でデート中に、発生するイベント。
2人のヒロイン(レギーネ、リーセリア)が、ジークを取り合うハーレム展開だ。
(俺はハーレム大好きなのに……っ!)
オリビィア王女殿下との一対一ラブコメもいいが、
レギーネとリーセリアのヒロインレースを見るのが好きだった……
レギーネは、ツンデレ幼馴染。
リーセリアは、お姉ちゃん系のヤンデレ。
どっちもジークがめっちゃくちゃ好きで、えっちなことをたくさんしてくれる。
「しかも、この指輪は……っ!」
俺は学園新聞の写真に目を凝らす。
アルフォンスの左手の薬指に、リヴァイアサンの指輪がある。
リヴァイアサンの指輪は、ジーク専用装備。
装備するだけで攻撃力を2倍にする、最強のステータスバフアイテムだ。
「なんでアイツが持ってるんだ……?」
リヴァイアサンの指輪は、リーセリアがジークと「婚約予約」するためにプレゼントする。
つまり、ジークへの愛の証。
「ヒロインも装備も、アルフォンスに取られた……」
ふざけるな。
ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな。
こんなの、絶対に、絶対に、おかしい。
この世界の主人公は、俺だ。
世界の中心であり、神のはず。
「やっと主人公になれると思ったのに……っ!」
俺はこのゲームを愛していた。
誰よりもやり込んだと自負している。
ドラマCDも買ったし、ヒロインのフィギュアも抱き枕も持っている。
ヒロインの声優さんにも、毎日毎日、Uwitterで応援のリプを送り続けた。
コミケで同人誌も売ったし、qixivで二次創作を上げまくっていた。
えっちシーンは何度も再生して、何度も「俺自身」をティッシュにぶちまけてきた。
声優のサイン会でも、「えっちシーン最高でした!」と握手しながら叫んだ。愛ゆえに。
「俺は……このゲームを愛してる」
なのに、
なのに、
なのに、
「俺の全てを、あのモブが奪っていく」
俺は学園新聞を握りしめる。
アルフォンスはもう、とっくに退場しているはず。
リーセリア√に入る前にオリビィアを襲って、ジークにボコられることになっていた。
「完全におかしい。アルフォンスには、絶対に何かある……」
アルフォンスは巧妙に、破滅を避けながら俺の地位を奪ってくる。
「絶対、殺さないと……っ!」
殺すしかない。
殺す、殺す、殺す。
俺の頭にはもう、「殺」しかない。
「冒険者ギルド派遣イベント……そこで殺るか」
「すげえ……黒狼カルテルを一人で捕まえるなんて」
「アル様カッコいい……」
「学園で1番強いんじゃねえか?」
Aクラスの教室では、学園生たちが騒いでいた。
昨日、アルフォンスがアンジェリカ魔宝石店を襲った強盗を捕まえたらしい。
それが学園新聞の一面に、デカデカと載っている。
「クソ……っ! なんでモブが、主人公のイベントを奪ってるんだよ!」
黒狼カルテルの襲撃は、リーセリア√専用のイベントだ。
当然、主人公ジーク、レギーネ、リーセリアの3人でデート中に、発生するイベント。
2人のヒロイン(レギーネ、リーセリア)が、ジークを取り合うハーレム展開だ。
(俺はハーレム大好きなのに……っ!)
オリビィア王女殿下との一対一ラブコメもいいが、
レギーネとリーセリアのヒロインレースを見るのが好きだった……
レギーネは、ツンデレ幼馴染。
リーセリアは、お姉ちゃん系のヤンデレ。
どっちもジークがめっちゃくちゃ好きで、えっちなことをたくさんしてくれる。
「しかも、この指輪は……っ!」
俺は学園新聞の写真に目を凝らす。
アルフォンスの左手の薬指に、リヴァイアサンの指輪がある。
リヴァイアサンの指輪は、ジーク専用装備。
装備するだけで攻撃力を2倍にする、最強のステータスバフアイテムだ。
「なんでアイツが持ってるんだ……?」
リヴァイアサンの指輪は、リーセリアがジークと「婚約予約」するためにプレゼントする。
つまり、ジークへの愛の証。
「ヒロインも装備も、アルフォンスに取られた……」
ふざけるな。
ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな。
こんなの、絶対に、絶対に、おかしい。
この世界の主人公は、俺だ。
世界の中心であり、神のはず。
「やっと主人公になれると思ったのに……っ!」
俺はこのゲームを愛していた。
誰よりもやり込んだと自負している。
ドラマCDも買ったし、ヒロインのフィギュアも抱き枕も持っている。
ヒロインの声優さんにも、毎日毎日、Uwitterで応援のリプを送り続けた。
コミケで同人誌も売ったし、qixivで二次創作を上げまくっていた。
えっちシーンは何度も再生して、何度も「俺自身」をティッシュにぶちまけてきた。
声優のサイン会でも、「えっちシーン最高でした!」と握手しながら叫んだ。愛ゆえに。
「俺は……このゲームを愛してる」
なのに、
なのに、
なのに、
「俺の全てを、あのモブが奪っていく」
俺は学園新聞を握りしめる。
アルフォンスはもう、とっくに退場しているはず。
リーセリア√に入る前にオリビィアを襲って、ジークにボコられることになっていた。
「完全におかしい。アルフォンスには、絶対に何かある……」
アルフォンスは巧妙に、破滅を避けながら俺の地位を奪ってくる。
「絶対、殺さないと……っ!」
殺すしかない。
殺す、殺す、殺す。
俺の頭にはもう、「殺」しかない。
「冒険者ギルド派遣イベント……そこで殺るか」
51
お気に入りに追加
2,796
あなたにおすすめの小説
無能な悪役王子に転生した俺、推しの為に暗躍していたら主人公がキレているようです。どうやら主人公も転生者らしい~
そらら
ファンタジー
【ファンタジー小説大賞の投票お待ちしております!】
大人気ゲーム「剣と魔法のファンタジー」の悪役王子に転生した俺。
王族という血統でありながら、何も努力しない怠惰な第一王子。
中盤で主人公に暗殺されるざまぁ対象。
俺はそんな破滅的な運命を変える為に、魔法を極めて強くなる。
そんで推しの為に暗躍してたら、主人公がキレて来たんだが?
「お前なんかにヒロインと王位は渡さないぞ!?」
「俺は別に王位はいらないぞ? 推しの為に暗躍中だ」
「ふざけんな! 原作をぶっ壊しやがって、殺してやる」
「申し訳ないが、もう俺は主人公より強いぞ?」
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル総合週間ランキング50位入り。1300スター、3500フォロワーを達成!
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
神様に転生させてもらった元社畜はチート能力で異世界に革命をおこす。賢者の石の無限魔力と召喚術の組み合わせって最強では!?
不死じゃない不死鳥(ただのニワトリ)
ファンタジー
●あらすじ
ブラック企業に勤め過労死してしまった、斉藤タクマ。36歳。彼は神様によってチート能力をもらい異世界に転生をさせてもらう。
賢者の石による魔力無限と、万能な召喚獣を呼べる召喚術。この二つのチートを使いつつ、危機に瀕した猫人族達の村を発展させていく物語。だんだんと村は発展していき他の町とも交易をはじめゆくゆくは大きな大国に!?
フェンリルにスライム、猫耳少女、エルフにグータラ娘などいろいろ登場人物に振り回されながらも異世界を楽しんでいきたいと思います。
タイトル変えました。
旧題、賢者の石による無限魔力+最強召喚術による、異世界のんびりスローライフ。~猫人族の村はいずれ大国へと成り上がる~
※R15は保険です。異世界転生、内政モノです。
あまりシリアスにするつもりもありません。
またタンタンと進みますのでよろしくお願いします。
感想、お気に入りをいただけると執筆の励みになります。
よろしくお願いします。
想像以上に多くの方に読んでいただけており、戸惑っております。本当にありがとうございます。
※カクヨムさんでも連載はじめました。
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
乙女ゲーのモブに転生した俺、なぜかヒロインの攻略対象になってしまう。えっ? 俺はモブだよ?
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑ お気に入り登録をお願いします!
※ 5/15 男性向けホットランキング1位★
目覚めたら、妹に無理やりプレイさせられた乙女ゲーム、「ルーナ・クロニクル」のモブに転生した俺。
名前は、シド・フォン・グランディ。
準男爵の三男。典型的な底辺貴族だ。
「アリシア、平民のゴミはさっさと退学しなさい!」
「おいっ! 人をゴミ扱いするんじゃねぇ!」
ヒロインのアリシアを、悪役令嬢のファルネーゼがいじめていたシーンにちょうど転生する。
前日、会社の上司にパワハラされていた俺は、ついむしゃくしゃしてファルネーゼにブチキレてしまい……
「助けてくれてありがとうございます。その……明日の午後、空いてますか?」
「えっ? 俺に言ってる?」
イケメンの攻略対象を差し置いて、ヒロインが俺に迫ってきて……
「グランディ、決闘だ。俺たちが勝ったら、二度とアリシア近づくな……っ!」
「おいおい。なんでそうなるんだよ……」
攻略対象の王子殿下に、決闘を挑まれて。
「クソ……っ! 準男爵ごときに負けるわけにはいかない……」
「かなり手加減してるんだが……」
モブの俺が決闘に勝ってしまって——
※2024/3/20 カクヨム様にて、異世界ファンタジーランキング2位!週間総合ランキング4位!
王女に婚約破棄され実家の公爵家からは追放同然に辺境に追いやられたけれど、農業スキルで幸せに暮らしています。
克全
ファンタジー
ゆるふわの設定。戦術系スキルを得られなかったロディーは、王太女との婚約を破棄されただけでなく公爵家からも追放されてしまった。だが転生者であったロディーはいざという時に備えて着々と準備を整えていた。魔獣が何時現れてもおかしくない、とても危険な辺境に追いやられたロディーであったが、農民スキルをと前世の知識を使って無双していくのであった。
クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~
空地大乃
ファンタジー
「殺すと決めたら殺す。容赦なく殺す」
クラスで酷いいじめを受けていた猟牙はある日クラスメート共々異世界に召喚されてしまう。異世界の姫に助けを求められクラスメート達に特別なスキルが与えられる中、猟牙にはスキルが一切なく、無能として召喚した姫や王からも蔑まされクラスメートから馬鹿にされる。
しかし実は猟牙には暗殺者としての力が隠されており次々とクラスメートをその手にかけていく。猟牙の強さを知り命乞いすらしてくる生徒にも一切耳を傾けることなく首を刎ね、心臓を握り潰し、頭を砕きついには召喚した姫や王も含め殺し尽くし全てが終わり血の海が広がる中で猟牙は考える。
「そうだ普通に生きていこう」と――だが猟牙がやってきた異世界は過酷な世界でもあった。Fランク冒険者が行う薬草採取ですら命がけな程であり冒険者として10年生きられる物が一割もいないほど、な筈なのだが猟牙の暗殺者の力は凄まじく周りと驚かせることになり猟牙の望む普通の暮らしは別な意味で輝かしいものになっていく――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる