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13 お父様に相談した
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そもそも、そこまでの話を今このタイミングで聞かされるというのも出来すぎている気がした。
もし本当に抜粋されるならば、もっと前からそういう話があっても良かったんじゃないかと思うし、何か引っかかる。
と、色々と考えてしまうが今の私にとって、この話に乗っからない手はないだろう。
「わかりました。検討の上、後日製造場所へも伺わせていただいてもよろしいですか?」
「もちろんです」
検討の上とは言ったが、私の中ではすでに決まっている。
こういった場合、即答で返事をするよりも数日間待ってから返事をした方が色々と良い場合が多い。
それに、お父様にはこのことを伝えてからでないとまずいだろう。
ガルカに不倫されていることと、利用されていることもこの際ハッキリと伝えようと決めた。
国からの案件によって、私の人生が大きく変わりそうな予感がした。
♢
実家に帰り、お父様には、今後王宮にあるという仕立屋で製造を依頼したいという件を話したところだった。
「ほう、お前にしては珍しいな。もちろん否定はしないが、今まで世話になったデーギス家には気の毒だな」
「一年間ですが、国から補助金が出るそうですよ。ですから、むしろデーギス家は儲かるのではないかと」
しかし、お父様は首を傾げていた。
「いくら出ると言っていた?」
「確か、一萬紙幣で一万枚と言っていましたが」
「ほう、これをシェリルは儲かると思っているのか?」
「保証としては多いかと思いますけど……」
「甘いな。むしろ俺は安すぎると思っている。国が何故そんなに安すぎる保証しかしないのか理解できんな」
これは想定外だった。
確かに民間人としてはかなり稼げている方だと言えるだろう。だが、一億を安いという程の経済効果を生みだしているとは思えない。
「金に関しては今まで俺たちが管理していたから知らないのだろうが、はっきり言おう。一億程度の補償金では一ヶ月分の金額にも満たないだろう」
「え!?」
「金だけならまだ良い。そもそもシェリル、お前の存在を失うということがどれほどの損失か分かっていないのだよ」
何を言い出すかと思えば、さすがに過大評価しすぎでしょう。
「国の対応もどうかと……。すまないが、何か特別な理由がない限りは、仕事としては反対かもしれんな……。デーギス家に何か問題があるのならば別だが」
「それが……デーギス家というか、ガルカに問題がありまして……」
話の流れで、幼馴染のレムと不倫関係であること、私の報酬である程度金を貯めたら私を捨てるということも話した。
「あの男、まさかそのようなクズだったとは……この話、嘘じゃないんだな!?」
お父様の顔が恐ろしいほどに強張っていた。
私は恐る恐る首を縦に振る。
「離婚も考えていましたが、そうなってしまうとデーギス家との契約がなくなってしまうんじゃないかと……。ですから、今回はチャンスかと思いました。ですから国の仕立屋と契約を結ぼうかと……」
「シェリルよ……お前も馬鹿なのか? なんでそこまで酷い状況にあっていながら相談をしなかったのだ?」
「だって、困るじゃないですか。私はともかく、実家で経営困難になってしまったら……」
「経営などどうでも良いとは言わんが、それでもシェリルの幸せが一番に決まっているだろうが! むしろ、そんなことを知ってしまえば即デーギス家との付き合いも終わりにする」
お父様からこの後、長いお説教を受けた。
もっと私自身のことを優先しろとか、早く離婚しろとか……。
そして、一秒でも早く契約を結べと言われた。
よって、明日急遽王宮の方へ顔を出して契約を結ぶことになってしまった。
まだ工場とか確認していないのだけれど大丈夫なのだろうか。
もし本当に抜粋されるならば、もっと前からそういう話があっても良かったんじゃないかと思うし、何か引っかかる。
と、色々と考えてしまうが今の私にとって、この話に乗っからない手はないだろう。
「わかりました。検討の上、後日製造場所へも伺わせていただいてもよろしいですか?」
「もちろんです」
検討の上とは言ったが、私の中ではすでに決まっている。
こういった場合、即答で返事をするよりも数日間待ってから返事をした方が色々と良い場合が多い。
それに、お父様にはこのことを伝えてからでないとまずいだろう。
ガルカに不倫されていることと、利用されていることもこの際ハッキリと伝えようと決めた。
国からの案件によって、私の人生が大きく変わりそうな予感がした。
♢
実家に帰り、お父様には、今後王宮にあるという仕立屋で製造を依頼したいという件を話したところだった。
「ほう、お前にしては珍しいな。もちろん否定はしないが、今まで世話になったデーギス家には気の毒だな」
「一年間ですが、国から補助金が出るそうですよ。ですから、むしろデーギス家は儲かるのではないかと」
しかし、お父様は首を傾げていた。
「いくら出ると言っていた?」
「確か、一萬紙幣で一万枚と言っていましたが」
「ほう、これをシェリルは儲かると思っているのか?」
「保証としては多いかと思いますけど……」
「甘いな。むしろ俺は安すぎると思っている。国が何故そんなに安すぎる保証しかしないのか理解できんな」
これは想定外だった。
確かに民間人としてはかなり稼げている方だと言えるだろう。だが、一億を安いという程の経済効果を生みだしているとは思えない。
「金に関しては今まで俺たちが管理していたから知らないのだろうが、はっきり言おう。一億程度の補償金では一ヶ月分の金額にも満たないだろう」
「え!?」
「金だけならまだ良い。そもそもシェリル、お前の存在を失うということがどれほどの損失か分かっていないのだよ」
何を言い出すかと思えば、さすがに過大評価しすぎでしょう。
「国の対応もどうかと……。すまないが、何か特別な理由がない限りは、仕事としては反対かもしれんな……。デーギス家に何か問題があるのならば別だが」
「それが……デーギス家というか、ガルカに問題がありまして……」
話の流れで、幼馴染のレムと不倫関係であること、私の報酬である程度金を貯めたら私を捨てるということも話した。
「あの男、まさかそのようなクズだったとは……この話、嘘じゃないんだな!?」
お父様の顔が恐ろしいほどに強張っていた。
私は恐る恐る首を縦に振る。
「離婚も考えていましたが、そうなってしまうとデーギス家との契約がなくなってしまうんじゃないかと……。ですから、今回はチャンスかと思いました。ですから国の仕立屋と契約を結ぼうかと……」
「シェリルよ……お前も馬鹿なのか? なんでそこまで酷い状況にあっていながら相談をしなかったのだ?」
「だって、困るじゃないですか。私はともかく、実家で経営困難になってしまったら……」
「経営などどうでも良いとは言わんが、それでもシェリルの幸せが一番に決まっているだろうが! むしろ、そんなことを知ってしまえば即デーギス家との付き合いも終わりにする」
お父様からこの後、長いお説教を受けた。
もっと私自身のことを優先しろとか、早く離婚しろとか……。
そして、一秒でも早く契約を結べと言われた。
よって、明日急遽王宮の方へ顔を出して契約を結ぶことになってしまった。
まだ工場とか確認していないのだけれど大丈夫なのだろうか。
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