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 時間稼ぎにもなりますし、落ち着くまで眺めています。
 その間にレミファさんには警備兵を呼びに行ってもらっていますが。

「そもそもルフナ! アンタがいけないんですのよー! とっとと私を第二夫人として認めてアンタの親の養子にさせてもらえば丸く済んだというものを……」

 そんなことを言われる筋合いはどこにもありません。
 お父様からは『二人の更生があるようならば免除の余地も……』と仰っていましたが、全く反省の気配もありませんね。

「貴様、ルフナ様に向かってなんという発言を……」

「だいたいソラシよ。何故ルフナが帰ってきたにもかかわらず使用人としてここにいるのだ!? ルフナの外出中を理由に雇われただけなんだろ? それが迷惑だったんだよ」
 あぁ……今度はソラシさんにあたるのですか……。もう全くもって改善の余地はないと判断せざるをえませんね。

 しっかりと私から説明します。
「お父様の命令です。私は反対したかったのですが、旦那様が少しでも厳しい教育によって心を入れ替え改善するようなら離婚はしないで欲しいと言われていたものですから。だから使用人のお二人には継続して滞在してもらっていたのです」
「なんだって!?」

「お父様は二人揃って貴族としての嗜みや教育もできるようになるならば第二夫人という件も考慮していたほどですから」
「「な!?」」

 嘘は言っていません。ですが、お父様も私も、絶対にそのような展開になるとは思っていませんでしたからね。
 万が一これを機会に立派な貴族になれたらそのときはそのときです。そうなってしまったら、もしかしたら私はクミンさんを歓迎していたのかもしれませんね。

「よし、分かった。私は心を今入れ替えた。だから離婚はしないしクミンを養子にした上で第二夫人にさせてくれ」
「ア……アタシも心を入れ替えますわ! だから先ずお風呂貸してくださらない?」

 ソラシさんは大きくため息を吐きます。
「はぁ……ここまで手が掛かる生徒は初めてだ……あれほど厳しく教育をしたのだし少しは変わるかと期待もしたのだが」

 ソラシさんの実力を駆使しても改善できないとは、旦那様は本当に凄いと思いますよ。

「今後一緒にいるのは無理でしょうね……残念ですが、旦那様とはやはり離婚をします。しっかりと愛人関係のことも裁判で発言しますので、情状酌量の余地はないとお考えください」

 二人の顔が真っ青になりました。
 とは言っても、実際のところは情状酌量ではありませんが、こちらから行った数日間の悪戯行為も裁判で話すつもりです。
 これによって、極刑は免れるんじゃないかとは思いますがね。


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