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13 レオン殿下が家に来ました

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 私はしっかりと朝七時に起きて、朝食を作りご飯を食べます。
 これが毎日の日課です。

 離婚してしまったので大きな一軒家で一人暮らしで少々寂しいかなと思ったりもします。
 いつもどおり朝食を作ろうとしていたのですが……。

 玄関のドアが『ドンドン』と大きな音で叩かれました。

「こんな早く誰でしょうか……」

 私は玄関の方へ向かいます。
 誰なのかも確認しないでドアを開けてしまいました。ですが、もしも悪人だった場合は返り討ちにできるので問題ありません。

 これでも元冒険者ですから。

「すまないメアリーナ! 突然家に押しかけてしまって!」
「驚きました! おはようございます、レオン殿下と護衛の方々」

 レオン殿下が家に来たことなど初めてです。
 しかも、かなり焦っているようなので、すぐに家の中へ入れます。

「メアリーナ! 君の推測は正しかった! 裏組織の連中の居場所をようやく突き止めることができた!」
「良かったです。やはりザグレームを外に泳がせておけば、最終的には悪の組織グループや犯罪者集団の居場所に逃げ込むと思っていましたから」

 彼は絶対に自主してこない性格だろうと思っていましたからね。
 逃げ場を完全に失ってしまえば、頼れるのは裏組織か犯罪者集落くらいです。

「せっかく逃したのですから、どこかのグループと接触してアジトを突き止められるんじゃないかと思っていました。まさかこんなにあっさり上手くいくとは想定以上ですね。これもレオン殿下のおかげです」

「確かにとんでもない裏組織のアジトを突き止めた。偽の金魂に付けてくれていた発信器を頼りに、諜報部隊がずっと彼らを尾行していたからな……」
「まぁ、あれはどこかで捨てられると思っていましたけど……まさかずっと持ち続けていたとは予想外です」

 愛人を連れてきていたときからこの計画は進めていたのです。
 ザグレームは多額の慰謝料を払うような人ではありません。
 きっと逃げるはず。だからこそ、レオン殿下にお願いして発信器を貰ったりと、色々協力してもらっていました。

「実はその裏組織のことで問題が生じてしまったのだよ……」
「どうかされましたか?」

 レオン殿下の表情が曇っています。
 もしも状況がまずいのであれば、すぐにでも捕まえ詰みで構いませんが。

「尾行した諜報部隊の報告によると、どうやら大規模なテロを計画しているらしい。しかも首謀者は元冒険者三人の女だと言う」
「あ……!」
「何か知っているのか?」
「もしかしたらですが……」

 私には心当たりがありました。
 五年前くらいのことですが、ギルドの報酬で、トラブルになった女性グループがいました。

 私もそのときは冒険者でしたし、一部始終しか見ていませんでした。ですが、確かしょうもないことで揉めて、その後ギルドを去りどこかへ消えてしまったのです。

「名前は聞いていますか?」
「いや、名前は不明だ。だが、自体はまずいことになっている。聞いた情報によれば時限爆弾を仕掛け、王都の壁を破壊した上、街の大半が木っ端微塵になるらしい」
「え!?」

「一刻の猶予も無くなってしまった。ここはメアリーナの力を借り、元冒険者の首謀者もろとも捕まえて欲しいのだ。これはギルドを通した国からの直接依頼になるのだが」

 まだ私の考えている三人の女冒険者と今回の組織の人物が一致していません。なので、はっきりと言えるわけではないですが……。もしも女冒険者達の犯行ならば強力な爆弾はハッタリだろうと思ってしまいホッとしてしまいました。

「では早速捕まえに行きましょうか。これでザグレームも詰みですね」
「……随分と余裕な表情だな。だが、流石に王都を破壊できるほどの爆弾らしいのだ。警戒したほうがいいと思うが……」
「私の想像している相手でしたら多分問題ありません。場所を教えていただけますか?」

 王都の中心部から離れた廃墟建物の地下らしいです。
 念のため、警備や護衛はなしで、近隣の住民にも私が突入したら避難してもらうようにお願いしておきました。

 さて、久しぶりにギルドの任務を果たしてきましょうか。
 そして、ザグレームとシャーラも捕まえてしまいましょう。
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