【完結】新婚生活初日から、旦那の幼馴染も同居するってどういうことですか?

よどら文鳥

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22 ガルカ視点 離婚

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 くそ……くそう……くっそーーーう!

 なぜ離婚裁判がこんなに簡単に進んでしまったのだ……。

 なぜ俺とレムがホテルに入っていく映像や不倫行為を行った映像までもが……。

 なぜ俺とレムに慰謝料をそれぞれ五億も請求されるんだ……。

 なぜ親父に勘当されて追い出されてしまったんだ……。


 案の定、証拠を突きつけられ、シェリルとは離婚した。

 しかも……。
 入ってくると思っていたシェリルの稼ぎが全く入ってこないと言われてしまった。

 事実上俺は借金五億生活を余儀なくされてしまう。
 レムの借金も合わせると十億だ。

「ガルカ、大丈夫よ。私が一緒にいるじゃない」
「レム……」

 レムの言葉は温かい。
 何もかもを失った俺だが、レムという存在だけは残っていた。

「これだけの借金に加え住む場所もないのだぞ……どうしろと」
「ふっふっふー、私のデザインが残っているわよ」

 そうか、シェリルをも圧倒したというレムのデザインの才能か。

「幸い、ガルカのお父さん……いえ、ザッカムさんと商売として契約は継続できてるし、もうすぐ出来上がる服をバンバン売って借金を返済しましょ!」

 何という優しい言葉をかけてくれるのだレム……。
 俺の幼馴染はここまで優しく、経済力もあってまるで天使のようだ。

「レム、予定は狂ってしまったが、俺はこの後の人生、レムだけを愛していきたい」
「その言葉を待ってたのよ! ありがとうガルカ。一緒に頑張っていきましょ!」

 なるほど……俺はこのとき、なぜ離婚したのかがよくわかった。
 全てはレムと結ばれるためなのだ。
 シェリルの財産を奪えば楽かと思って、レムとのハッピーエンドは遠回りになってしまったのだが、結果近道だったのだ。
 レムの才能が活性化した。
 これならばシェリルから財産を奪うよりもはるかに高額の金を稼げるかもしれない。
 手土産に十億もの損害賠償をシェリルに払うことになったが、その代わりにシェリルはデザイナーとしての本業を失った。

 そうかそうか。やはり人生とは面白いものだな。
 嫌なことかと思ったが、これは一時的なものだ。

 俺たちの幸せへの道のりは始まったばかりなのだー。
 シェリル……離婚をさせたことを後悔させてやろう。


--------------------------

【後書き】

読んでいただきありがとうございます。
本日投稿した新作のお知らせになります。

新作『旦那様は、妻の私よりも平民の愛人を大事にしたいようです』

こちらも是非、宜しくお願い致します。


 尚、今回のお話でシェリルとガルカは離婚しましたが、ここからが本番になります。
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