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1章 たとえ、誰を灰にしようとも

4.兄様と、春の季節 -2-

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「――――そんなところで何してんの?」

 ……やっぱり、神様は同担なの? 同担拒否タイプのヲタクなの?
 おそるおそる見下ろしたら、怪訝そうな顔をした同年代の男の子が、わたくしを見上げて立っていた。
 どこの子供かしら。仮にも侯爵家の屋敷に、不法侵入なんて出来る筈もない。となれば、正式に招かれたお客様なのだろう。
 ……それにしても、なんだか見覚えがあるような、ないような?

「おーい。聞いてんの?」
「は、はい! その……そ、そう! 宿題が、飛んでいってしまったもので!」
「で、ベルリオース侯爵家の娘が、木登りぃ?」

 びっくりするほど正論だった。
 木登り――正確には、魔術で木の枝まで浮かんだのだけど――貴族令嬢として、あるまじき行いだ。
 あまりにも正論過ぎて、返す言葉がないわたくしです。

「大体、そんなもの、使用人に取らせれば良いだろうに」
「いいいいけません! 危ないですもの!」

 この紙が、正真正銘の宿題だったら、わたくしだって使用人に頼んでいたと思うの。
 でも、今なんとか回収した紙は、どこに出しても恥ずかしい赤裸々なレポートで。
 人の目に触れた瞬間、社会的に死んでしまうので、わたくしが回収するしかなかった。

「いや、あのさあ……侯爵令嬢の身と使用人の身、どちらが大事か分かんねえの?」

 足下の少年が、呆れ顔で小首を傾げている。すごい、返す言葉が見付かりません。
 アラサー日本人精神が残っているせいか、貴族だとか使用人だとか、いまいち理解が足りていない自覚はある。
 使用人の誰かが怪我をするより、わたくしが怪我をした方が良いと思ってしまう。
 でも、この世界でその考えは、傲慢でしかない。わたくしが怪我ひとつでも負えば、厳しい叱責を受けるのは使用人だから。
 使用人を心から慮るなら、わたくしが勝手な振る舞いをしてはいけないのだ。

「……その通りですわ。もう傷が残っているからとは言え、使用人を思うなら、わたくしの振る舞いは軽率でした」

 こうしている間にも、使用人たちが顔を青くして、わたくしを探しているかもしれない。
 浮かんでいるところなんて、見られたら大変なことになるわ、とゆっくり且つ、慎重に地面に降り立つ。
 足の裏から伝わる、しっかりした感触にほっとしたら、ふと力が抜けてしまって、ころんと転んでしまった。

「…………どんくさいなぁ、君」
「うぐ」

 じ、自分でも分かっていることだけども、人に言われるとなんかこう、なんかこう、胸が痛くなります!
 肩を落としているわたくしを、けらけらと笑いながら、目の前の彼が「ほら」と手を差し伸べてくれた。

「あ、ありがとうございます!」

 うっわ! うっっっわ!!
 上から見たときは気付かなかったけれど、真正面から見た少年、びっくりするほど顔が良いのですけど!?
 これは将来、有望の顔。しかも、紺色の髪に青い瞳って、攻略対象の公子殿下みたいじゃない?

「公子として当然のことだから」
「…………公子?」

 ……あれ? わたくし、口に出しましたでしょうか?
 きょとんとしているわたくしに、目の前の子供が邪気なく笑う。

「ああ、やっぱりなあ。イクシスのやつ、俺のこと黙ってやがった。俺は――――」
「ッ、殿下」

 小走りで駆け寄ってきた兄様は、珍しく少し焦っているような声で……今、何と仰いました!? わたくしの隣に立つ方を、殿下と仰いました!?
 油が切れたロボットの如く、ぎこちない動きで隣の方をうかがうも、彼は知ったこっちゃないとばかりに、晴れやかな笑顔で「おっ、イクシス~!」と手を振っている。

「突然、応接間から姿を消されたので驚きました」
「庭がきれいだったから、ついなあ」

 溜息を一つこぼしてから、兄様は酷く冷たい目でわたくしを見る。
 まるで、出会った頃のような冷ややかさに、ほんの少しだけ胸が痛くなった。

「お前、ここで何をしている。部屋から出るなと言った筈だ」
「そ、その……約束を破ってごめんなさい、兄様」

 兄様に、ちょっとくらいは好かれているんじゃないかって、浅ましい勘違いをしていたみたい。
 ……そんな筈、ないのに。兄様に、ご迷惑ばかりかけているのに。
 どうしよう。恥ずかしくて、情けなくて、泡みたいに消えてなくなりたい。

「……申し訳ございません、殿下」
「俺は良いけどさ」
「殿下。こちらは不肖の妹、レミニシアです」

 辛うじて、臣下の礼だけは出来たけれど、顔を上げることは出来なかった。
 気付いたら、わたくしは自室に戻っていて。兄様と殿下と、どんな会話をしたのかも、よく覚えていなくて。
 窓から西日が差し込む頃、眉を寄せた兄様がやって来るまで、大きなベッドに膝を抱えて小さくなっていた、

「それで、何故あんなことをした」
「そ、その……宿題が、風で飛んでいってしまって……」
「使用人に頼めば良かっただろう」

 兄様の言葉は、もっともだ。わたくしだって、飛んでいった紙が宿題だったなら、使用人の誰かに頼んでいたと思う。
 でも、飛んでいった紙は、兄様の素晴らしいところを書き連ねた、どこに出しても恥ずかしいヲタクのレポート。自力でなんとかする以外になかった。
 殿下と話したときと同じことを思い、そして同じように思い付きませんでした、と言うよりない。

「百歩譲って、庭に探しに出たことは良い。だが、侯爵令嬢があんな真似をして、はしたないとは思わないのか」
「仰る通りです……申し訳ありませんでした」

 返事の代わりに、溜息がひとつ。いたたまれない沈黙に、段々と息苦しさと焦りを覚え始めた頃、かき消えてしまいそうな声で「怪我はないのか」と問われた。
 最初、何を訊かれているのか分からなくて、ややあってから、兄様がわたくしを心配してくれていることに気付く。

「な、ないです! これっぽっちも!」
「本当に?」
「本当です!」
「……なら、良い。次からは、必ず使用人に頼むように」

 ふんわりと、兄様の目元が緩む。わたくしの気の所為でないのなら、兄様はもう怒っていない、と思う。
 兄様のお言葉を守らなかったわたくしが悪いのに、わたくしは性懲りもなく調子に乗ってしまいそうだ。
 兄様、優しい。大好きです……!
 もだもだと悶えそうになって、ふと公子殿下のことを思い出した。

「あの、兄様。部屋から出るなと仰ったのは、公子殿下がいらっしゃるから、ですか?」
「そうだ。お前の傷のこともあり、部屋から出さないようにと、侯爵閣下の指示だった」
「お父様の!? ど、どうしましょう! わたくしの勝手な振る舞いで、兄様が叱責されることはありませんか? わたくし、お父様にお話をしてきま……」

 こうしてはいられない、お父様の書斎へ向かおうとするはわたくしを「落ち着け」と、兄様が呆れ顔で諌める。

「侯爵閣下は帰宅していない。大方、愛人の女のところだろう。面子だけは保っておきたかったらしい」

 はっとせせら笑う兄様。
 まっっって、人の悪いお顔の兄様、世界で一番格好良い。
 うっかりヲタクが荒ぶりそうになった。ステイステイ。今は推しを推すときではないから。真面目に話しているときだから。

「……あの、お父様に何か言われたら、わたくしが勝手にしたことだと、仰ってくださいませね」
「私が、監督不行届きだったから起きたことだ」
「違います! わたくしは、物の道理が分からない幼子ではありません!」
「物の道理が分からない幼子のような振る舞いをしたがな」
「うっ」

 お、仰る通りです。反省してます。もうしません。

「心配せずとも、侯爵閣下は、私のことにもお前のことにも、関心など欠片もない」
「それじゃあ、兄様が、叱責されることはありませんのね?」
「……ないだろうな」
「良かった……」

 思わず、安堵の息がこぼれ落ちた。
 兄様が叱責されるようなことがあったら、わたくしはお父様を物理的に黙らせる手段も辞さない。ネグレクト野郎と兄様、比べるべくもないのだから。
 対して、兄様はなんだか奇妙な生き物を見たような顔をしている。わたくし、そんなにおかしなことを言ったかしら?
 なんだか落ち着かなくて、もう一つ気にかかっていたことを尋ねることにした。

「兄様、どうして公子殿下が屋敷にいらっしゃったのか、お訊きしてもよろしいですか?」

 公子殿下――――フレデリク・フォートレル・フォン・ヴィクス殿下は、『時のサイハテ』に登場する攻略対象の一人で、メインヒーロー――因みに、兄様は裏ヒーローに当たる。わたくしの妄想ではない――だ。
 “殿下”と呼ばれる立場の割りに、フレデリクは親しみやすい性格で、実際にさっき会ったときの印象も気さくな方だな、と思った。
 けれど、殿下の親しみやすさは、彼の人の一面でしかない。
 その実、殿下は深謀遠慮な人間で、ヒロインに真っ先に声を掛けた理由も、他国に行かれる前に囲い込んでしまいたい、という思惑があってのこと。
 フレデリクルート序盤の王道っぽさは、中盤での「俺に愛されるのは諦めた方が良いぞ?」で粉々に砕かれるのだ。
 あんなに特別扱いしておいて! 普段と同じ笑みを浮かべておいて! 中盤に入っても、恋愛感情抱いてくれてなかったとか! と布団の上で転がりながら文句を言った覚えがある。
 いや、そんな人が、後半でめちゃくちゃ真剣に口説いてくれるのは、禿げそうなほどに萌えたのだけど!!
 ……とまあ、そんな方なので、理由もなく我が家をうろうろしているとは、とても思えない。

「ああ……先日、公子殿下の側近候補として顔合わせをした。その際、我が家の庭を見てみたいと仰せだったからだ」
「側近候補!? 兄様が!?」
「厚かましいと謗るか?」
「有り得ません! わたくしは、兄様が日々努力なさっていることを存じておりますもの! 兄様の実力が認められたのでしょう? おめでとうございます、兄様!」

 公子殿下は、引き取られて間もないというのに、側近候補の一人に兄様を指名した。その能力の高さを買ってのことだ。
 ただ、公子の側近たる者、出自の卑しさを責め立てるしか能のない貴族を黙らせるか、無視するくらいの力を持て、と一切動かなかったという話が共通ルートで出てきたっけ。
 つい最近まで、貴族としての教養を身に付けていなかった兄様が選ばれたということは、それだけ兄様が努力を重ねた証。
 他の誰かが、兄様の出自について嗤ったとしても、兄様の努力を嘲ったとしても、わたくしだけは嘲笑ったりしない。
 口さがない愚か者がどれだけいたって、わたくしはその分だけ、兄様の努力を認めたくて、祝いたかった。ゲームをプレイしながら、何度も思ったことだ。

「――――勉強は進んだのか」
「え?」

 突然、話題が移ろったものだから、反応が鈍くなっても仕方がないと思う。
 勉強? なんのこと? 小首を傾げるわたくしに、兄様が「勉強を見てやる約束だろう」と微かに目をそらしながら言った。

「よ、よろしいのですか? わたくし、部屋から出て……」
「嫌ならばかまわない」
「ッ、兄様、意地が悪いです! 嫌な訳がありませんのに!」

 そのとき、兄様の唇からくつり、という笑い声がほろりと落ちて。
 意地の悪いお顔で笑ってらしたけれど、それは確かに笑い声で。
 わたくしが、初めて聞いた、笑い声で。
 たったそれだけのことなのに、世界がとてもきれいに見えた。違う、兄様が、きらきら輝いて見えた。
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