7 / 7
エピソード五
しおりを挟む
『太助は死者だ。』
「何を言っておる(笑)ヤマト殿わしは生きておるぞ。ほれ、身体も透けたりしていない。」
『そりゃそうだ。お前は実体のある霊だからな、こいつと同じでな。』
「こいつ?ヤマト殿、冗談はやめてくだされ。この方が死者なはずがない。のう?」
「ヤマトさんの言う通りです。僕は死んでいます。何故か僕は実体があって他の人にも声が聞こえてしまうんですがね。でもヤマトさん、太助さんも実体があるのにどうして声は届かないんですか?」
『逆に声が生者に届く方が異常だ。普通死者は姿も見えないし声も聞こえない。ただたまに、この世への思いが非常に強かったりするとお前らみたいな奴が出てくる。まぁ、他にも理由はいろいろあるけどなぁ。』
「そうなんですか。」
「ちょ、ちょっと待て。ほんとにわしは死んだのか?いきなり過ぎて信じられん。」
『まぁそんなもんだろ。大半の奴は自分が死んでるって気づいてないから。信じられないなら、そうだなぁ切腹でもしてみたらどうだ?』
「そんな軽くできるもんじゃないでしょ。」
グサッ「ってもうしてるー!?」
「全然痛くない...」
『だろ、死んでるからな。』
「そうか...わしは死んだのか…」
『そう死んだ死んだ。』
「わしはこれからどうすればいいんじゃ?」
『はぁ?そんなの自分で決めろよ。まぁ幸いお前は実体があるからな、どうしてもってなら生者に混じって暮らすこともできるぞ。声が皆に聞こえないってのは、まぁ何とかして誤魔化せばいけるだろ。俺からのアドバイスは以上!...じゃ俺らは帰るか。』
「そうですね。夕食まだでした。」
「まっ待ってくれ!ヤマト殿!わしには何ができる?」
『だからぁ、お前の道なんだから別になんでもしたいことすればいいだろ。』
「わしのしたいこと...わしは!...ヤマト殿の役に立ちたい。おぬしの側で役に立ちたい!」
「いや、絶対に辞めた方がいいですよ!損しかしませんよ!考え直した方がいいですよ!!」
「もう決めたんじゃ。」
『ほんとにいいのか?もう誰にも仕えないでいいんだぞ。自由に生きていいんだぞ。』
「言っただろう、もう決めたんじゃ。わしは第二の人生ヤマト殿に全て捧げる。それがわしのしたいことじゃ。」
「ほ、ほんとにいいんですか?」
「あぁ、わしの本能が言っておる。この人についていけと。」
『そうか。なら今からお前は霊保隊の、俺の右腕だ。しっかり護れよ。』
「御意。この先何があっても護り続けます。この命にかえても!」
「(命はもうないですけどね...)」
「何を言っておる(笑)ヤマト殿わしは生きておるぞ。ほれ、身体も透けたりしていない。」
『そりゃそうだ。お前は実体のある霊だからな、こいつと同じでな。』
「こいつ?ヤマト殿、冗談はやめてくだされ。この方が死者なはずがない。のう?」
「ヤマトさんの言う通りです。僕は死んでいます。何故か僕は実体があって他の人にも声が聞こえてしまうんですがね。でもヤマトさん、太助さんも実体があるのにどうして声は届かないんですか?」
『逆に声が生者に届く方が異常だ。普通死者は姿も見えないし声も聞こえない。ただたまに、この世への思いが非常に強かったりするとお前らみたいな奴が出てくる。まぁ、他にも理由はいろいろあるけどなぁ。』
「そうなんですか。」
「ちょ、ちょっと待て。ほんとにわしは死んだのか?いきなり過ぎて信じられん。」
『まぁそんなもんだろ。大半の奴は自分が死んでるって気づいてないから。信じられないなら、そうだなぁ切腹でもしてみたらどうだ?』
「そんな軽くできるもんじゃないでしょ。」
グサッ「ってもうしてるー!?」
「全然痛くない...」
『だろ、死んでるからな。』
「そうか...わしは死んだのか…」
『そう死んだ死んだ。』
「わしはこれからどうすればいいんじゃ?」
『はぁ?そんなの自分で決めろよ。まぁ幸いお前は実体があるからな、どうしてもってなら生者に混じって暮らすこともできるぞ。声が皆に聞こえないってのは、まぁ何とかして誤魔化せばいけるだろ。俺からのアドバイスは以上!...じゃ俺らは帰るか。』
「そうですね。夕食まだでした。」
「まっ待ってくれ!ヤマト殿!わしには何ができる?」
『だからぁ、お前の道なんだから別になんでもしたいことすればいいだろ。』
「わしのしたいこと...わしは!...ヤマト殿の役に立ちたい。おぬしの側で役に立ちたい!」
「いや、絶対に辞めた方がいいですよ!損しかしませんよ!考え直した方がいいですよ!!」
「もう決めたんじゃ。」
『ほんとにいいのか?もう誰にも仕えないでいいんだぞ。自由に生きていいんだぞ。』
「言っただろう、もう決めたんじゃ。わしは第二の人生ヤマト殿に全て捧げる。それがわしのしたいことじゃ。」
「ほ、ほんとにいいんですか?」
「あぁ、わしの本能が言っておる。この人についていけと。」
『そうか。なら今からお前は霊保隊の、俺の右腕だ。しっかり護れよ。』
「御意。この先何があっても護り続けます。この命にかえても!」
「(命はもうないですけどね...)」
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる