上 下
2 / 19

2 レオン殿下と作戦会議をしました

しおりを挟む
「おや、メアリーナ様ではないですか。今日はどのようなご用件で?」

「レオン殿下にお時間があれば、面会をお願いしたく来ました」
「早速確認いたします。メアリーナ様は王宮の応接室でお待ちください」

 別に私は貴族家ではありませんよ。

 ですが、レオン殿下とは小さい頃にご縁がありました。
 私のような庶民相手でも友人として、王宮の皆様とも仲良くお付き合いさせていただけてます。

 しばらく待つと、護衛と共にレオン殿下が姿を見せました。
 相変わらずの美男イケメン顔で見るだけで癒されます。

「待たせてすまない。今日は特に用事もなかったから、将棋でも打とうかと思っていたところだ」
「助かりました。実は、例の件でお願いがありまして」

「ふむ、ついに行動に出したというわけか。ザグレームという者はどうやら本物のバカのようだな」
「元妻としてその言葉は痛いですね……」

 レオン殿下には今回の離婚に関して相談していました。
 力になると言っていただいたので、早速協力を要請しに来たというわけです。

 昨晩夜逃げされ、百万円の札束を一つと、金色に装飾した鉄の塊をごっそり盗まれたことを伝えます。

「メアリーナ、過去に私の命を救ってくれたときから感心してはいるんだが……超能力か未来予知の力でもあるのか? よくもまぁ次から次へと予想したとおりに事が進み、感心してしまう」

「いえ、全く。ですが、ザグレームの性格と行動パターンを推測すると、慰謝料を素直に払うとは思えませんでした。逃げるか私の命を狙うかどちらかと」

「はっはっは……流石に返り討ちにあうだろうから命は狙えなかったのだろう。メアリーナは私の護衛になってもらいたいくらいだ」
「それはご勘弁を。私はあくまでのんびりと過ごしたいので……」

 今まで稼いできたお金で、今は緩くスローライフを送っています。それは前職の活動をしていたときから決めていたことですから。

「本題ですが、この後彼らは王都から脱出する可能性が高いと推測します。ですが、護衛もなしに隣の町までの移動はほぼ不可能……となると夕方出発の馬車を利用するかと」

「ふむ……確かに王都の周りには凶悪な野生生物が多く生息しているからな。メアリーナほどの実力を持ったものが一緒でないと死ぬリスクの方が高いだろう」

「そこで、可能ならば馬車の利用を制限して欲しいのです。念のために、王都の出入り口の検問所でザグレームとシャーラの外出を禁止していただきたいです」

 まずは王都から逃げられないように囲っておきましょう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前

地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。 あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。 私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。 アリシア・ブルームの復讐が始まる。

婚約破棄をされて魔導図書館の運営からも外されたのに今さら私が協力すると思っているんですか?絶対に協力なんてしませんよ!

しまうま弁当
恋愛
ユーゲルス公爵家の跡取りベルタスとの婚約していたメルティだったが、婚約者のベルタスから突然の婚約破棄を突き付けられたのだった。しかもベルタスと一緒に現れた同級生のミーシャに正妻の座に加えて魔導司書の座まで奪われてしまう。罵声を浴びせられ罪まで擦り付けられたメルティは婚約破棄を受け入れ公爵家を去る事にしたのでした。メルティがいなくなって大喜びしていたベルタスとミーシャであったが魔導図書館の設立をしなければならなくなり、それに伴いどんどん歯車が狂っていく。ベルタスとミーシャはメルティがいなくなったツケをドンドン支払わなければならなくなるのでした。

今夜、元婚約者の結婚式をぶち壊しに行きます

結城芙由奈 
恋愛
【今夜は元婚約者と友人のめでたい結婚式なので、盛大に祝ってあげましょう】 交際期間5年を経て、半年後にゴールインするはずだった私と彼。それなのに遠距離恋愛になった途端彼は私の友人と浮気をし、友人は妊娠。結果捨てられた私の元へ、図々しくも結婚式の招待状が届けられた。面白い…そんなに私に祝ってもらいたいのなら、盛大に祝ってやろうじゃないの。そして私は結婚式場へと向かった。 ※他サイトでも投稿中 ※苦手な短編ですがお読みいただけると幸いです

完結 喪失の花嫁 見知らぬ家族に囲まれて

音爽(ネソウ)
恋愛
ある日、目を覚ますと見知らぬ部屋にいて見覚えがない家族がいた。彼らは「貴女は記憶を失った」と言う。 しかし、本人はしっかり己の事を把握していたし本当の家族のことも覚えていた。 一体どういうことかと彼女は震える……

飽きて捨てられた私でも未来の侯爵様には愛されているらしい。

希猫 ゆうみ
恋愛
王立学園の卒業を控えた伯爵令嬢エレノアには婚約者がいる。 同学年で幼馴染の伯爵令息ジュリアンだ。 二人はベストカップル賞を受賞するほど完璧で、卒業後すぐ結婚する予定だった。 しかしジュリアンは新入生の男爵令嬢ティナに心を奪われてエレノアを捨てた。 「もう飽きたよ。お前との婚約は破棄する」 失意の底に沈むエレノアの視界には、校内で仲睦まじく過ごすジュリアンとティナの姿が。 「ねえ、ジュリアン。あの人またこっち見てるわ」 ティナはエレノアを敵視し、陰で嘲笑うようになっていた。 そんな時、エレノアを癒してくれたのはミステリアスなマクダウェル侯爵令息ルークだった。 エレノアの深く傷つき鎖された心は次第にルークに傾いていく。 しかしティナはそれさえ気に食わないようで…… やがてティナの本性に気づいたジュリアンはエレノアに復縁を申し込んでくる。 「君はエレノアに相応しくないだろう」 「黙れ、ルーク。エレノアは俺の女だ」 エレノアは決断する……!

妹に一度殺された。明日結婚するはずの死に戻り公爵令嬢は、もう二度と死にたくない。

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
恋愛
婚約者アルフレッドとの結婚を明日に控えた、公爵令嬢のバレッタ。 しかしその夜、無惨にも殺害されてしまう。 それを指示したのは、妹であるエライザであった。 姉が幸せになることを憎んだのだ。 容姿が整っていることから皆や父に気に入られてきた妹と、 顔が醜いことから蔑まされてきた自分。 やっとそのしがらみから逃れられる、そう思った矢先の突然の死だった。 しかし、バレッタは甦る。死に戻りにより、殺される数時間前へと時間を遡ったのだ。 幸せな結婚式を迎えるため、己のこれまでを精算するため、バレッタは妹、協力者である父を捕まえ処罰するべく動き出す。 もう二度と死なない。 そう、心に決めて。

(完結)夫に殺された公爵令嬢のさっくり復讐劇(全5話)

青空一夏
恋愛
 自分に自信が持てない私は夫を容姿だけで選んでしまう。彼は結婚する前までは優しかったが、結婚した途端に冷たくなったヒューゴ様。  私に笑いかけない。話しかけてくる言葉もない。蔑む眼差しだけが私に突き刺さる。  「ねぇ、私、なにか悪いことした?」  遠慮がちに聞いてみる。とても綺麗な形のいい唇の口角があがり、ほんの少し微笑む。その美しさに私は圧倒されるが、彼の口から紡ぎ出された言葉は残酷だ。 「いや、何もしていない。むしろ何もしていないから俺がイライラするのかな?」と言った。  夫は私に・・・・・・お金を要求した。そう、彼は私のお金だけが目当てだったのだ。 ※異世界中世ヨーロッパ風。残酷のR15。ざまぁ。胸くそ夫。タイムリープ(時間が戻り人生やり直し)。現代の言葉遣い、現代にある機器や製品等がでてくる場合があります。全く史実に基づいておりません。 ※3話目からラブコメ化しております。 ※残酷シーンを含むお話しには※をつけます。初めにどんな内容かざっと書いてありますので、苦手な方は飛ばして読んでくださいね。ハンムラビ法典的ざまぁで、強めの因果応報を望む方向きです。

幼馴染みに婚約者を奪われ、妹や両親は私の財産を奪うつもりのようです。皆さん、報いを受ける覚悟をしておいてくださいね?

水上
恋愛
「僕は幼馴染みのベラと結婚して、幸せになるつもりだ」 結婚して幸せになる……、結構なことである。 祝福の言葉をかける場面なのだろうけれど、そんなことは不可能だった。 なぜなら、彼は幼馴染み以外の人物と婚約していて、その婚約者というのが、この私だからである。 伯爵令嬢である私、キャサリン・クローフォドは、婚約者であるジャック・ブリガムの言葉を、受け入れられなかった。 しかし、彼は勝手に話を進め、私は婚約破棄を言い渡された。 幼馴染みに婚約者を奪われ、私はショックを受けた。 そして、私の悲劇はそれだけではなかった。 なんと、私の妹であるジーナと両親が、私の財産を奪おうと動き始めたのである。 私の周りには、身勝手な人物が多すぎる。 しかし、私にも一人だけ味方がいた。 彼は、不適な笑みを浮かべる。 私から何もかも奪うなんて、あなたたちは少々やり過ぎました。 私は、やられたままで終わるつもりはないので、皆さん、報いを受ける覚悟をしておいてくださいね?

処理中です...