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すぐに声をあげたのはデースペル伯爵だった。
「ブルラインよ……聞きたいことが色々とある。こちらのキャンベル嬢と不倫関係というのは本当なのか?」
「だーかーらー、誤解ですよぉデースペル伯爵様。私とブルラインは幼馴染ってだけですって」
「そ……そうです父上! 確かに幼馴染というだけあって……小さい頃からの馴れ合いで多少のスキンシップもありますが」
「諜報部隊の者。このように発言をしているが、証拠はあるのかね?」
「はい、法曹様。映像を流す許可をいただけますか?」
「許可する」
ブルラインとキャンベルが不倫中の嫌らしい証拠映像が流れる……。
覚悟はしていたが、見ていて気分が悪くなってきた。同時に、婚約者がいながら平気でこのような行為ができるもんだなと呆れてしまう。
ブルラインが金庫から札束を抜き取った映像、そしてキャンベルの浮気現場や窃盗をしている映像まで流れた。
キャンベルと一緒にいた仕掛け人の男が席を離れた隙に、鞄の中から札束を幾つか抜き取っていたのだ。
わざと大金を置いたまま席を外したこと自体が罠だったことは、キャンベルも知らないのだろうが。
ブルラインもキャンベルも固まったまま放心状態のようだ。
「ブルライン殿にキャンベル嬢、この映像に不服があるのなら述べよ」
法曹の言葉にすぐに反応したのがブルラインだった。
また言い訳や誤魔化しならば、聞きたくはないのだが。
「キャンベル、お前……不倫をしていたのか!?」
「違うわ! 私は告白して昨日フラれたの! 急に国に帰ると告げられて……だから不倫でもなんでもないわ」
「なんだと! 私以外の男と関係を深めようとするとは……この不倫女め! 私がどれほどお前に……あ……」
どこまで間抜けでバ……ダメなコンビなのだろうか。
お互いの不満を爆発させて、自ら二人の不倫関係を認めてしまったようなものだし。
それに私への不倫など全くなかったかのような発言だし余計に腹立たしい。
「はぁ、ブルライン=ウォード様……今回の婚約破棄の件は問題はありませんね?」
「ちょっと待ってくれアエル。幼馴染なんだぞ。少々度が過ぎたかもしれんが、お互いに愛し合ってるわけではなかったことはこの映像でも証明されただろう?」
つまり、幼馴染という肩書きがあって愛情がなければ抱き合ったりなんでもしていいということか。
なんというご都合主義なのだろう。
「なんでそうなっちゃうのよブルライン! 私と毎日してたことに愛はなかったの!?」
「あんな不倫している映像を見せられては冷める。だからアエル、私はやはり君を愛したいのだが」
どこまで身勝手なんだろう。黙って聞いているみんなが、今にも殴りかかりそうな表情をしてて怖い。
「普通に考えて、もう無理でしょう。それに私とて、犯罪を犯すような方との結婚はたとえ政略結婚だとしてもお断りしますが」
「ダメだ! 結婚はなんとしてでも行う。今すぐにでも! そうすれば金だって返せるから助かるはずだ」
言い訳と押しつけを聞いていたら、私の胃がどんどん痛くなってきた。
私が両手で胃のあたりを抑えると、バレンさんに心配されて急遽席を外すように促された。
「アエル、一旦医務室で休んでこい」
「え……でも……」
「アエルはこの場で十分頑張った。あとは俺に任せておけ。おい、誰かアエル令嬢を医務室へご案内させろ」
半ば強制的に諜報部隊の方達に連れて行かれてしまった。
バレンさんの判断は正しかったのかもしれない。
極度のストレスで私の胃はどんどん痛くなっていき、急性胃腸炎とストレス性の病気にかかってしまった。
治るまで一週間の間、王宮の医務室で休養を余儀なくされてしまった。
「ブルラインよ……聞きたいことが色々とある。こちらのキャンベル嬢と不倫関係というのは本当なのか?」
「だーかーらー、誤解ですよぉデースペル伯爵様。私とブルラインは幼馴染ってだけですって」
「そ……そうです父上! 確かに幼馴染というだけあって……小さい頃からの馴れ合いで多少のスキンシップもありますが」
「諜報部隊の者。このように発言をしているが、証拠はあるのかね?」
「はい、法曹様。映像を流す許可をいただけますか?」
「許可する」
ブルラインとキャンベルが不倫中の嫌らしい証拠映像が流れる……。
覚悟はしていたが、見ていて気分が悪くなってきた。同時に、婚約者がいながら平気でこのような行為ができるもんだなと呆れてしまう。
ブルラインが金庫から札束を抜き取った映像、そしてキャンベルの浮気現場や窃盗をしている映像まで流れた。
キャンベルと一緒にいた仕掛け人の男が席を離れた隙に、鞄の中から札束を幾つか抜き取っていたのだ。
わざと大金を置いたまま席を外したこと自体が罠だったことは、キャンベルも知らないのだろうが。
ブルラインもキャンベルも固まったまま放心状態のようだ。
「ブルライン殿にキャンベル嬢、この映像に不服があるのなら述べよ」
法曹の言葉にすぐに反応したのがブルラインだった。
また言い訳や誤魔化しならば、聞きたくはないのだが。
「キャンベル、お前……不倫をしていたのか!?」
「違うわ! 私は告白して昨日フラれたの! 急に国に帰ると告げられて……だから不倫でもなんでもないわ」
「なんだと! 私以外の男と関係を深めようとするとは……この不倫女め! 私がどれほどお前に……あ……」
どこまで間抜けでバ……ダメなコンビなのだろうか。
お互いの不満を爆発させて、自ら二人の不倫関係を認めてしまったようなものだし。
それに私への不倫など全くなかったかのような発言だし余計に腹立たしい。
「はぁ、ブルライン=ウォード様……今回の婚約破棄の件は問題はありませんね?」
「ちょっと待ってくれアエル。幼馴染なんだぞ。少々度が過ぎたかもしれんが、お互いに愛し合ってるわけではなかったことはこの映像でも証明されただろう?」
つまり、幼馴染という肩書きがあって愛情がなければ抱き合ったりなんでもしていいということか。
なんというご都合主義なのだろう。
「なんでそうなっちゃうのよブルライン! 私と毎日してたことに愛はなかったの!?」
「あんな不倫している映像を見せられては冷める。だからアエル、私はやはり君を愛したいのだが」
どこまで身勝手なんだろう。黙って聞いているみんなが、今にも殴りかかりそうな表情をしてて怖い。
「普通に考えて、もう無理でしょう。それに私とて、犯罪を犯すような方との結婚はたとえ政略結婚だとしてもお断りしますが」
「ダメだ! 結婚はなんとしてでも行う。今すぐにでも! そうすれば金だって返せるから助かるはずだ」
言い訳と押しつけを聞いていたら、私の胃がどんどん痛くなってきた。
私が両手で胃のあたりを抑えると、バレンさんに心配されて急遽席を外すように促された。
「アエル、一旦医務室で休んでこい」
「え……でも……」
「アエルはこの場で十分頑張った。あとは俺に任せておけ。おい、誰かアエル令嬢を医務室へご案内させろ」
半ば強制的に諜報部隊の方達に連れて行かれてしまった。
バレンさんの判断は正しかったのかもしれない。
極度のストレスで私の胃はどんどん痛くなっていき、急性胃腸炎とストレス性の病気にかかってしまった。
治るまで一週間の間、王宮の医務室で休養を余儀なくされてしまった。
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