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情事の告白

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 「殿下…!もう、これ以上お戯れは…!」

足掻こうとするシルヴィでしたが、ランスロットの動きは止まらず、ついに唇にキスをしてしまいます。彼女の言葉を遮るように、舌を絡めた激しい口づけです。お互いの唾液が混ざり合いながら、ランスロットはシルヴィの唇の感触を何度も何度も確かめるのです。

 「お前が『清らかな乙女』になれ」

そう言ったランスロットは、シルヴィの額や頬にキスをして、首筋まで舌を這わせていきました。あまりのことに硬直していたシルヴィでしたが、ランスロットの唇や舌が心地よくて、とてももどかしい気持ちでいっぱいです。シルヴィの両腕を掴んでいた手も緩まり、ランスロットは彼女の肩や腰を優しく抱き始めるのです。ランスロットとぴったりとくっついたシルヴィは、裸のランスロットの体温や胸の鼓動を感じていました。

それでも、ランスロットと離れなければと身体を起こそうとします。ですが、シルヴィの身体を包み込んでいたランスロットの手がするすると動き、彼女の敏感な部分を愛撫し始めたのです。硬くなった乳首を責めるランスロットの指の動きに、シルヴィは悶えてしまうのです。

 「殿下…もう、や……めっ…」

その反応にランスロットも

 「敏感だな」

と、今度は乳首を口に含み始めるのです。火花のような快感と共に、聞こえるちゅっ…ちゅっ…とした乳首を吸う音。吸っては舐めての繰り返しに、シルヴィも「ふ…ぁっ」と声を漏らしてしまうのです。

 「シルヴィ、このままいくぞ」

彼女の耳元でそう囁いたランスロットは、シルヴィのズボンの中へと手を伸ばします。

 (これ以上は…!)

ランスロットの伸びた手を掴んだシルヴィは、意を決します。

 「殿下、私は『清らかな乙女』ではありません。処女ではないのです」

シルヴィの発言に、ランスロットの動きは止まってしまいました。そして、瞬く間に今まで見たこともないような険しい顔つきを見せるのです。

 「誰に抱かれた⁉︎俺が知ってる男か?城内の者か?言え!」

ランスロットは怒りのあまり、シルヴィの胸を力強く掴みました。爪が肌に食い込むほどです。先程まで優しく包み込んでいた同じ手とは考えられないくらいの強い力。痛みに耐えるシルヴィは、質問に答えようとしません。ランスロットを激昂させた恐怖もあったのです。ランスロットの美しい瞳は、もはや厳しい疑いの眼となっています。

 しかし、シルヴィが黙っていると、ランスロットもついに諦め「そうか」と言い、掴んだ手を離していきました。そして、シルヴィの上から降り、横に寝そべってしまいました。

 「お前とはずっと一緒に育ってきた。何でも知っていると思っていたが、知らんこともあったな」

落ち着きを取り戻したランスロットは、穏やかな口調でシルヴィに話しかけていきました。シルヴィも冷静になり、裸でいるランスロットにローブを着せていくのです。

 「知らん女と寝るくらいなら、お前と寝たいと思った。今夜をお前と過ごそうと。しかし、俺の見当違いだったな」

 「殿下、私は…その…」

 「よい、冷める。俺の質問にだけ答えろ。まだその男とは続いているのか?」

シルヴィは首を横に振りました。それを見たランスロットは、「そうか」と目を閉じて眠りにつこうとしました。

着衣の乱れを直したシルヴィは、寝室から出ていこうとしましたが、ランスロットに腕を掴まれ「ここにいろ」と言われます。

 「今日は疲れた。添い寝しろ。朝まで俺のそばにいろ」

シルヴィは命じられたまま、ランスロットに横たわり添い寝することにしました。ランスロットも安心したのか、シルヴィに腕枕をして自分のほうへ抱き寄せ、眠ってしまいました。

 ランスロットを怒らせてしまったシルヴィの心は、とても痛んでいました。掴まれた乳房にはランスロットの爪痕が痛みとともにくっきりと残っており、より悲しさを表しているかのようです。

すると、すぅすぅと寝息を立てていたランスロットが、シルヴィの耳を口に含み始めました。これは、ランスロットの幼い頃からの『何かに甘えたいとき』の癖なのです。クマのぬいぐるみの耳をかじったり、毛布の端っこを唇に含んだりする、シルヴィがよく見てきた癖でした。

自分に甘えてきたランスロットに、シルヴィは愛らしさを感じました。いつも自分を困らせる無愛想な王子様。けれども心を込めて忠誠を誓うただ1人の男性。誠心誠意尽くしたい唯一の人。

 無邪気な顔で眠るランスロットに「ふふ」と笑い、シルヴィはそっとシーツをかけてあげるのでした。
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