6 / 15
6 大商人宅での仕事
しおりを挟む「「「「「「「「「「お帰りなさいませ!」」」」」」」」」」
たくさんの使用人が出迎えています。男女比は概ね同じくらいでしょうか。
家の規模も相当な大きさで、迷子になってしまうのではないかと思うほどです。
「うむ、今日からの新人メイドとして住み込みで雇うことにしたジューリーだ。みんな仲良くしてあげてほしい」
どう見ても優秀そうな使用人達に囲まれ、私は緊張してしまいました。
とてもじゃないですが、私のような新人のペーペーが一緒にできるとは思えません。
ですが、やるからにはしっかりと覚えて少しでも役立てるようにしたいです。
「旦那様、私をお招きくださりありがとうございます」
主従関係になりますので、これからはザーレムさんとは呼ばずにこのように読んだのですが……笑われてしまいましたね。
「はっはっは……ジューリー。今まで通りで良いのだよ。ここでの決まりごととして、主従関係はあるが仲良くするのが第一条件なのだから。先程までのようにザーレムと呼んでくれれば良い。とは言え、何も言わずともそのように呼べるとは……ジューリーには期待せずにはいられないな」
すぐにたくさんの使用人から紹介をいただきましたが、そこまで記憶力が良いわけではないので、こんなにたくさんの名前をいっぺんに覚えられるかどうか……。
早速働くつもりでしたが、この日は客人扱いで丁重にもてなされてしまったのです。
お湯が出る水浴びをさせていただけたのがとても幸せでした。
更に、食事もザーレムさんと一緒にできるとは……。
普通ならば主人様が食事の際にメイドや使用人が一緒に食べるなど許されないことだと思っていましたが……。
「さて、こうして同じ卓で食事をする前に息子と妻を紹介しようか」
「ルーシア=ハイマーネです」
「ロイス=ハイマーネだ。よろしく頼むぞ」
ルーシアさんは家でも綺麗なドレス姿です。わずかに出ている胸元からは隠し切れないほどの大きな物が出ています。
対してロイスさんは随分とラフなスタイルで、言動から察するに活発な男性のようだと感じました。
かなりの筋肉質のようで、スタイルも良く、顔も相当整っています。
さすがザーレムさんとルーシアさんの子供というのがよくわかりますね。
「お初にお目にかかります。ジューリーと申します。此度はザーレムさんに命を救われ、更にこちらに仕えさせていただけることになりました。よろしくお願い致します」
「ほう、親父がスカウトしてきただけのことはあるな。礼儀正しいしおまけに可愛い」
「ロイスちゃんも少しは見習いましょうね……」
「大丈夫だ。しっかりと公の場では言葉を選んでいるから。ジューリーと言ったな。食事の後俺の部屋へ来てくれ。なぁに、変なことはしないから安心しろ」
何かの危険なフラグでしょうか。こういうことを事前に言われると余計に心配になってきてしまいます。
ですが、ザーレムさんの息子ならば大丈夫でしょう……多分。
「ロイス、ジューリーに手を出したら勿論勘当だぞ?」
「心配するなって、息子を信用してくれよ……」
食事はとても美味しかったのですが、ロイスさんの発言が恐くなってしまって集中できませんでした。
たくさんの使用人が出迎えています。男女比は概ね同じくらいでしょうか。
家の規模も相当な大きさで、迷子になってしまうのではないかと思うほどです。
「うむ、今日からの新人メイドとして住み込みで雇うことにしたジューリーだ。みんな仲良くしてあげてほしい」
どう見ても優秀そうな使用人達に囲まれ、私は緊張してしまいました。
とてもじゃないですが、私のような新人のペーペーが一緒にできるとは思えません。
ですが、やるからにはしっかりと覚えて少しでも役立てるようにしたいです。
「旦那様、私をお招きくださりありがとうございます」
主従関係になりますので、これからはザーレムさんとは呼ばずにこのように読んだのですが……笑われてしまいましたね。
「はっはっは……ジューリー。今まで通りで良いのだよ。ここでの決まりごととして、主従関係はあるが仲良くするのが第一条件なのだから。先程までのようにザーレムと呼んでくれれば良い。とは言え、何も言わずともそのように呼べるとは……ジューリーには期待せずにはいられないな」
すぐにたくさんの使用人から紹介をいただきましたが、そこまで記憶力が良いわけではないので、こんなにたくさんの名前をいっぺんに覚えられるかどうか……。
早速働くつもりでしたが、この日は客人扱いで丁重にもてなされてしまったのです。
お湯が出る水浴びをさせていただけたのがとても幸せでした。
更に、食事もザーレムさんと一緒にできるとは……。
普通ならば主人様が食事の際にメイドや使用人が一緒に食べるなど許されないことだと思っていましたが……。
「さて、こうして同じ卓で食事をする前に息子と妻を紹介しようか」
「ルーシア=ハイマーネです」
「ロイス=ハイマーネだ。よろしく頼むぞ」
ルーシアさんは家でも綺麗なドレス姿です。わずかに出ている胸元からは隠し切れないほどの大きな物が出ています。
対してロイスさんは随分とラフなスタイルで、言動から察するに活発な男性のようだと感じました。
かなりの筋肉質のようで、スタイルも良く、顔も相当整っています。
さすがザーレムさんとルーシアさんの子供というのがよくわかりますね。
「お初にお目にかかります。ジューリーと申します。此度はザーレムさんに命を救われ、更にこちらに仕えさせていただけることになりました。よろしくお願い致します」
「ほう、親父がスカウトしてきただけのことはあるな。礼儀正しいしおまけに可愛い」
「ロイスちゃんも少しは見習いましょうね……」
「大丈夫だ。しっかりと公の場では言葉を選んでいるから。ジューリーと言ったな。食事の後俺の部屋へ来てくれ。なぁに、変なことはしないから安心しろ」
何かの危険なフラグでしょうか。こういうことを事前に言われると余計に心配になってきてしまいます。
ですが、ザーレムさんの息子ならば大丈夫でしょう……多分。
「ロイス、ジューリーに手を出したら勿論勘当だぞ?」
「心配するなって、息子を信用してくれよ……」
食事はとても美味しかったのですが、ロイスさんの発言が恐くなってしまって集中できませんでした。
13
お気に入りに追加
1,233
あなたにおすすめの小説
完結 恋人を略奪されましたが幸運でした!
音爽(ネソウ)
恋愛
学生時代から張り合ってくる悪友がいた。相手にもされていないのに呆れた事だ。
卒業後、社会人になった二人だが、距離を置いてもやたら絡まれる。
そんな時、恋人と街を歩いているとまたも悪友が現れて……
どうして別れるのかと聞かれても。お気の毒な旦那さま、まさかとは思いますが、あなたのようなクズが女性に愛されると信じていらっしゃるのですか?
石河 翠
恋愛
主人公のモニカは、既婚者にばかり声をかけるはしたない女性として有名だ。愛人稼業をしているだとか、天然の毒婦だとか、聞こえてくるのは下品な噂ばかり。社交界での評判も地に落ちている。
ある日モニカは、溺愛のあまり茶会や夜会に妻を一切参加させないことで有名な愛妻家の男性に声をかける。おしどり夫婦の愛の巣に押しかけたモニカは、そこで虐げられている女性を発見する。
彼女が愛妻家として評判の男性の奥方だと気がついたモニカは、彼女を毎日お茶に誘うようになり……。
八方塞がりな状況で抵抗する力を失っていた孤独なヒロインと、彼女に手を差し伸べ広い世界に連れ出したしたたかな年下ヒーローのお話。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID24694748)をお借りしています。
【完結】出逢ったのはいつですか? えっ? それは幼馴染とは言いません。
との
恋愛
「リリアーナさーん、読み終わりましたぁ?」
今日も元気良く教室に駆け込んでくるお花畑ヒロインに溜息を吐く仲良し四人組。
ただの婚約破棄騒動かと思いきや・・。
「リリアーナ、だからごめんってば」
「マカロンとアップルパイで手を打ちますわ」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
完結 王子は貞操観念の無い妹君を溺愛してます
音爽(ネソウ)
恋愛
妹至上主義のシスコン王子、周囲に諌言されるが耳をを貸さない。
調子に乗る王女は王子に婚約者リリジュアについて大嘘を吹き込む。ほんの悪戯のつもりが王子は信じ込み婚約を破棄すると宣言する。
裏切ったおぼえがないと令嬢は反論した。しかし、その嘘を真実にしようと言い出す者が現れて「私と婚約してバカ王子を捨てないか?」
なんとその人物は隣国のフリードベル・インパジオ王太子だった。毒親にも見放されていたリリジュアはその提案に喜ぶ。だが王太子は我儘王女の想い人だった為に王女は激怒する。
後悔した王女は再び兄の婚約者へ戻すために画策するが肝心の兄テスタシモンが受け入れない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる