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15 レム視点 (1) パンドラに一泡吹かせたい

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 ここ数日、シェリルさんは毎日外に出かけている。
 デザイナーの仕事もついにサボるようになったのか。

 ふっふっふーー!

 私のデザインがあまりにも良すぎたから、きっと仕事が無くなっちゃって拗ねているのね!

 それにしても、いつになったら私のもとへデザイン報酬が入ってくるのだろうか。
 早く貰わないと、とてもじゃないけど耐えられない。全部使っちゃったし……。

 浪費が激しい原因はストレスが酷くて……。使用人の教育が厳しすぎるのだ。あーでもないこーでもないと文句しか言わないのよあいつら。まるで私に対してのいじめね。

 でも、もう暫くの我慢よ。そうすればシェリルさんやうるさい使用人達ともお別れして、ガルカと幸せな日々を送れるようになるのだから。


「レム、親父に呼ばれたんで実家に行くんだが、一緒に行くか?」
「良いタイミングね! もちろん行くわ。ガルカのお父さんに聞きたいこともあったし」

 とにかくデザイン画の報酬が早く欲しい。
 もしかしたらシェリルさんが黙ってネコババしているかもしれないし、念のために聞いておいた方が良いだろう。

 それにガルカと二人っきりで出かけられるなら、使用人を撒いてベッタリするチャンスだし。

「実家に行ってくる」
「承知しました。行ってらっしゃいませ」

 あれ? おかしいな。今日は使用人達がついてこないんだ……。いつもはストーカーのようにくっついてくるのに。
 まぁ良いや。ラッキーー!!

 これでガルカと思う存分べったりできるってことね!

 ♢

 ガルカの実家へ帰ってきた。
 ここでずっと生活させてもらってたんだもんな……今思うとちっちゃい家なんだなぁ。
 今の家と比べたら犬小屋みたいね……。

 ガルカ達が二人で話し合いをしている間、私は久しぶりに会うここの使用人にドヤ顔でもしておきましょうか。
 あっちの家の使用人達にみっちりしごかれたから、低級な使用人には一泡吹かせてやりたい。

 あ、いたいた。小さい家だからすぐに見つけられるのね。
 相変わらず膝上のミニスカメイド服を着て無愛想な態度をしていらっしゃること……。

「パンドラさん、お久しぶりね」
「……レズさんでしたっけ?」

 このメイド、頭大丈夫かしら。
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