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この男の胸ぐらを掴みたくなってしまう。
でも、横で聞きながらイライラしている義兄様や沢山の兵士がいる手前、なんとか我慢した。
「シャロンの病気を治すためだよ。そのために彼女の望みを聞いたまでだ。だから不倫行為ではないと思うし、そもそも俺はシャロンに恋愛としての恋心はないのだし」
つまりハーベストの言い分を要約すると、義妹のためだったら婚約者の気持ちなど無視してなんでもするということか。
そもそも前からそうだった。
デートする当日も体温がちょっと上がっただけで大騒ぎして、義妹を優先した。
私が高熱でも容赦無く外へ連れ出したと思ったら、義妹が鼻水を出しただけで私を放置して走って家に帰っていったし。
「私より義妹のシャロンさんのことが大事ですもんね。ですが、何度もいいますが、シャロンさんは超を付けていいほど健康ですが」
「それは絶対にあり得ない。それに捕まったとはいえ、健康診断を受けさせてもらっているのだろう? 結果が分かるのも時間の問題だ」
最後まで私のいうことを聞かずにシャロンさんのことを信じていられる愛情は素晴らしいと思う。
ここまで愛されたら、シャロンさんがハーベストのことを愛してしまうのも分からないでもない。
「ジュリエル、ここはチャンスをくれないか?」
「なんでしょうか?」
「もしもシャロンが仮病だったら私との婚約を破棄してもらってもいい。だが、シャロンが本当に病気だったら、シャロンも父様や義母様も無罪にして、私と結婚してほしい」
絶対に負けるはずがないのだが、こればっかりは私の判断だけで決められるはずがない。
もちろん、私の命を狙ったこと自体の訴えを却下すれば無罪にすることはできるけれども、これだけたくさんの人を巻き込んでしまっているのだから……。
「いいだろう!」
突然義兄様がそう言うのだ。
「お前の条件に加え、もしも長期的な病気だったら俺の医療資格を帳消しにしよう。まぁ病気か見抜けなかったのだから当然のことだ」
「その言葉後悔しますよ」
「だが、もしも仮病だった場合だが、お前の条件にもう一つ加えたい。ジュリエルが良いといえばの話だが」
義兄様が何を言い出すかは知らないが、任せることにした。
「どうせシャロンは重度の病気なのだ。どんな要求でも無駄になるので、聞きましょう」
「そうか……では、──」
義兄様の言い出した条件とは、私だけでなく、周りで聞いていた兵士、更にハーベスト自身も驚いていたようだった。
「別に構いませんが……」
ハーベストは不思議そうな顔をして呟いた。
でも、横で聞きながらイライラしている義兄様や沢山の兵士がいる手前、なんとか我慢した。
「シャロンの病気を治すためだよ。そのために彼女の望みを聞いたまでだ。だから不倫行為ではないと思うし、そもそも俺はシャロンに恋愛としての恋心はないのだし」
つまりハーベストの言い分を要約すると、義妹のためだったら婚約者の気持ちなど無視してなんでもするということか。
そもそも前からそうだった。
デートする当日も体温がちょっと上がっただけで大騒ぎして、義妹を優先した。
私が高熱でも容赦無く外へ連れ出したと思ったら、義妹が鼻水を出しただけで私を放置して走って家に帰っていったし。
「私より義妹のシャロンさんのことが大事ですもんね。ですが、何度もいいますが、シャロンさんは超を付けていいほど健康ですが」
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最後まで私のいうことを聞かずにシャロンさんのことを信じていられる愛情は素晴らしいと思う。
ここまで愛されたら、シャロンさんがハーベストのことを愛してしまうのも分からないでもない。
「ジュリエル、ここはチャンスをくれないか?」
「なんでしょうか?」
「もしもシャロンが仮病だったら私との婚約を破棄してもらってもいい。だが、シャロンが本当に病気だったら、シャロンも父様や義母様も無罪にして、私と結婚してほしい」
絶対に負けるはずがないのだが、こればっかりは私の判断だけで決められるはずがない。
もちろん、私の命を狙ったこと自体の訴えを却下すれば無罪にすることはできるけれども、これだけたくさんの人を巻き込んでしまっているのだから……。
「いいだろう!」
突然義兄様がそう言うのだ。
「お前の条件に加え、もしも長期的な病気だったら俺の医療資格を帳消しにしよう。まぁ病気か見抜けなかったのだから当然のことだ」
「その言葉後悔しますよ」
「だが、もしも仮病だった場合だが、お前の条件にもう一つ加えたい。ジュリエルが良いといえばの話だが」
義兄様が何を言い出すかは知らないが、任せることにした。
「どうせシャロンは重度の病気なのだ。どんな要求でも無駄になるので、聞きましょう」
「そうか……では、──」
義兄様の言い出した条件とは、私だけでなく、周りで聞いていた兵士、更にハーベスト自身も驚いていたようだった。
「別に構いませんが……」
ハーベストは不思議そうな顔をして呟いた。
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