ベアりんぐ奇譚詩編集

ベアりんぐ

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君のかけら

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 P-03 「君のかけら」

 この詩は、何か別の物と同じように置かれていたようだが、どうやらすれ違い、はぐれてしまったようだ。

 君、というのは、一体誰なんだ?それほどまでに、記す必要があったのか?

 詩から溢れる想いだけが、私の視覚へと届いていた。






       @





 かけらを見つけた
 過去からのかけら

 きっとまだあるよ
 君とのかけらたち

 遠い遠い過去から来たそれは
 むかしむかしの懐かしい記憶

 
 君と私のかけら


 君はもう覚えていないだろう
 私との風や声の音や匂いたち

 私だけが置いていかれた
 君だけが進んでしまった


 君を想い出す


 それだけでこの時間は
 後ろへと動いてしまう

 君が木陰で頬張る菓子は
 私が頬張る菓子と同じだ

 あの時間だけが
 今の私を突き動かしている


 君はもういない







       @





 誰かと分かりあうこと。それは、誰もが願って止まない過去への追想。

 分かり合えてたはずなのに、こうもずれてしまうのは何故だろう?

 
: 巡り合いの、感受を求めし少女の手記
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