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Sweet Kissのその先は…
4※
しおりを挟むもう何回、イかされたのだろうか……。
桜木は舌でつぐみに絶頂を与えた後、今度はちゃんと顔を見たいからと長くて男性にしては細い指で花芽を小刻みに刺激して同時に口と片方の手胸の先端を愛撫し、再度つぐみを高みに昇らせた。それが何度も何度も続いた。つぐみの全身は、桜木の手や指や口や舌で隅から隅まで愛され、あまりの気持ちよさに意識が朦朧としてきた。それに、先ほどから体の奥のあたりがムズムズするというか、疼いて仕方がなかった。どうしようもなくて腿をモジモジさせていると、桜木が意味ありげに尋ねてきた。
「どうしたんだ、腿をモジモジさせて」
この顔…絶対分かってる…。
「ん? ちゃんと言わないと分からないよ」
ホントは分かってるくせに…。
すると、桜木が入り口の部分に中指を浅く入れて軽く動かした。
「ああっ…!」
そんなことされたら、ますます疼いてしまうのに…。
「どうしてほしいんだ…? ちゃんと口に出して言ってごらん」
俊樹の意地悪…! でも、でも……!
つぐみは我慢の限界だった。
「お腹の奥が…ムズムズするの! お願い、何とかして!」
やっとの思いで告げると、桜木がニヤッと笑った。
「よく言えたね。つぐみから言ってくれるのを待ってたんだ」
「…もう…ヒドイ…俊樹のイジワル……」
「ごめん、ごめん。つぐみがあまりにも可愛いすぎるからちょっと意地悪したくなったんだ。分かったよ、それを鎮められるよう頑張ってみる」
頭を撫でられ、唇が重ねられる。キスがどんどん深くなり、舌が絡められると、力が抜けてくる。それでも必死に桜木のキスに応えた。
唇が離れると、桜木の両腕がつぐみの脚にかかり、広げられた。
「…先に謝っておく。ごめん、痛い思いをさせるかもしれないが、途中でやめずに一息に行くから」
そう言うと、準備の整った桜木のモノがつぐみの入り口に当てられ、ズンッと最後まで一気に貫いた。
「…っ!!!」
破瓜の痛みにつぐみの身体が強張った。
「…っ、全部入ったよ…大丈夫か、痛いか…?」
桜木がつぐみの頬を撫でながら目尻に浮かんだ涙を指で拭う。
「…痛いけど、でもやっと俊樹と1つになれて結ばれてすごく嬉しくて幸せ……」
「つぐみ、俺もだよ…。ああ、やっぱり狭くてキツイな…すぐにイッてしまいそうだ…」
必死に耐えている桜木を見てつぐみは言った。
「私は大丈夫だから動いて。俊樹にも気持ちよくなってもらいたいから」
「いや、俺こそ大丈夫だから。お前の疼きを取ってやらないとな…」
桜木が少し体の位置をずらしたその時、偶然桜木のモノがつぐみの疼いている箇所に触れた。
「アッ…!」
つぐみの中に甘い痺れが走った。
「んっ、ここか? ここなんだな…分かった」
今の箇所を軽くトントン叩くように腰を動かすと、つぐみが声を上げた。
「アァッ、そこ! 気持ちいい…!」
「痛くない? もう少し動いてもいいか…?」
つぐみが頷くと、少しリズミカルに動いて、つぐみの良い箇所を刺激した。
「アッ、アッ、アッ、アッ…!」
桜木の動きとシンクロするようにつぐみの歓声が上がった。それに合わせてつぐみの中が蠢いて締まるので、そろそろ桜木も限界が近づいていた。早く高みに昇れるように、結合部の間に手を入れて、同時に敏感な花芽を刺激してやると、つぐみの口からさらにかすれたような高い声が上がった。つぐみの様子を見ながら桜木は動きを早くする。
「アッ、アッ、アッ、とし…き、ンッ…! またキそう…アァ、あ、ダメ、ア、ア、アッッッ……!」
「いいよ、俺ももう…。一緒に…!」
桜木とつぐみはお互いに強く抱き合い、唇を貪り合った。
「つぐみ…! 愛してる…!」
「私も、愛してるっ…! ハッ、アッ、もう、ダメッ!………アアアアアアアアッ!」
「……っ!」
2人は同時に達すると、ぐったりと倒れ込んだ。
そして、精も根も尽き果ててしまったつぐみは、そのまま意識を失った。
目を覚ますと、朝日がカーテンの隙間から差し込んでいた。
あ…れ…? つぐみは半分寝ぼけながら今の状況を思い出していた。
そ、そうだ! 昨夜は俊樹と……!
一気に目が覚めた。
やっと結ばれた喜びと色々してしまった(されてしまった?)恥ずかしさで、どうしていいのか分からずにベッドの中でモゾモゾしていると、カチャッと寝室のドアが開いた。
「つぐみ、起きたのか?」
桜木がそっと近づいてくる。つぐみはシーツの下にずっと隠れていたかったが、そんな訳にもいかず、そろそろと顔を出した。
桜木が柔らかな笑みを浮かべるとつぐみの額に唇を当てた。
「おはよう。よく寝てたな」
「…お、おはよう。俊樹は早起きだね」
「いや、俺も15分くらい前に起きたばかりだ。もう8時になるぞ。起きられそうか?」
「うん…」
「つぐみ、身体は大丈夫か? 痛いところはないか?」
桜木が心配そうに見つめる。
言われた意味を理解し、また赤くなる。
「う、うん。だ、大丈夫だと思う」
「そうか、それならよかった。朝食はルームサービスを頼んだから、そろそろ届くと思う。その前に風呂に入るか?」
つぐみは遠慮なくそうさせてもらうことにした。
脱衣所で着ていたバスローブを脱ぎ、鏡に映った自分の身体を見て、驚きのあまり顎が外れそうになった。
胸を中心に、身体中キスマークの嵐だった。
ちょ、ちょっと…! なにこれ、一体どういうこと!? いつの間にこんなに…! 全然気が付かなかった…。
つぐみは叫びだしたくなるのを必死に堪えながら、温泉に浸かったのだった。
新しい服に着替えてダイニングルームに行くと、ちょうど朝食が届いたところだった。
クロワッサンやフランスパンなどがたくさん入ったバスケット、カリカリに焼いたベーコンにトロトロのスクランブルエッグ、コーンスープに新鮮なサラダと、定番の洋食の朝食だ。お腹が空いていた2人は、美味しいね、って言いながらあっという間に全て平らげてしまった。
食後はリビングルームに移動し、ソファに並んで座り、桜木が淹れてくれたコーヒーを飲んだ。
桜木がつぐみを抱き寄せる。
「つぐみ…昨夜のつぐみはすごくよかったよ」
「えっ、あ…」
「これからはもう誰の目も気にせずに自由に愛し合えるんだ」
「ちょ、ちょっと、朝から何言ってるの、もう…!」
「あ、つぐみ、照れてる! 可愛いな~」
「そ、そんなことない! あっ! っていうか、ちょっと! 俊樹ってば私の身体中に、そ、その、キスマーク、たくさんつけて! こんなの、もし誰かに見られたら…」
つぐみが真っ赤になりながら文句を言っても桜木は涼しい顔だ。
「虫よけだ。それをお前が誰かに見せるなんて考えただけでもはらわたが煮えくり返るが、万が一そんなことがあってもそれを見た男はビビるだろう。たぶん、1週間くらいは残るんじゃないか」
「虫よけって…。それに、私が俊樹以外の男性に身体を見せるわけないじゃない! お父さんにだって見せないのに」
つぐみの最後の言葉に桜木がギクッとした。
「あ、つぐみ、た、頼むからお父さんにだけは絶対に見られないようにしてくれ。いくら公認の中でもさすがにこれがバレたら俺が殺される…」
桜木の慌てぶりを見て、つぐみは溜飲を下げた。
「それから、あともう1つ。これを受け取ってほしい」
桜木はそう言うと、近くに置いてあった鞄から小箱を取り出した。そして、蓋をそっと開けると、そこにはピンクサファイヤのプラチナリングが輝いていた。
「えっ…」
「これも虫よけだ。お前の誕生石のサファイヤだ。お前のイメージに合わせて俺が勝手に選んだから好みに合うかどうか分からないが……。サイズはたぶん大丈夫だと思う」
つぐみは信じられない思いで、その指輪を見つめていた。
「今までは女子校だったけど大学は共学だし、高校と違って世界が大きく広がる。色々な人間と知り合う機会も増えるだろう。それはいいことなのだが、一方で俺は心配もしている。お前は今でも十分綺麗だがこれからますます女性として美しく魅力的になっていくだろう。だから、これから先、変な虫がつかないか気が気じゃないんだ。だからできれば大学でもそれ以外の時でも外に出る時はいつも着けていてほしい。気に入らなかったら後で好きなものに交換すればいいから。だから、どうか、受け取ってくれないか」
つぐみの目から涙が一筋零れた。そして、少し震えながら左手を桜木の前に差し出した。桜木はその手をそっと握ると、リングを薬指にゆっくりと嵌めた。サイズはピッタリだった。
ピンクサファイヤのリングは石は小ぶりでシンプルだがとても上品なデザインでつぐみにとても似合っていた。
「俊樹…私のために、こんな素敵なリングを…どうもありがとう。嬉しくて、胸が一杯で……。大切にするから…これから肌身離さずつけるって約束する」
涙が光る目で自分を見つめる最愛の女性に桜木も胸が熱くなる。
「結婚指輪はもう少し先になると思うけど、その時が来たら2人で選ぼう」
「…っ、俊樹」
「愛してるよ。これからもずっと。たとえ、お前がカナダに行っても、他の国で仕事をしても、俺の想いは決して変わらないから。それだけは覚えておいてほしい」
あぁ…何て素敵な殺し文句…これ以上私をメロメロにしないでほしい…。
「私も俊樹を心から愛してる。絶対に他の人になんか渡さないから! 一生離さない!」
つぐみが思いっきり抱きつくと、桜木は広くて大きな胸でしっかりと受け止めた。
秘密の恋を貫き通し、晴れてようやく結ばれたつぐみと桜木。2人は幸せを噛みしめながらいつまでも抱き合っていたのだった。
ーFinー
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