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33 ガルカ視点その2 交渉したが皆バカばっかり

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 翌日、レムは家で新作のデザインを作るのだと言って倉庫内で作業を始めている。良いことだ。
 というわけで、俺は一人で王都内のファッション店に現物を持って営業をしに行った。

 だが……。

「あー無理無理、こんな服見ただけでわかる。売れるわけがない」
「これはギャグかい? こんなダッセー服を誰が着るんだ? 余程の金持ちで尚且つファッションコレクターじゃなきゃ買わないだろう」
「驚いた……こんなデザインで服を製作するとは……天才だ。絶対に売れないだろう……帰ってくれ」
「バカなんですか!? こんなヘボヘボダサダサの服なんて、無料だとしてもいらないわよ。……あ、でもバラして資源としては使えるわね……」 

 どこの店も皆バカなのだろうか。それとも、ファッションに無頓着な俺がバカなのか?

 冷静に考えてみよう。



「やはり店がバカどもなのだな」

 今営業しに行った店はそもそもそんなに人気があるわけではない。
 だって、レムの服はバカ売れするんだし、どうせならば人気がない店でビジネスチャンスを与えれば売れない店が一気に大繁盛するだろ?
 俺はそこまで考えてやったのに……。

「こんなカスのようなヘボい店は潰れてしまうが良い!」

 最後の変な女がオーナーだった店にペッと唾を吐き捨てて別の場所へ移動した。
 今度は貴族御用達のファッション店へ向かう。

 ただし、シェリルの親が経営している店だけは避けておく。常識的に考えれば離婚した相手の親を頼りにはしたくないし、そこに利益が生まれてしまうのも気にくわないからだ。

「申し訳ございませんが、当店ではそのような服は販売出来かねます」
「素材の生地も低級品であれば、デザインも低級品ですね。このようなものを貴族の方々がお気に召すとでも思いますか?」
「……二度と来ないでください。近寄らないでください。この服を見ただけで目が腐ります」

 なんということだ……貴族御用達の店でも全店で断られてしまった。

 こうなれば、……どうしたら良いんだろう……。
 良い案が浮かばない。
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