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第三部
7 バレンタインデー
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玄関を開けるとチョコレートの甘い、いい匂いが漂ってくる。
優樹は今日もらったバレンタインデーのチョコレートを見つからないように、こっそりバッグの奥に入れ直してから家に上がった。
「ただいまー」
緋紗が笑顔で出迎える。
「おかえり。今日はチョコレートケーキ作ってみたよ」
「あ、ほんと。楽しみ」
「ご飯のあとでね。手を洗ってうがいして」
「はーい」
直樹も帰宅して台所を覗いた。
「ただいま。いい匂いだね」
「おかえりなさい。食後のデザート作ったの。夕飯はもう三十分くらいあとね」
「楽しみにしてるよ」
直樹が作業服から部屋着に着替えていると優樹がやってきた。
「お父さん、おかえり。あのさあ。今日ね。チョコもらったんだ」
「へー。やるじゃないか。クラスの子?」
「うん。でさあ」
もじもじしている優樹の様子を見て、直樹は察した。
「告白でもされた?」
「うん。付き合ってほしいんだってさ」
(小学生で、もう付き合うのか。ませてるなあ)
「優樹はその子好きなのか?どんな子?」
「うーん。和奏ねえちゃんに似てる。綺麗な子で頭もよくて。でもちょっと怖いかな。でも俺には優しいんだ」
直樹は苦笑した。
優樹は顔は直樹に似ているが性質はなんだか和夫に似ている。和奏と姉弟のように育ったせいかもしれない。
「じゃ、どんな子が好きなんだ」
「んー。なんか一生懸命な感じで可愛い感じかな。お母さんみたいな」
(やれやれ……)
「付き合ってる子って他にいるのか?早い気がするけど」
「クラスの半分は付き合ってるよ。孝太にいちゃんだって彼女三人いるって言ってた」
直樹は絶句した。(兄貴よりひどいな……)
「ほかに好きな子がいなくて楽しく出来そうなら付き合ってもいいんじゃないのか」
「そうだね。いいよって言ってみる」
あっけらかんと言う優樹にため息交じりに直樹は続けて「じゃあ。今日から自分の部屋で寝ること。親と一緒に寝てるってばれたら恥ずかしいだろ」 と言ってみた。
「そっかあ……。俺、来年中学だもんなあ。わかった。一人で寝るよ」
(俺、グッジョブ)直樹は笑いそうになるのを堪えた。
「ねえ。お父さんはお母さんのどこが好きなの?」
「お前と同じだよ。一生懸命で可愛いところ」
そう言いながら、自由で何ものからも束縛されないのに、直樹に征服されることを望むような、緋紗の官能的な赤い唇を思い出した。
「ごはんよー」
緋紗の声でハッとして我に返り直樹は優樹を食事に促した。
「ご飯にするか」
「うん。今の話お母さんに内緒ね」
優樹は爽やかに笑った。
バレンタインデーから一週間たつが、優樹が直樹と緋紗の寝室で眠ることが無くなった。
「いきなり自分の部屋で朝まで寝るなんて。どうしたのかしら。何かあったのかな」
心配する緋紗に直樹はほくそ笑んで答えた。
「そろそろわかると思うけどあいつ、彼女ができたんだよ。優樹には話したってこと内緒にしてて」
「ええ。そうなの?早すぎないかしら」
緋紗は目を丸くする。
「今時、高学年でもう半分は付き合ってるってさ」
「へー。すごいのねえ」
「一緒に下校したり宿題したりする程度らしいけどね」
「そうなの。まあもうすぐ中学だからそれまでの間かな」
「まあ。ちょっと様子見だね。でもしばらくは邪魔がはいらないか」
直樹は緋紗のパジャマを脱がしにかかった。
「あっ」
荒々しい口づけをして緋紗の下着を下ろす。
巧みな指使いですぐに緋紗を絶頂に導いた。
「ああっ――」
「それでもいつここに来るからわからないから、用心はしないとね」
とぎれとぎれの息を吐き出す緋紗を見ながら「緋紗は可愛いよ」と囁いた。
すぐに挿入して奥まで押し付けると、緋紗は唇を噛んで耐えながら感じている。(こんな姿は俺しか知らない)
未だに独占欲と征服欲が芽生えてしまう。
「時間をもっとかけてあげたいけど」
緋紗は快感に耐えられなくなっているようだ。
「声が出ちゃう。もう……」
直樹は人差し指を緋紗の口の中に入れて抜き差ししながら「もうちょっと我慢して」と言いながら腰を動かした。
「んんっ」
「いくよ」
もう声が聴こえていないような緋紗は直樹の動きに応じて登りつめているようだった。
直樹は恍惚とした表情の緋紗を見つめながら達した。
優樹は今日もらったバレンタインデーのチョコレートを見つからないように、こっそりバッグの奥に入れ直してから家に上がった。
「ただいまー」
緋紗が笑顔で出迎える。
「おかえり。今日はチョコレートケーキ作ってみたよ」
「あ、ほんと。楽しみ」
「ご飯のあとでね。手を洗ってうがいして」
「はーい」
直樹も帰宅して台所を覗いた。
「ただいま。いい匂いだね」
「おかえりなさい。食後のデザート作ったの。夕飯はもう三十分くらいあとね」
「楽しみにしてるよ」
直樹が作業服から部屋着に着替えていると優樹がやってきた。
「お父さん、おかえり。あのさあ。今日ね。チョコもらったんだ」
「へー。やるじゃないか。クラスの子?」
「うん。でさあ」
もじもじしている優樹の様子を見て、直樹は察した。
「告白でもされた?」
「うん。付き合ってほしいんだってさ」
(小学生で、もう付き合うのか。ませてるなあ)
「優樹はその子好きなのか?どんな子?」
「うーん。和奏ねえちゃんに似てる。綺麗な子で頭もよくて。でもちょっと怖いかな。でも俺には優しいんだ」
直樹は苦笑した。
優樹は顔は直樹に似ているが性質はなんだか和夫に似ている。和奏と姉弟のように育ったせいかもしれない。
「じゃ、どんな子が好きなんだ」
「んー。なんか一生懸命な感じで可愛い感じかな。お母さんみたいな」
(やれやれ……)
「付き合ってる子って他にいるのか?早い気がするけど」
「クラスの半分は付き合ってるよ。孝太にいちゃんだって彼女三人いるって言ってた」
直樹は絶句した。(兄貴よりひどいな……)
「ほかに好きな子がいなくて楽しく出来そうなら付き合ってもいいんじゃないのか」
「そうだね。いいよって言ってみる」
あっけらかんと言う優樹にため息交じりに直樹は続けて「じゃあ。今日から自分の部屋で寝ること。親と一緒に寝てるってばれたら恥ずかしいだろ」 と言ってみた。
「そっかあ……。俺、来年中学だもんなあ。わかった。一人で寝るよ」
(俺、グッジョブ)直樹は笑いそうになるのを堪えた。
「ねえ。お父さんはお母さんのどこが好きなの?」
「お前と同じだよ。一生懸命で可愛いところ」
そう言いながら、自由で何ものからも束縛されないのに、直樹に征服されることを望むような、緋紗の官能的な赤い唇を思い出した。
「ごはんよー」
緋紗の声でハッとして我に返り直樹は優樹を食事に促した。
「ご飯にするか」
「うん。今の話お母さんに内緒ね」
優樹は爽やかに笑った。
バレンタインデーから一週間たつが、優樹が直樹と緋紗の寝室で眠ることが無くなった。
「いきなり自分の部屋で朝まで寝るなんて。どうしたのかしら。何かあったのかな」
心配する緋紗に直樹はほくそ笑んで答えた。
「そろそろわかると思うけどあいつ、彼女ができたんだよ。優樹には話したってこと内緒にしてて」
「ええ。そうなの?早すぎないかしら」
緋紗は目を丸くする。
「今時、高学年でもう半分は付き合ってるってさ」
「へー。すごいのねえ」
「一緒に下校したり宿題したりする程度らしいけどね」
「そうなの。まあもうすぐ中学だからそれまでの間かな」
「まあ。ちょっと様子見だね。でもしばらくは邪魔がはいらないか」
直樹は緋紗のパジャマを脱がしにかかった。
「あっ」
荒々しい口づけをして緋紗の下着を下ろす。
巧みな指使いですぐに緋紗を絶頂に導いた。
「ああっ――」
「それでもいつここに来るからわからないから、用心はしないとね」
とぎれとぎれの息を吐き出す緋紗を見ながら「緋紗は可愛いよ」と囁いた。
すぐに挿入して奥まで押し付けると、緋紗は唇を噛んで耐えながら感じている。(こんな姿は俺しか知らない)
未だに独占欲と征服欲が芽生えてしまう。
「時間をもっとかけてあげたいけど」
緋紗は快感に耐えられなくなっているようだ。
「声が出ちゃう。もう……」
直樹は人差し指を緋紗の口の中に入れて抜き差ししながら「もうちょっと我慢して」と言いながら腰を動かした。
「んんっ」
「いくよ」
もう声が聴こえていないような緋紗は直樹の動きに応じて登りつめているようだった。
直樹は恍惚とした表情の緋紗を見つめながら達した。
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