スカーレットオーク

はぎわら歓

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風の住処(番外編)

16 拒絶

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 颯介は持ってきたコンドームを枕元へこっそり隠した。
 少し周りを見回して色々セッティングを始める。
 (えっと。ティッシュとゴミ箱と)
そして布団に入って早苗を待った。

 (初めてなんだろうなあ……)
できるだけ優しくしなくてはと思い、紳士的な振る舞いをしようと心に決めた。

  早苗がやってきた。
 「もう布団にはいってるの?」
 「うん。俺いつも朝早いから眠くて」
  寝そうになっている颯介になんとなく安心して早苗も布団に入ってきた。

 大柄な早苗の布団はセミダブルなので、二人でも横になれるゆとりがある。
しかし彼女は敷布団のギリギリ端っこにいる。

 「風邪ひくって」
  颯介はグイッと自分のほうに引き寄せる。
 「あ」
  こんなに密着するのは初めてで早苗は緊張して怖くなってきた。
 「ねえ。いい?」
  と、颯介に聞かれたが、何がいいのかさっぱりわからなく無言のままでいる。

  颯介は早苗が拒否はしていないと判断して、キスを始めた。
 少し慣れてきた口づけにやがて早苗はうっとりする。

パジャマの上から颯介が身体を弄ってくる。
 優しく抱きしめられながら首筋から背中、腰を撫でられる。
 膝や太腿もマッサージされるように擦られ早苗はリラックスしてきた。
なんだか全身が温まってきて顔も熱くなってくる。

 「あ」
  ため息と一緒に声がこぼれる。
 颯介は早苗の胸を愛撫しにかかった。

  胸を触れられ早苗は思わず、
 「先生。やめて」
  と、言ってしまった。

 「え」
  颯介が手を止める。

  早苗ははっとして、
 「なんでもないの。ごめんなさい」
  と、言ったが颯介は完全に動きが止まっている。

 「先生って誰?」
  誤魔化せそうにない雰囲気と、颯介の真剣な目が早苗にプレッシャーを与えた。

 「あの。なんでもないの」
 「何でもないと思えないんだけど」
  颯介は身体を起こして胡坐をかく。

 「なあ。黙ってないでちゃんと言ってくれよ」
 「大したことじゃないんだけど……」
 「そんなことないだろ。こんな大事な時に……」   
  きっと話さないと颯介は納得しないだろう。

 「笑わないで聞いてくれる」
 「笑わないよ」
  早苗は深呼吸をして話し始めた。
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