13 / 19
13 レオン殿下が家に来ました
しおりを挟む
私はしっかりと朝七時に起きて、朝食を作りご飯を食べます。
これが毎日の日課です。
離婚してしまったので大きな一軒家で一人暮らしで少々寂しいかなと思ったりもします。
いつもどおり朝食を作ろうとしていたのですが……。
玄関のドアが『ドンドン』と大きな音で叩かれました。
「こんな早く誰でしょうか……」
私は玄関の方へ向かいます。
誰なのかも確認しないでドアを開けてしまいました。ですが、もしも悪人だった場合は返り討ちにできるので問題ありません。
これでも元冒険者ですから。
「すまないメアリーナ! 突然家に押しかけてしまって!」
「驚きました! おはようございます、レオン殿下と護衛の方々」
レオン殿下が家に来たことなど初めてです。
しかも、かなり焦っているようなので、すぐに家の中へ入れます。
「メアリーナ! 君の推測は正しかった! 裏組織の連中の居場所をようやく突き止めることができた!」
「良かったです。やはりザグレームを外に泳がせておけば、最終的には悪の組織グループや犯罪者集団の居場所に逃げ込むと思っていましたから」
彼は絶対に自主してこない性格だろうと思っていましたからね。
逃げ場を完全に失ってしまえば、頼れるのは裏組織か犯罪者集落くらいです。
「せっかく逃したのですから、どこかのグループと接触してアジトを突き止められるんじゃないかと思っていました。まさかこんなにあっさり上手くいくとは想定以上ですね。これもレオン殿下のおかげです」
「確かにとんでもない裏組織のアジトを突き止めた。偽の金魂に付けてくれていた発信器を頼りに、諜報部隊がずっと彼らを尾行していたからな……」
「まぁ、あれはどこかで捨てられると思っていましたけど……まさかずっと持ち続けていたとは予想外です」
愛人を連れてきていたときからこの計画は進めていたのです。
ザグレームは多額の慰謝料を払うような人ではありません。
きっと逃げるはず。だからこそ、レオン殿下にお願いして発信器を貰ったりと、色々協力してもらっていました。
「実はその裏組織のことで問題が生じてしまったのだよ……」
「どうかされましたか?」
レオン殿下の表情が曇っています。
もしも状況がまずいのであれば、すぐにでも捕まえ詰みで構いませんが。
「尾行した諜報部隊の報告によると、どうやら大規模なテロを計画しているらしい。しかも首謀者は元冒険者三人の女だと言う」
「あ……!」
「何か知っているのか?」
「もしかしたらですが……」
私には心当たりがありました。
五年前くらいのことですが、ギルドの報酬で、トラブルになった女性グループがいました。
私もそのときは冒険者でしたし、一部始終しか見ていませんでした。ですが、確かしょうもないことで揉めて、その後ギルドを去りどこかへ消えてしまったのです。
「名前は聞いていますか?」
「いや、名前は不明だ。だが、自体はまずいことになっている。聞いた情報によれば時限爆弾を仕掛け、王都の壁を破壊した上、街の大半が木っ端微塵になるらしい」
「え!?」
「一刻の猶予も無くなってしまった。ここはメアリーナの力を借り、元冒険者の首謀者もろとも捕まえて欲しいのだ。これはギルドを通した国からの直接依頼になるのだが」
まだ私の考えている三人の女冒険者と今回の組織の人物が一致していません。なので、はっきりと言えるわけではないですが……。もしも女冒険者達の犯行ならば強力な爆弾はハッタリだろうと思ってしまいホッとしてしまいました。
「では早速捕まえに行きましょうか。これでザグレームも詰みですね」
「……随分と余裕な表情だな。だが、流石に王都を破壊できるほどの爆弾らしいのだ。警戒したほうがいいと思うが……」
「私の想像している相手でしたら多分問題ありません。場所を教えていただけますか?」
王都の中心部から離れた廃墟建物の地下らしいです。
念のため、警備や護衛はなしで、近隣の住民にも私が突入したら避難してもらうようにお願いしておきました。
さて、久しぶりにギルドの任務を果たしてきましょうか。
そして、ザグレームとシャーラも捕まえてしまいましょう。
これが毎日の日課です。
離婚してしまったので大きな一軒家で一人暮らしで少々寂しいかなと思ったりもします。
いつもどおり朝食を作ろうとしていたのですが……。
玄関のドアが『ドンドン』と大きな音で叩かれました。
「こんな早く誰でしょうか……」
私は玄関の方へ向かいます。
誰なのかも確認しないでドアを開けてしまいました。ですが、もしも悪人だった場合は返り討ちにできるので問題ありません。
これでも元冒険者ですから。
「すまないメアリーナ! 突然家に押しかけてしまって!」
「驚きました! おはようございます、レオン殿下と護衛の方々」
レオン殿下が家に来たことなど初めてです。
しかも、かなり焦っているようなので、すぐに家の中へ入れます。
「メアリーナ! 君の推測は正しかった! 裏組織の連中の居場所をようやく突き止めることができた!」
「良かったです。やはりザグレームを外に泳がせておけば、最終的には悪の組織グループや犯罪者集団の居場所に逃げ込むと思っていましたから」
彼は絶対に自主してこない性格だろうと思っていましたからね。
逃げ場を完全に失ってしまえば、頼れるのは裏組織か犯罪者集落くらいです。
「せっかく逃したのですから、どこかのグループと接触してアジトを突き止められるんじゃないかと思っていました。まさかこんなにあっさり上手くいくとは想定以上ですね。これもレオン殿下のおかげです」
「確かにとんでもない裏組織のアジトを突き止めた。偽の金魂に付けてくれていた発信器を頼りに、諜報部隊がずっと彼らを尾行していたからな……」
「まぁ、あれはどこかで捨てられると思っていましたけど……まさかずっと持ち続けていたとは予想外です」
愛人を連れてきていたときからこの計画は進めていたのです。
ザグレームは多額の慰謝料を払うような人ではありません。
きっと逃げるはず。だからこそ、レオン殿下にお願いして発信器を貰ったりと、色々協力してもらっていました。
「実はその裏組織のことで問題が生じてしまったのだよ……」
「どうかされましたか?」
レオン殿下の表情が曇っています。
もしも状況がまずいのであれば、すぐにでも捕まえ詰みで構いませんが。
「尾行した諜報部隊の報告によると、どうやら大規模なテロを計画しているらしい。しかも首謀者は元冒険者三人の女だと言う」
「あ……!」
「何か知っているのか?」
「もしかしたらですが……」
私には心当たりがありました。
五年前くらいのことですが、ギルドの報酬で、トラブルになった女性グループがいました。
私もそのときは冒険者でしたし、一部始終しか見ていませんでした。ですが、確かしょうもないことで揉めて、その後ギルドを去りどこかへ消えてしまったのです。
「名前は聞いていますか?」
「いや、名前は不明だ。だが、自体はまずいことになっている。聞いた情報によれば時限爆弾を仕掛け、王都の壁を破壊した上、街の大半が木っ端微塵になるらしい」
「え!?」
「一刻の猶予も無くなってしまった。ここはメアリーナの力を借り、元冒険者の首謀者もろとも捕まえて欲しいのだ。これはギルドを通した国からの直接依頼になるのだが」
まだ私の考えている三人の女冒険者と今回の組織の人物が一致していません。なので、はっきりと言えるわけではないですが……。もしも女冒険者達の犯行ならば強力な爆弾はハッタリだろうと思ってしまいホッとしてしまいました。
「では早速捕まえに行きましょうか。これでザグレームも詰みですね」
「……随分と余裕な表情だな。だが、流石に王都を破壊できるほどの爆弾らしいのだ。警戒したほうがいいと思うが……」
「私の想像している相手でしたら多分問題ありません。場所を教えていただけますか?」
王都の中心部から離れた廃墟建物の地下らしいです。
念のため、警備や護衛はなしで、近隣の住民にも私が突入したら避難してもらうようにお願いしておきました。
さて、久しぶりにギルドの任務を果たしてきましょうか。
そして、ザグレームとシャーラも捕まえてしまいましょう。
1
お気に入りに追加
1,040
あなたにおすすめの小説
【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前
地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。
あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。
私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。
アリシア・ブルームの復讐が始まる。
婚約破棄をされて魔導図書館の運営からも外されたのに今さら私が協力すると思っているんですか?絶対に協力なんてしませんよ!
しまうま弁当
恋愛
ユーゲルス公爵家の跡取りベルタスとの婚約していたメルティだったが、婚約者のベルタスから突然の婚約破棄を突き付けられたのだった。しかもベルタスと一緒に現れた同級生のミーシャに正妻の座に加えて魔導司書の座まで奪われてしまう。罵声を浴びせられ罪まで擦り付けられたメルティは婚約破棄を受け入れ公爵家を去る事にしたのでした。メルティがいなくなって大喜びしていたベルタスとミーシャであったが魔導図書館の設立をしなければならなくなり、それに伴いどんどん歯車が狂っていく。ベルタスとミーシャはメルティがいなくなったツケをドンドン支払わなければならなくなるのでした。
あなたに嘘を一つ、つきました
小蝶
恋愛
ユカリナは夫ディランと政略結婚して5年がたつ。まだまだ戦乱の世にあるこの国の騎士である夫は、今日も戦地で命をかけて戦っているはずだった。彼が戦地に赴いて3年。まだ戦争は終わっていないが、勝利と言う戦況が見えてきたと噂される頃、夫は帰って来た。隣に可愛らしい女性をつれて。そして私には何も告げぬまま、3日後には結婚式を挙げた。第2夫人となったシェリーを寵愛する夫。だから、私は愛するあなたに嘘を一つ、つきました…
最後の方にしか主人公目線がない迷作となりました。読みづらかったらご指摘ください。今さらどうにもなりませんが、努力します(`・ω・́)ゞ
飽きて捨てられた私でも未来の侯爵様には愛されているらしい。
希猫 ゆうみ
恋愛
王立学園の卒業を控えた伯爵令嬢エレノアには婚約者がいる。
同学年で幼馴染の伯爵令息ジュリアンだ。
二人はベストカップル賞を受賞するほど完璧で、卒業後すぐ結婚する予定だった。
しかしジュリアンは新入生の男爵令嬢ティナに心を奪われてエレノアを捨てた。
「もう飽きたよ。お前との婚約は破棄する」
失意の底に沈むエレノアの視界には、校内で仲睦まじく過ごすジュリアンとティナの姿が。
「ねえ、ジュリアン。あの人またこっち見てるわ」
ティナはエレノアを敵視し、陰で嘲笑うようになっていた。
そんな時、エレノアを癒してくれたのはミステリアスなマクダウェル侯爵令息ルークだった。
エレノアの深く傷つき鎖された心は次第にルークに傾いていく。
しかしティナはそれさえ気に食わないようで……
やがてティナの本性に気づいたジュリアンはエレノアに復縁を申し込んでくる。
「君はエレノアに相応しくないだろう」
「黙れ、ルーク。エレノアは俺の女だ」
エレノアは決断する……!
妹に一度殺された。明日結婚するはずの死に戻り公爵令嬢は、もう二度と死にたくない。
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
恋愛
婚約者アルフレッドとの結婚を明日に控えた、公爵令嬢のバレッタ。
しかしその夜、無惨にも殺害されてしまう。
それを指示したのは、妹であるエライザであった。
姉が幸せになることを憎んだのだ。
容姿が整っていることから皆や父に気に入られてきた妹と、
顔が醜いことから蔑まされてきた自分。
やっとそのしがらみから逃れられる、そう思った矢先の突然の死だった。
しかし、バレッタは甦る。死に戻りにより、殺される数時間前へと時間を遡ったのだ。
幸せな結婚式を迎えるため、己のこれまでを精算するため、バレッタは妹、協力者である父を捕まえ処罰するべく動き出す。
もう二度と死なない。
そう、心に決めて。
(完結)夫に殺された公爵令嬢のさっくり復讐劇(全5話)
青空一夏
恋愛
自分に自信が持てない私は夫を容姿だけで選んでしまう。彼は結婚する前までは優しかったが、結婚した途端に冷たくなったヒューゴ様。
私に笑いかけない。話しかけてくる言葉もない。蔑む眼差しだけが私に突き刺さる。
「ねぇ、私、なにか悪いことした?」
遠慮がちに聞いてみる。とても綺麗な形のいい唇の口角があがり、ほんの少し微笑む。その美しさに私は圧倒されるが、彼の口から紡ぎ出された言葉は残酷だ。
「いや、何もしていない。むしろ何もしていないから俺がイライラするのかな?」と言った。
夫は私に・・・・・・お金を要求した。そう、彼は私のお金だけが目当てだったのだ。
※異世界中世ヨーロッパ風。残酷のR15。ざまぁ。胸くそ夫。タイムリープ(時間が戻り人生やり直し)。現代の言葉遣い、現代にある機器や製品等がでてくる場合があります。全く史実に基づいておりません。
※3話目からラブコメ化しております。
※残酷シーンを含むお話しには※をつけます。初めにどんな内容かざっと書いてありますので、苦手な方は飛ばして読んでくださいね。ハンムラビ法典的ざまぁで、強めの因果応報を望む方向きです。
幼馴染みに婚約者を奪われ、妹や両親は私の財産を奪うつもりのようです。皆さん、報いを受ける覚悟をしておいてくださいね?
水上
恋愛
「僕は幼馴染みのベラと結婚して、幸せになるつもりだ」
結婚して幸せになる……、結構なことである。
祝福の言葉をかける場面なのだろうけれど、そんなことは不可能だった。
なぜなら、彼は幼馴染み以外の人物と婚約していて、その婚約者というのが、この私だからである。
伯爵令嬢である私、キャサリン・クローフォドは、婚約者であるジャック・ブリガムの言葉を、受け入れられなかった。
しかし、彼は勝手に話を進め、私は婚約破棄を言い渡された。
幼馴染みに婚約者を奪われ、私はショックを受けた。
そして、私の悲劇はそれだけではなかった。
なんと、私の妹であるジーナと両親が、私の財産を奪おうと動き始めたのである。
私の周りには、身勝手な人物が多すぎる。
しかし、私にも一人だけ味方がいた。
彼は、不適な笑みを浮かべる。
私から何もかも奪うなんて、あなたたちは少々やり過ぎました。
私は、やられたままで終わるつもりはないので、皆さん、報いを受ける覚悟をしておいてくださいね?
伯爵令嬢は身の危険を感じるので家を出ます 〜伯爵家は乗っ取られそうですが、本当に私がいなくて大丈夫ですか?〜
超高校級の小説家
恋愛
マトリカリア伯爵家は代々アドニス王国軍の衛生兵団長を務める治癒魔法の名門です。
神々に祝福されているマトリカリア家では長女として胸元に十字の聖痕を持った娘が必ず生まれます。
その娘が使う強力な治癒魔法の力で衛生兵をまとめ上げ王国に重用されてきました。
そのため、家督はその長女が代々受け継ぎ、魔力容量の多い男性を婿として迎えています。
しかし、今代のマトリカリア伯爵令嬢フリージアは聖痕を持って生まれたにも関わらず治癒魔法を使えません。
それでも両親に愛されて幸せに暮らしていました。
衛生兵団長を務めていた母カトレアが急に亡くなるまでは。
フリージアの父マトリカリア伯爵は、治癒魔法に関してマトリカリア伯爵家に次ぐ名門のハイドランジア侯爵家の未亡人アザレアを後妻として迎えました。
アザレアには女の連れ子がいました。連れ子のガーベラは聖痕こそありませんが治癒魔法の素質があり、治癒魔法を使えないフリージアは次第に肩身の狭い思いをすることになりました。
アザレアもガーベラも治癒魔法を使えないフリージアを見下して、まるで使用人のように扱います。
そしてガーベラが王国軍の衛生兵団入団試験に合格し王宮に勤め始めたのをきっかけに、父のマトリカリア伯爵すらフリージアを疎ましく思い始め、アザレアに言われるがままガーベラに家督を継がせたいと考えるようになります。
治癒魔法こそ使えませんが、正式には未だにマトリカリア家の家督はフリージアにあるため、身の危険を感じたフリージアは家を出ることを決意しました。
しかし、本人すら知らないだけでフリージアにはマトリカリアの当主に相応しい力が眠っているのです。
※最初は胸糞悪いと思いますが、ざまぁは早めに終わらせるのでお付き合いいただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる