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ルリナは動物が大好き

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 公爵邸の庭には、木がたくさん茂った森のようなところがある。
 ここは公爵家の人間もほとんど管理していないため、昼間は私ルリナの憩いの場として使っている。

「あー、あったあった! これでしばらく生きていける~」

 森の中でごちそうを見つけた。
 美味しい食べ物もたくさん眠っている。

 よいしょ、と木に登って木の実を回収した。
 あまりにも美味しそうだったため、私の口からはよだれが出てしまう。
 今にも千切れてしまいそうなボロボロの服でよだれを拭いてから、木の実をそのまま口の中へ入れた。
 少し堅いが、あまりにも感動してしまいつい声に出てしまった。

「うんまーーー! あ、小鳥さんもこんにちは」
『ピイイイイイーー!!』

 どうやら木の実を食べたがっているようだったため、回収した木の実を小鳥に分けた。
 すると、勢いよくクチバシで突っついて美味しそうに食べている。

 友達の楽しそうな顔を見れたし、今日はなんて良い日なのだろう。
 私のお腹も少しは満たされたため、木から降りたときだった。

「やっと見つけた。まったく……、ルリナ義姉様ったらこんなところでなにをしているのかしら……」

 義妹のシャインは腕を組みながら、まるで害虫を見るような表情で私を見てきた。
 まさか木の実をコッソリ食べていたことがバレてしまったのではないかと思い、私は青ざめる。
 与えられた食事以外を食べてることに対して怒られたらどうしよう。

「え、えぇと、体力づくり」
「はぁん? こーんなところで運動するしかできないなんて、おかわいそうなこと。それに公爵令嬢が木登りだなんて、はしたないったらありゃしない」

 公爵令嬢の立場って言われてもピンとこない。

 私の住処は、物心がついたころからずっと庭にあるゴミ捨て場。
 毎日一度だけ家で働いている人が食事を運んでくれているが、全然お腹が満たされない。

 そこで、この広い庭のどこかでおいしいご飯がないか探すようになったところ、森の中でごちそうを発見したのだ。
 木登りだって生きていくためだから許してほしい。

「ところで、シャインは元気にしていた? ずいぶんと背が伸びたよね」
「バカにしないでほしいですわ」

 それを聞いてホッとした。
 私はお父様から『事情によって大人になるまでは家に入れることはできぬ、公爵邸の庭で好き勝手に生活せよ』と命じられていた。
 その証拠にご飯だってしっかり届けてくれている。
 ただ、最近食料不足なのかな……。
 肉の骨だったり、魚の身が削られてこれもまたほとんど骨だったり……。
 誰かの食べ残しみたいなものが毎回提供されるようになった。

「ルリナ義姉様ほど無能なおバカさんは傑作モノですわ。きっと明日の交流会で大恥をかいて噂以上の女だったとバカにされるといいですわ」
「こうりゅーかい?」
「詳しくはお父様から聞けばよろしいですわ。私は家の中へ案内するように命じられて仕方なく来てあげただけなので」

 おぉ、私はいつの間にか大人になっていたのか。
 ついに公爵邸の家の中へ入れるんだ。
 一体なにがあるんだろう。

 ワクワクしながらシャインのあとをついていく。
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