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2章
アルフォンスこそあたしが求めていた人材 オリヴィア視点
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【オリヴィア視点】
私はオリヴィア・フォン・アルトリア。
アルトリア王国の第二王女だ。
「この国は腐っている……」
貴族は高い地位に胡坐をかき、亜人は差別されている。
「でも、ヴァリエ侯爵は——」
怪我をしたエルフの女の子を助けた。
周りの貴族たちが、みんな無視する中で、
颯爽と現れて、女の子を癒した。
「ヴァリエ侯爵は必要な人材ね……」
なんとしても引き入れなければならない。
あたしの「計画」に――
「ふふふ。オリヴィア様、いい人を見つけたようですね」
あたしの専属メイド兼騎士の、アイシャ。
犬人族で、頭に白い犬耳と腰からもふもふの尻尾が生えている。
忠実で絶対に裏切らない、計画のメンバーだ。
「ええ。ヴァリエ侯爵こそ、あたしが求めていた人材」
ヴァリエ侯爵は新入生であるにもかかわらず、上級治癒魔法のハイヒールを使った。
レベル50以上の大聖女が使う、高度な魔法。
何年も魔法の修行をして、やっと習得できるはずなのに……
「尋常ではない、魔力を持っていますね……」
「しかも無詠唱だったわ。規格外の才能よ」
ヴァリエ侯爵は、上級魔法を無詠唱で発動した。
複雑な術式を持つ上級魔法を使うには、大量の魔力と、大量の魔力を操るセンスが必要……
「普通はあの若さで、あれだけの才能があれば、もっと傲慢になってもいいのに」
アルトリア王国は、剣よりも魔法が優遇される。
魔法は貴族のみが使えて、剣は平民が使うもの。
魔法至上主義の国で、魔法の才が将来を決まる。
だから魔力の多い者は、周りが持ち上げまくる結果、どんどん傲慢になっていく。
「女の子の母親が、お礼に銀貨を渡そうとしていたけど……断っていた」
「そうでしたね。【困っている人を助けるのは貴族の義務だから】と言ってました……」
ノブレス・オブリージュ――高貴なる者の義務。
ヴァリエ侯爵は、本物の貴族の素質がある。
今、王国に蔓延っている、傲慢で怠惰な偽貴族たちとは違う……
「ヴァリエ侯爵の能力は凄まじいです。ですが、一度姫様のお誘いを断ったのは不遜です」
「……そうね。たしかに断れたのは少し気になるわ。でも何が理由があってのことよ」
「でしたら——」
「ヴァリエ侯爵を探ってちょうだい。交友関係から趣味、あと……女性関係も」
「? ヴァリエ侯爵の女性関係も、ですか?」
アイシャがあたしの顔をまじまじと見る。
「あっ……あのね。深い意味はないのよ? ヴァリエ侯爵のことをもっと知りたいからってだけで……ね?」
「はい……そういうことにしておきます」
「もおっ! 本当にそんなじゃないからねっ!」
「ふふ。姫様はわかりやすいですね」
アイシャにからかわれるあたし。
(本当に本当に、そんなんじゃないから……っ!)
お茶会がすっごい楽しみ。
私はオリヴィア・フォン・アルトリア。
アルトリア王国の第二王女だ。
「この国は腐っている……」
貴族は高い地位に胡坐をかき、亜人は差別されている。
「でも、ヴァリエ侯爵は——」
怪我をしたエルフの女の子を助けた。
周りの貴族たちが、みんな無視する中で、
颯爽と現れて、女の子を癒した。
「ヴァリエ侯爵は必要な人材ね……」
なんとしても引き入れなければならない。
あたしの「計画」に――
「ふふふ。オリヴィア様、いい人を見つけたようですね」
あたしの専属メイド兼騎士の、アイシャ。
犬人族で、頭に白い犬耳と腰からもふもふの尻尾が生えている。
忠実で絶対に裏切らない、計画のメンバーだ。
「ええ。ヴァリエ侯爵こそ、あたしが求めていた人材」
ヴァリエ侯爵は新入生であるにもかかわらず、上級治癒魔法のハイヒールを使った。
レベル50以上の大聖女が使う、高度な魔法。
何年も魔法の修行をして、やっと習得できるはずなのに……
「尋常ではない、魔力を持っていますね……」
「しかも無詠唱だったわ。規格外の才能よ」
ヴァリエ侯爵は、上級魔法を無詠唱で発動した。
複雑な術式を持つ上級魔法を使うには、大量の魔力と、大量の魔力を操るセンスが必要……
「普通はあの若さで、あれだけの才能があれば、もっと傲慢になってもいいのに」
アルトリア王国は、剣よりも魔法が優遇される。
魔法は貴族のみが使えて、剣は平民が使うもの。
魔法至上主義の国で、魔法の才が将来を決まる。
だから魔力の多い者は、周りが持ち上げまくる結果、どんどん傲慢になっていく。
「女の子の母親が、お礼に銀貨を渡そうとしていたけど……断っていた」
「そうでしたね。【困っている人を助けるのは貴族の義務だから】と言ってました……」
ノブレス・オブリージュ――高貴なる者の義務。
ヴァリエ侯爵は、本物の貴族の素質がある。
今、王国に蔓延っている、傲慢で怠惰な偽貴族たちとは違う……
「ヴァリエ侯爵の能力は凄まじいです。ですが、一度姫様のお誘いを断ったのは不遜です」
「……そうね。たしかに断れたのは少し気になるわ。でも何が理由があってのことよ」
「でしたら——」
「ヴァリエ侯爵を探ってちょうだい。交友関係から趣味、あと……女性関係も」
「? ヴァリエ侯爵の女性関係も、ですか?」
アイシャがあたしの顔をまじまじと見る。
「あっ……あのね。深い意味はないのよ? ヴァリエ侯爵のことをもっと知りたいからってだけで……ね?」
「はい……そういうことにしておきます」
「もおっ! 本当にそんなじゃないからねっ!」
「ふふ。姫様はわかりやすいですね」
アイシャにからかわれるあたし。
(本当に本当に、そんなんじゃないから……っ!)
お茶会がすっごい楽しみ。
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