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視つめる

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07 「視つめる」

 手に取った次の文章は、私を見つめていた。いや、視つめていた。

 見方や捉え方は、人それぞれである。と言いたげな文章だ。

 見られている、ということは逆に、見ている、ということにも気づいていないかのように。





       @






 見つめる。視つめる。人生を視つめる。他を見つめる。自分を視つめる。



 世界を、視つめる。



 人は消耗品だ。人生は最後、何も残らない。たとえ残ったとしても、永遠不滅はあり得ない。

 人は世界の小さな歯車であり、細胞であり、粒子だ。いつでも廻り、巡っている。

 今、こうしている内に世界は私達という歯車や細胞の呼吸、粒子の流動を含みながら廻る。

 どんな立派な目標や勲章、栄誉があったとしても、いつかは消えて無くなる。どんなものも、消耗品として削れ、自然に帰る。

 そう、どんなに頑張っても、どんなに時間を費やしても、結局残るのは何も、ない。

 何をしようが、結局無に帰す。

 だからきっと、人は潰える。

 人間は消耗品だ。この地球、宇宙、世界。様々な視点からの消耗品だ。

 


 だけれど私達は、何かを残そうとする。



 たとえ、残ったとしても須玖の刹那を生きるだけの物だと、わかっていても残そうとする。

 だから、創ることで残そうとする。

 どんな形であれ、人は残すのだ。

 そして、遺ったもので私達は出来ている。

 だから、何かを創っている人達よ。そのままであれ。

 きっと無意味だと分かっていても、風の前の塵に同じだとしても。

 私は私。

 だから、私を残す。

 そこに無意味があったとしても。




       @




 自分を視つめる。きっと、まだまだ長い人生だ。突然が来るかも知れないが。

 果たして、この世界に何が残せるというのだ。だから、この手記を書いているのかも知れない。


 : 捉えることの、純粋を求めし青年の手記
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