夢の通い路

夢をからめた十のホラー短編です。

一、『夕焼け小焼け』 買った覚えのない髪留めをつけている娘。母は思う。夢と現実にはそれほど厳密なちがいはないのかもしれない。

二、『ヤドカリのお宿』 ヤドカリを育てる大学生。引っ越しを観察しつつ、ヤドカリの真実を悟る。

三、『藁の血族』 伝承にもとづき、河童の像が作られた。老人は御山の禁を破ってしまう。

四、『炎の匂い』 イマジナリー・フレンドを持つ少年。そして焼かれたウサギ。夢が少年とフレンドの関係を変えていく。

五、『どんぐりの夢』 修学旅行の下見に来た教師。宿にやってきた他校の学生たちはとても静かだった。

六、『あなたの世界』 万引きを娯楽とし、罪悪感のない少女。夢と現実の意味をとらえ、動こうとする。

七、『先触れ』 ネットで夢占いをする青年。同じ悪夢の相談が相次ぐ。真相をたどり、そしてたどりつく。先触れに。

八、『毎日』 いじめをいじめととらえず、周囲を軽蔑して関わりたがらない少年。自分の毎日を映画に見ていた。

九、『夢の通い路』 海と山を行き来する男。宇宙の中での自分の役割を知り、それをかなえる。

十、『就眠』 手足が自分ではないような気がする若者。散らばった自分を統合する方法を求め、手に入れる。

※本短編集においては、犯罪、暴力、性的行為の描写があります。いずれも小説上の表現として用いています。その点ご理解の上お読みください。

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